ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏から持ち直す展開。米株・米金利上昇が下支え(5/26朝)

25日(水)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏から持ち直す展開。米株・米金利上昇が下支え(5/26朝)

ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏から持ち直す展開。米株・米金利上昇が下支え

〇ドル円、対ユーロでのドル買い、FRB副議長のタカ派発言、株価堅調等に一時127.50まで上昇
〇5月分FOMC議事要旨、新味に欠けドル円への影響は限定的
〇ユーロドル、一時1.0643まで下落、ECB関係者のハト派発言、欧州経済見通しへの悲観が背景
〇ドル円、上方に複数のレジスタンスポイント控え短期的にはもみ合うが、中長期の上昇トレンド不変
〇本日の予想レンジ:126.75ー128.00

海外時間のレビュー

25日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値126.65まで下げ幅を広げるも、前日記録した約1ヵ月ぶり安値126.36をバックに下げ渋ると、@本邦5・10日要因に絡む公表相場決定にかけてのドル買い・円売りや、A対ユーロでのドル買い圧力(ユーロドルがついに反落)、BブレイナードFRB副議長による「FRBは高すぎるインフレ率の抑制に向けて金融引き締めにしっかりと取り組んでいく」とのタカ派的な発言、C米主要株価指数の持ち直し(米ダウ平均株価は前日比マイナス圏からプラス圏へ浮上→リスク選好の円売り再開)、D米金利上昇に伴うドル買い圧力(米10年債利回りは2.71%から一時2.77%へ上昇)などが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値127.50まで上昇しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/26午前5時00分現在)では、127.30前後で推移しております。尚、注目された米FOMC議事要旨(5/3ー5/4開催分)では、「大半の参加者が6月・7月の会合で各々50bpの追加利上げを行うことが適切である」「参加者の全員が米国経済は非常に力強く労働市場は極めてタイトでインフレ率は非常に高いという点で一致した」「ウクライナ戦争や中国における新型コロナウイルス感染拡大などの影響でインフレリスクは上向きに偏っている」「インフレがピークに達したと確信するには時期尚早」などの見解が示されましたが、概ね市場予想の範囲内で新味に欠ける内容であったことから、ドル円相場への影響は限定的となりました。

25日(水)のユーロドル相場は高値圏から反落。アジア時間朝方にかけて、高値1.0739まで上値を伸ばすも、前日記録した約1ヵ月ぶり高値1.0749をバックに伸び悩むと、@パネッタECB専務理事による「ECBは段階的に金融緩和政策を解除すべきだが、金融政策の正常化と金利を中立水準に戻すことを同一視すべきではない」とのハト派的な発言(市場による過度なタカ派織り込みをけん制)や、Aフィンランド中銀レーン総裁による「来月は経済見通しを下方修正するだろう」との悲観的な発言、BECB金融安定報告書による「ユーロ圏経済見通しは弱体化している」「資産市場が急激に調整されるリスクがある」とのネガティブな見解発表、

Cオランダ中銀クノット総裁による「年内は(利上げに焦点を当てる一方)バランスシート縮小の議論を行う可能性は低い」とのダボス会議での発言、D米金利上昇に伴うドル買い圧力などが重石となり、米国勢参入後に、安値1.0643まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/26午前5時00分現在)では、1.0675前後で推移しております。

尚、ニュージーランド中銀は昨日、政策金利のオフィシャル・キャッシュレートを予想通り50bp引き上げ、2.00%にすることを決定しました。また、年末時点の政策金利予想をこれまでの2.22%から3.41%へ大幅に引き上げるなど、追加利上げスタンスを強調しました。これを受けて、NZドルは対ドルで約3週間ぶり高値圏へ反発する場面が見られました。

本日の見通し

ドル円は一昨日の5/24に記録した約1ヵ月ぶり安値126.36(4/18以来の安値圏)をボトムに反発に転じると、昨日は一時127.50まで持ち直す動きとなりました。上方に複数のレジスタンスポイントを控えているため、ここから先は短期的にもみ合う展開が予測されるものの、週足などの上位足で確認すれば、一目均衡表三役好転やパーフェクトオーダー等の買いシグナルが点灯しているため、中長期上昇トレンドは不変であると判断できます(1/24に記録した年初来安値113.47と5/9に記録した年初来高値131.36のフィボナッチ38.2%押しが位置する124.52近辺までの下落余地を見込みつつも、ここから先はそろそろ底固めのフェーズに入ってくると予想。警戒されていたFOMC議事要旨を無難にこなしたことや、対ユーロでのドル売りがひとまず収まったことなども支援材料として機能する可能性あり)。

こうした中、本日は米国時間に予定されている米1ー3月期GDP改定値や、米新規失業保険申請件数、米4月中古住宅販売成約指数、米カンザスシティ連銀5月製造業活動指数などの米経済指標に注目が集まります。米経済指標の改善が見られる場合などには、米経済を巡る過度な悲観論の後退や、それに伴う米株および米長期金利の上昇も相俟って、ドル円がショートカバーを巻き込みながらもう一段上昇する可能性もあるため、本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに注意が必要でしょう(目先は心理的節目128.00や一目均衡表転換線が位置する128.07近辺を試すシナリオを想定。同水準を突破できれば、短期的な底固め達成→短期下落トレンド終焉→上昇トレンド再開に繋がる可能性あり)。

本日の予想レンジ:126.75ー128.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約1ヵ月ぶり安値圏から持ち直す展開。米株・米金利上昇が下支え

ドル円日足

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