ドル円、節目136円台を難なく回復。直近高値136.72突破が射程圏内に(6/29朝)

28日(火)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、節目136円台を難なく回復。直近高値136.72突破が射程圏内に(6/29朝)

ドル円、節目136円台を難なく回復。直近高値136.72突破が射程圏内に

〇ドル円、米国時間朝方にかけて、高値136.32まで上昇
〇中国経済の持ち直し期待、G7首脳会議でのロシア産原油に価格上限を設定する合意等が背景
〇ユーロドル、米長期金利上昇と欧州経済先行き不透明感に、米国時間にかけ1.0504まで反落
〇ドル円、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナルが点灯、テクニカルの地合い「極めて強い」
〇ファンダメンタルズもドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料揃う
〇ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想、本日の予想レンジ:135.50ー137.00

海外時間のレビュー

28日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値135.13まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、@中国経済の持ち直し期待(北京市と上海市における新型コロナウイルス新規感染者が2月下旬以来となるゼロを記録)や、AG7首脳会議でのロシア産原油に価格上限を設定するとの方向性合意(原油先物価格に上昇圧力→本邦貿易赤字の拡大懸念→経常収支悪化に伴う構造的な円売り圧力)、Bニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁による「次回FOMC会合は0.50%か0.75%の利上げが議論される」「景気後退シナリオはない」とのタカ派的な発言、C月末・四半期末にかけてのドル買い需要、Dサンフランシスコ連銀デイリー総裁による「経済と労働市場は強くよりソフトなランディングに良い位置」との米経済に楽観的な見解発表、E米金利上昇に伴うドル買い圧力が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値136.32まで上昇しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間6/29午前3時40分現在)では、136.21(←訂正×135.21)前後で推移しております。尚、昨日発表された米6月消費者信頼感指数、米6月リッチモンド連銀製造業景気指数は共に市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、ドル円相場の反応は限定的となりました。

28日(火)のユーロドル相場は高値圏から急反落。欧州時間朝方にかけて、高値1.0606まで上値を伸ばすも、前日高値1.0616や一目均衡表雲下限をバックに続伸が阻まれると、@月末・四半期末にかけてのドル買い需要や、A米金利上昇に伴うドル買い圧力、BG7首脳による対ロ制裁の強化方針(ユーロ圏諸国へのエネルギー供給が一段と逼迫するとの警戒感)、Cドイツ7月GFK消費者信頼感(結果▲27.4、予想▲27.3)の冴えない結果(過去最低更新)、Dラトビア中銀カザークス総裁による「7月の0.5ポイント利上げは検討に価する」とのタカ派的な発言、EラガルドECB総裁による「7月に0.25%の利上げの意図を再確認」「9月利上げの規模は必要に応じて大きくなる可能性あり」とのタカ派的な発言、F上記DEを背景とした欧州経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念が燻る中での金融引き締めは景気への逆風)、Gロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク(ロシアはウクライナ中部ポルタワ州クレメンチュクのショッピングセンターにミサイル攻撃)が重石となり、米国時間にかけて、安値1.0504まで反落しました。

引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間6/29午前3時40分現在)では、1.0528前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は6/23に記録した直近安値134.26をボトムに反発に転じると、昨日は一時136.32まで急伸しました。日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転+強気のパーフェクトオーダー+ダウ理論の上昇トレンドが全て成立)が点灯する中、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます(6/22に記録した約23年8ヵ月ぶり高値136.72が射程圏内)。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@日米金融政策の方向性の違い(米FRBはインフレ抑制を目的に金融引き締め政策の強化を強調。一方、日銀は金融緩和政策の長期化スタンスを強調)や、A米国によるドル高容認姿勢(米国はインフレ抑制に繋がり得るドル高を当面容認する構え→日銀は例え悪い円安がもう一段進行したとしても米国に配慮する形で円買い為替介入には踏み切りづらい)、B米経済を巡る楽観的な見方(セントルイス連銀ブラード総裁に続き、昨日はニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁や、サンフランシスコ連銀デイリー総裁も米経済の力強さを強調→リセッション懸念など米経済を巡る過度な悲観論後退)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします(6/22に記録した直近高値136.72を突破し、1998年10月1日高値136.93や、心理的節目137.00、1998年9月24日高値137.24試すシナリオを想定)。尚、本日は米1ー3月期GDP統計(確報値)や、ECBフォーラムでのパウエルFRB議長パネル討議、クリーブランド連銀メスター総裁発言、セントルイス連銀ブラード総裁発言などに注目が集まります。

本日の予想レンジ:135.50ー137.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、節目136円台を難なく回復。直近高値136.72突破が射程圏内に

ドル円日足

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