調整一服、早くもドル高リスク再燃か
〇本日のドル円、136円挟んだ50ポイント程度のレンジ取引、16時現在135.95-00で推移
〇ドル予想以上に底堅い推移、年初来高値136.71が再び視界内に
〇米NY連銀総裁、7月FOMCでの0.75%利上げ可能性に言及、積極的な利上げスタンス再確認される
〇本日は米1-3月期GDP統計確報の発表、欧米通貨当局者による発言機会を多数予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.50-136.70、136.38が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は135.80レベルが目先のサポート
<< 東京市場の動き >>
29日の東京市場はドル強保ち合い。136円を挟んだ高値圏での一進一退で、年初来高値が再び視界内に捉えられてきた。
ドル/円は136.10-15円で寄り付いたものの、ドルの上値は重く上げ渋り。しかし下値も堅く下がらず結果的には136円挟み、50ポイント程度のレンジ取引に。ただ、日経平均株価は終値ベースで200円を超える下落、米長期金利も冴えないなか、予想以上に底堅く推移したとの指摘も聞かれていた。16時現在、ドル/円は135.95-00円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「G7首脳会議」と「ロシア情勢」について。
前者は、3日間にわたって行われたG7サミットで、ロシアを厳しく非難するとともに、ウクライナへの支援に結束して取り組む姿勢を打ち出し閉幕している。また、中国が軍事活動を活発化させる東シナ海などの状況に深い懸念が示されたほか、弾道ミサイルの発射を繰り返す北朝鮮への厳しい非難も盛り込まれたが、前者部分に中国が早速反応。中国政府は「台湾問題は中国の内政であり、いかなる外部の干渉も許されない」として、強く反発していた。一方、それとは別に発表された声明において、「既存のG7の為替レートに関するコミットメントを再確認する」と明記されていたようだ。
対して後者は、ロシア外務省が報復措置として、「米大統領夫人ら25人の入国禁止」措置を発表したほか、ウクライナ情勢と絡め上から目線の居丈高発言が相次ぐ。たとえば、ラブロフ外相は「西側諸国がウクライナに武器を供給すればするほど紛争は長期化する」、ペスコフ報道官も「ウクライナが降伏すればただちに攻撃を停止」、「欧州などがガス価格上限設定なら契約条件変更も」などと発言していたという。単なるカラ元気なのか、それとも何か裏付けされたものがあるのか動静をしっかりと見極めたい。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は、ここ1週間ほど推移する134.27-136.71円にいまだとどまっているものの、その上限を再び意識した値動きとなっている。いま少し、前述した2.5円レンジが続くと予想していたのだが、時間調整と思しき足もとの動きは意外に早く終了する可能性もある。なお、年初来高値でもある136.71円を上抜けた場合には、再び青天井状態となる危険性もあるだけに注意を払いたい。
米NY連銀総裁は昨日、次回7月のFOMCについて「利上げは迅速に行う必要がある」などと述べたうえで、「0.75%の金利引き上げ」も議論される可能性に言及していた。ある程度はわかっていたことだが、やはり米国の積極的な利上げスタンスが再確認されたと言え、為替市場にとってはドルの支援要因に。ただ、短期的には昨日も弱含みに推移をしたNYダウなどの米株と、半期あるいは四半期末にあたる6月末が目前に控えた需給要因が波乱要因か。荒っぽい上下動などにも一応要注意。
テクニカルに見た場合、短期的な調整局面入りを予想していたドル/円だが、再び上方向へのリスクを感じさせ始めた。実際、昨日ドルは136.38円まで値を上げ、年初来高値まであと30ポイントほどになっている。早ければ、本日中にも年初来高値を再トライあるいは更新する展開も想定できる。ただ、失敗に終われば当初の見込み通り、134.27-136.71円といったレンジ取引がいま少し続くことになりそうだ。
本日は米経済指標として、1-3月期GDP統計確報などが発表されるほか、欧米通貨当局者による講演等の発言機会がともかく多い。また、終了したG7サミットに続き行われるNATO首脳会議などの政治ファクターにも引き続き要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.50-136.70円。ドル高・円安方向は昨日高値136.38円が最初の抵抗で、抜ければ136.71円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値135.80円レベルが目先のサポートか。割り込むようだとやや深押しも予想され、一本調子ではないにせよ134円台突入も想定しておく必要がある。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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