ドル円見通し 二度目の136円台到達、ダブル天井突破型で進むか試される(22/6/29)

ドル円は6月28日夜の上昇で136円台を回復、29日未明には136.38円をつけて6月22日高値136.71円以来の高値水準とした。

ドル円見通し 二度目の136円台到達、ダブル天井突破型で進むか試される(22/6/29)

ドル円見通し 二度目の136円台到達、ダブル天井突破型で進むか試される

〇ドル円、6/28夜136円台回復、6/29未明に136.38到達、ダブル天井突破で6/22高値超えへ進むか
〇米6月消費者信頼感指数98.7へ大幅低下、市場予想100.4を下回る
〇NYダウ前日比491.27ドル安、戻り高値から千ドル近い急落に
〇米長期債利回り、NYダウ下落で前日比やや下げるが高止まり
〇日米金利差拡大基調は継続、ドル円は調整安入っても買い戻される展開を繰り返す
〇135.50以上での推移中は一段高余地ありとし、136.50超えからは6/22高値136.71試しへ向かうとみる
〇135.50割れからはいったん下落期に入るとみて、135円前後への下落を想定する。

【概況】

ドル円は6月28日夜の上昇で136円台を回復、29日未明には136.38円をつけて6月22日高値136.71円以来の高値水準とした。29日朝は136円を若干割り込むなど136円台を維持して6月22日高値超えへ一挙に進めるのか、135円台到達の際に二度135円をつけたところでダブル天井型となっていったん大きく下げたような展開に陥るのか試されるところだ。
6月28日夜は米消費者信頼感指数が予想以上に悪化したこともあり、NYダウが一時400ドルを超える大幅高だったところから500ドル安まで反落する乱調さで、米長期債利回りは上昇後に前日比でやや下げるも高止まり、大きな調整安につかまっていたNY原油が3連騰で切り返しの気配となるなど7月4日の米独立記念日以降の方向性を探る神経質な動きが見られた。

【NYダウは続落、消費者信頼感指数が100を割り込む】

6月28日のNYダウは前日比491.27ドル安と大幅下落した。序盤は先週末にかけての連騰が一服した27日の小反落を押し目買いしての上昇機運で前日比で440ドル高まで戻り高値を切り上げていたが、コンファレンスボードの米6月消費者信頼感指数が5月の103.2から98.7へと大幅に低下、市場予想の100.4を下回り2021年2月以来1年4か月振りの低水準となったことをきっかけに一時は前日比500ドル安を超える反落となった。

消費者信頼感の現況指数は147.1で5月の147.4からの小幅低下だったが期待指数は66.4となり5月の73.7から大幅な低下で2013年3月以来9年ぶりの低水準となった。また向こう6か月先についても悪化するが5月の26.4%から6月は29.5%へと拡大しており、インフレの進行と金融引き締めによる景気鈍化への懸念を強める印象となった。
NYダウは1月5日の史上最高値3万6952.65ドルから下落基調にあり、6月17日安値2万9653.29ドルで3万ドルを割り込んだところからいったん買い戻されたものの、6月28日は戻り高値から千ドル近い急落となり日足は上ヒゲの大陰線となった。4月21日への戻り一巡からの下落時、6月9日の638.11ドル安から一段安へ向かったところに近い動きとなっている。

【米長期債利回りの調整的低下継続か、反騰入りか試す】

米長期債利回りは総じて若干低下した。指標の10年債利回りは前日比0.02%低下の3.18%で終了、一時は3.26%へ続伸していたところから下げたが高止まりの様相。6月14日に3.50%をつけて昨年来の最高値としたところから6月23日に一時3.00%まで低下したが、6月24日から反騰入りしており、28日はNYダウの大幅下落に対する債券買いで利回り上昇にややブレーキがかかったものの高止まりの範囲。5月9日の3.20%から5月26日の2.70%まで0.50%の低下となったところから6月14日へ一段高した時の反騰入りに近い印象だ。
30年債利回りは0.04%低下の3.28%、2年債利回りは0.01%低下の3.11%だった。
ドル円は米長期債利回り上昇局面で押し上げられ、その後に長期債利回りが低下したことでやや頭打ちとなったものの、今後も米連銀は大幅利上げを継続してゆく見通しであり日米金利差の拡大基調は変わらないとして調整安が入っても買い戻される展開を繰り返している。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルにおいては6月16日深夜安値から5日目となる6月23日深夜安値で直近のサイクルボトムをつけて強気サイクル入りしたとして高値形成期を6月27日朝から29日朝にかけての間と想定した。前回サイクルトップの6月22日朝高値からは5日を経過したのでいったん調整安を入れやすいところにあるため、136円を割り込んでも切り返すうちはサイクルトップ形成期の延長入りによる上昇余地ありとするが、135.50円を割り込むところからは弱気サイクル入りとして6月29日の日中から30日深夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では6月27日夜への上昇で遅行スパンが好転し、28日未明には先行スパンを上抜けた。その後も両スパンろそっての好転を維持しているものの新たな高値更新へ進めないと遅行スパンは悪化しやすくなると注意する。遅行スパンが悪化するところからはいったん下げに入るとみて安値試し優先とする。その際に先行スパンからの転落を回避して遅行スパンが再び好転する場合は上昇再開入りとみるが、先行スパンから転落する場合は下げ足が早まり調整安も深くなりやすいと注意したい。

60分足の相対力指数は6月28日夜に70ポイントに到達し、29日未明へ高値を若干切り上げたところでは指数のピークが切り下がる小規模な弱気逆行が見られるので反落注意とする。50ポイント台を維持するうちは65ポイント超えから上昇再開とするが、相場が高値を更新する場面で指数のトップが切り下がる場合は弱気逆行としてその後の50ポイント割れから下落期入りとする。また高値更新へ進めずに50ポイント割れから続落に入る場合もいったん下げに入るところとして30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、135.50円を下値支持線、136.50円を上値抵抗線とする。
(2)135.50円以上での推移中は一段高余地ありとし、136.50円超えからは6月22日高値136.71円試しへ向かうとみる。136.65円以上は反落注意とするが、136.71円を超える場合は137円試しへ上値目途を引き上げる。また136円以上で明朝を迎える場合は30日の日中も高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)135.75円割れを弱気転換注意とし、135.50円割れからはいったん下落期に入るとみて135円前後への下落を想定する。135円以下は押し目買いされやすいところとみるが、下げ足が早まる場合は6月22日朝高値から6月23日夜安値にかけて2.46円の下落規模となったところに近い動きとして6月23日夜安値134.25円試しへ向かうとみる。

【当面の主な予定】

6/29(水)
NATO首脳会議(6/30まで、マドリード)
10:30 (豪) 5月 小売売上高 前月比 (4月 0.9%、予想 0.4%)
14:00 (日) 6月 消費者態度指数・一般世帯 (5月 34.1、予想 34.8)
17:00 (欧) デギンドスECB副総裁、講演
18:00 (欧) 6月 経済信頼感 (5月 105.0、予想 103.0)
18:00 (欧) 6月 消費者信頼感確定値 (速報 -23.6、予想 -23.6)
19:00 (欧) シュナーベルECB理事、講演
20:00 (米) MBA住宅ローン申請指数 前週比 (前週 4.2%)
21:00 (独) 6月 消費者物価指数速報値 前月比 (5月 0.9%、予想 0.3%)
21:00 (独) 6月 消費者物価指数速報値 前年同月比 (5月 7.9%、予想 8.0%)

21:30 (米) 1-3月期 GDP確定値 前期比年率 (改定値 -1.5%、予想 -1.5%)
21:30 (米) 1-3月期 GDP個人消費確定値 前期比年率 (改定値 3.1%、予想 3.1%)
21:30 (米) 1-3月期 コアPCE確定値 前期比年率 (改定値 5.1%、予想 5.1%)
21:30 (英) ベイリー英中銀総裁、講演
22:30 (欧) ラガルド欧州中銀総裁、パネル討論会
22:30 (米) パウエル米連銀議長、パネル討論会
22:30 (英) ベイリー英中銀総裁、パネル討論会
23:30 (米) エネルギー省週間石油在庫統計
24:30 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、パネル討論会
26:05 (米) ブラード・セントルイス連銀総裁、オンラインイベント

6/30(木)
OPECプラス閣僚級会合
08:50 (日) 5月 鉱工業生産速報値 前月比 (4月 -1.5%、予想 -0.3%)
08:50 (日) 5月 鉱工業生産速報値 前年同月比 (4月 -4.9%、予想 4.2%)
10:00 (NZ) 6月 ANZ企業信頼感 (5月 -55.6)
10:30 (中) 6月 国家統計局製造業PMI (5月 49.6、予想 50.3)
14:00 (日) 5月 新設住宅着工戸数 前年同月比 (4月 2.2%、予想 1.6%)
15:00 (英) 1-3月期 経常収支 (10-12月 -73億ポンド、予想 -398億ポンド)
15:00 (英) 1-3月期 GDP改定値 前期比 (速報 0.8%、予想 0.8%)
15:00 (英) 1-3月期 GDP改定値 前年同期比 (速報 8.7%、予想 8.7%)

15:00 (独) 5月 輸入物価指数 前月比 (4月 1.8%、予想 1.5%)
15:00 (独) 5月 輸入物価指数 前年同月比 (4月 31.7%、予想 31.5%)
15:00 (独) 5月 小売売上高 前月比 (4月 -5.4%、予想 0.8%)
15:00 (独) 5月 小売売上高 前年同月比 (4月 2.5%、予想 -1.8%)
15:00 (英) 6月 ネーションワイド住宅価格 前月比 (5月 0.9%、予想 0.5%)
16:55 (独) 6月 失業者数 前月比 (5月 -0.40万人、予想 -0.50万人)
16:55 (独) 6月 失業率 (5月 5.0%、予想 5.0%)
18:00 (欧) 5月 失業率 (4月 6.8%、予想 6.8%)

21:30 (米) 5月 個人所得 前月比 (4月 0.4%、予想 0.5%)
21:30 (米) 5月 個人消費支出(PCE) 前月比 (4月 0.9%、予想 0.4%)
21:30 (米) 5月 PCEデフレーター 前年同月比 (4月 6.3%、予想 6.4%)
21:30 (米) 5月 PCEコア・デフレーター 前月比 (4月 0.3%、予想 0.4%)
21:30 (米) 5月 PCEコア・デフレーター 前年同月比 (4月 4.9%、予想 4.8%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 22.9万件、予想 23.0万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 131.5万人)
22:45 (米) 6月 シカゴ購買部協会景況指数 (5月 60.3、予想 58.5)


注:ポイント要約は編集部

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