NZ中銀の金融政策記者発表要旨
本日NZ中銀の金融政策会合で、オフィシャルキャッシュレート(OCR)を現行の1.50%から2.00%へと、50ベーシスの利上げを実施しました。上げ幅は市場の予想通りになりました。しかしながら、NZ経済は底固い状況を続け、雇用情勢はタイトであることから、今後も早期の利上げを実施していく内容になっています。中銀のOCR予想を見ると、次回7月も利上げ必至になります。
(要旨の一部和訳)
本日、金融政策委員会はオフィシャルキャッシュレート(OCR)を2.00%に引き上げた。委員会は、物価安定を維持し、最大限の持続可能な雇用を支えるために、金融情勢の引き締めペースを続けることが適切であると合意した。委員会は消費者物価指数を目標とする1〜3%内に引き戻すことを確実にするため、このコミットメントを断固として堅持する。
経済見通しと先行きのリスクを勘案すると、NZの生産能力によりマッチするまで金融情勢は需要に対する制約として機能する必要がある。OCRの早期大幅上昇はインフレリスクを持続的に減らしていく一方、不確実性のより高い世界経済環境に照らし合わせると、将来の政策柔軟性を高めていく。
世界経済活動の水準は、全般的にCovid-19の持続性やウクライナへのロシア侵攻にもたらされた供給混乱により悪化したインフレの圧力を高めている。そして後者(ロシアの侵攻)は食料やエネルギー商品に対し高い価格を引き起こしている。
世界経済の成長ペースは鈍化している。世界的な金融・財政状況の幅広い引き締めは、基礎食品やエネルギー主要品の高いコストに引き摺られ、消費の伸びを鈍化させている。欧州圏の地政学的不確実性が、世界的に企業信頼感や投資意欲に重石となっている。同様に、中国の主要地域でのCovid-19制限が供給チェーン混乱を悪化させ、貿易にコストと複雑さを加えている。
NZでは、強い労働市場、健全な家計のバランスシート、継続的な財政支援、強い貿易条件などに支えられ、経済は底固いままである。Covid-19に関連した行動制限の減少により、接待や観光業を含め、経済活動が拡大している。
しかしながら、逆風は強くなっている。高まる世界経済の不確実性や高インフレが世界や国内の消費者信頼感を損ねている。とりわけ住宅価格の様な資産価格は下がっている。これは一部で住宅ローン金利の上昇や住宅供給の増加により反映している。
全体的に、幅広い範囲の経済指標は、生産能力の制約や現行のインフレ圧力が蔓延している状況を示している。雇用は依然として持続可能な最大水準を越えており、労働者不足が生産の主要な制約となっている。中銀のコアインフレ指標は3%を越えている。
委員会は消費者物価インフレが目標レンジ内に収まると確信する水準までOCRの引き上げを継続することで合意した。委員会はOCRの予想進路(注:下表ご参照)は、生産、金利、あるいは為替などに不必要な不安定を引き起こすことなしに、主要インフレや雇用目標を一貫して達成できるとの見立てとなっている。総需給がよりバランスが取れた水準に至ると、OCRはその後より低い、より中立的な水準に戻ることができる。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策議事要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。(出所:NZ中銀HP)
中銀のOCR予想は下表の様に、大幅な利上げ予想に変わっています。
NZドル米ドル相場は、中銀金融政策前に0.6425ドル付近で推移していましたが、将来の利上げに関し、予想を越える上げ幅にNZドルが買われ、現在は0.65台に乗せて推移しています。
まだシカゴポジション335内で、0.6420を越えると、一段高狙いになり、抵抗線としては0.6490〜0.65、0.6540〜50にあるとしました。既に前者を越えて推移しています。もし後者を越えて終わると0.67方向としましたが、そこまでの抵抗線として0.6590、0.6630〜40、0.6670、0.6710〜20の順になります。
下値は0.6420、0.6450にサポートがあり、後者を下回ると、これまでのNZドル安に回帰します。シカゴはかなりショートポジションを拡大していたので、売り増ししたか、損切りしたかを見たいと思います。
(5月25日13:45、1NZドル=0.6508米ドル)
次回のNZの金融政策は2022年7月13日(水曜日)に予定されています。
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