米株など注意しつつ、基本はレンジ継続か
〇本日のドル円、積極的な動意に欠け、135円台前半中心の50ポイント程度のレンジ取引に終始
〇ここ1週間ほど134.27-136.71といったレンジ形成、次の材料待ちから往来相場が続く可能性
〇テクニカルには中期的なドル高基調は変わらないものの、短期的にドル/円は調整局面入りか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.30、ドル高・円安方向は136.20レベルに弱い抵抗
〇ドル安・円高方向は、135.00-10が目先のサポート
<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場はレンジ取引。135円前半を中心としたやや狭いレンジ内での一進一退、方向性は乏しかった。
ドル/円は135.40-45円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。日米株価や金利の動きを注視しつつ、135円台前半を中心とした50ポイント程度のレンジ取引に終始。なお、閣議後の会見で鈴木財務相から「引き続き緊張感を持って、ロシア側の対応や市場の動向などを注視する」との発言が聞かれたものの、これまでに比べて円安けん制のトーンは弱かった。16時現在、ドル/円は135.60-65円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「G7首脳会議」と「中国情勢」について。
前者は、G7首脳は2日目の討議で、対ロシア制裁を強化するとともに、各国がロシアからの輸入品にかける関税で得られた資金をウクライナ向けに活用するなど「必要な限りウクライナを支援する」とした声明を発表。また、ロシアのウクライナ侵攻の影響で食糧危機に直面している国に対し、連携して必要な支援を行っていく方針で合意したとも伝えられている。さらに、ウクライナ中部ポルタワ州クレメンチュクのショッピングセンターに向けたロシア軍のミサイル攻撃について、「戦争犯罪にあたる」などとした共同の非難声明を別途発表していた。
対して後者は、米国のサリバン大統領補佐官が、数週間以内にバイデン大統領と中国の習国家主席と会談する見通しだと明らかにしたことが話題に。ただ、そうしたなか米国と台湾は、経済連携を強化するための新協議体「21世紀の貿易に関する米台イニシアチブ」の初会合をオンラインで開催しており、これに中国サイドが噛み付くことは想像に難くない。このあと伝えられる中国サイドの反応などにも注目だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、さらに時間的な調整局面入りの様相を強めている。実際、チャートを見てもここ1週間ほどは134.27-136.71円といった若干広め、1.5円ほどのレンジを形成しているようだ。予断を許さないものの、短期的には次の材料待ちから、前述レンジを中心とした往来相場が続く可能性もある。時間調整を経たのちの次の一手、放れていく方向性とタイミングには一応の注意を払っておきたい。
金利の引き上げに積極的な米欧や英国などに対し、消極的な日本で好対照な結果。金利差という観点からは、円は対ドルだけでなくユーロやポンドなどに対しても売りが先行しても不思議はないものの、性急な利上げを受けた景気減速懸念も依然として根強い。そのため、NYダウなど米株の動きも不透明で、強気になり切れないようだ。また、半期あるいは四半期末にあたる6月末が間近に迫っており、そうした日柄的な要因も市場筋の売買を手控えさせる一因に。
テクニカルに見た場合、中期的なドル高基調は変わらないものの、短期的にドル/円は調整局面入りか。ただし、調整といっても価格ではなく時間とみられ、基本は底堅いイメージ。23日の134.27円では取り敢えず一度下げ止まりそうで、また仮に下回っても134.10円や133円半ばなどがテクニカルポイントでドルの下値を支えそう。目先のドルはなかなか底堅いイメージだ。
一方、本日は米経済指標として、6月の消費者信頼感指数や同リッチモンド連銀製造業指数などが発表されるほか、米財務省による7年債の入札が実施される予定だ。また、28日までの日程で行われるG7サミットなどにも引き続き注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは135.10-136.30円。ドル高・円安方向は136.20円レベルに弱い抵抗があり、抜ければ136.71円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値を含めた135.00-10円が目先のサポート。ただ下回っても134円台にテクニカルポイントは多く、どちらにせよドルは底堅いイメージ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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