短期サポート一時割り込む、下向きリスクか
〇本日のドル円、127円挟んだレンジ取引で上値重い、昨日126.36まで下落するが回復
〇欧米との金利格差拡大の一方、米ファンダメンタルズ悪化懸念で円志向されやすい環境
〇本日は米4月耐久財受注速報、FOMC議事要旨、ダボス会議での要人発言に注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.40-127.70、128.08がターゲット
〇ドル安・円高方向は本日東京安値126.65レベルの攻防に注目
<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場はレンジ取引。127円を挟んだ60ポイントに満たないボックス内での一進一退に終始している。
ドル/円は126.80-85円で寄り付いたものの、基本的にはレンジ取引。ただ、昼ごろにかけややドル買い・円売りが強まると日中高値の127.20円レベルを示現している。とは言え、レンジを上抜けていくには至らず、その後は再び127円挟みの取引に。16時現在、ドル/円は127.00-05円で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなかNZ中銀が政策金利の0.5%引き上げを発表したうえ、さらなる金利引き上げを示唆したこともあり、NZドルが対円やドルなどで堅調裡。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国や北朝鮮による挑発行動」について。
前者は、やや停滞している感のあるウクライナ侵攻について、ロシア国防相は「民間人を避難させるために意図的に攻撃を遅らせている」と述べたうえで、今後再び激しい戦闘が行われる可能性を示唆していた。また、それとは別に、米財務省がロシア国債の利払いを米国人が受け取れるようにする特例措置終了を発表。それにより、利払いを迎えるロシア国債は投資家が利息を受け取れず、今後デフォルトと認定される可能性が高まったことになる。
対して後者は、東京で行われた日米豪印4ヵ国による「クアッド会合」について、中国外務省が「小派閥を作り陣営対立を扇動している」と非難したほか、中国軍の爆撃機がロシア軍と共同で「パトロール」と称し、日本周辺を飛行していたことが明らかになっている。一方、本日早朝にまたもや北朝鮮によるミサイル発射が観測されていた。先のクワッドなど一連の会談を終え、バイデン米大統領が東京を離れ帰国するタイミングを狙っての行動との見方が有力だ。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は昨日欧米で底割れ。先週19日に近い水準で下げ止まり、そして4月27日安値にあたる126.95円を一時大きく下回っての推移となった。そののちドルはやや買い戻され、本日東京では127円台を回復する局面なども観測されてはいるが、上値は引き続き重そうで、基本的なリスクは下方向か。ちなみに、起点をどこからとるかによるものの、仮に3月末の安値121.28円を起点とした上げ幅のフィボナッチで考えると、昨日安値126.36円はちょうど半値戻しに合致するテクニカルポイントだ。
日米の金利差拡大思惑だけでなく、昨日はオーストリア中銀総裁やラトビア中銀総裁による「ECB0.5%利上げもありうる」発言が聞かれるなど、日欧金利も間違いなく今後拡大することになりそうだ。単純な金利差だけでいえば円は総じて買いにくい。ただ、昨日も発表された5月の製造業PMIなどの経済指標が軒並み市場予想を下回るなど、米ファンダメンタルズの悪化懸念が根強いうえ、加えて不安定な米株もあり、逆に円が志向されやすい環境だ。本日も引き続き発表される米指標、ならびにNYダウなどの動きにまずは要注意。
テクニカルに見た場合、昨日のドル/円は過去1ヵ月ほど下値を支えてきた127円レベルを下回ると、一時126.36円まで下落。リスクという意味では、ドル安方向にバイアスがかかりそう。
ただ、前述したように昨日安値126.36円は、直近上げ幅の半値押しというテクニカルポイント。そして下回った場合には61.8%押しの125.10-15円、76.4%押し123.65円などがターゲットとなる可能性がある。
一方、本日は米経済指標として、4月の耐久財受注速報が発表されるほか、0.5%の利上げを実施した5月3-4日のFOMC議事要旨への関心も高い。当時、果たしてどういった議論がなされていたのか注目だ。また、対面式のダボス会議が開催されていることもあり、出席者などによる発言にも引き続き注意を要したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.40-127.70円。ドル高・円安方向は127円半ばに弱い抵抗があり、上抜けると128円台回復も。昨日高値128.08円がターゲットか。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の126.65円レベルの攻防にまずは注目。割り込むと、昨日安値126.36円が視界内に捉えられそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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