基本レンジだが、やや円高方向へのリスクも(5/24夕)

24日の東京市場はレンジ取引。127円後半を中心とした一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

基本レンジだが、やや円高方向へのリスクも(5/24夕)

基本レンジだが、やや円高方向へのリスクも

〇本日のドル円、127円後半を中心とした60ポイント程度の往来相場、明確な方向性うかがえず
〇5/19の欧米時間以降127.00-128.30といった1.3円レンジでの取引、膠着の様相強まる
〇不安定な米株の動きが懸念され円売りに歯止めがかかる、ドル安・円高方向への動きに注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.80-127.90、昨日高値の128.05が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、昨日安値127.15の攻防にまずは注目、その下の127円前後は強いサポートか

<< 東京市場の動き >>

24日の東京市場はレンジ取引。127円後半を中心とした一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円は127.85-90円で寄り付いたものの、127円後半を中心とした60ポイント程度のなかで往来相場。日米株価や、東京で実施された日米豪印4ヵ国によるクワッド首脳会談などをにらみつつも、積極的な動意は手控えられていた。ちなみに後者のクワッド首脳会談では、ウクライナ情勢が協議されたほか、中国を視野に入れた各国連携が改めて確認されたようだ。16時現在、ドル/円は127.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まってから、24日で3ヵ月。しかし、停戦の終結はなかなか見出せない。ウクライナ大統領がダボス会議のビデオ演説で、「戦争をどのように終結させるか協議する相手はプーチン大統領しかいない」と述べていたが、プーチン氏が呼び掛けに答えるかは微妙なところもある。なお、そうしたなか米国の音頭で実施された「ウクライナの防衛を協議する2回目の関係国会合」は、約20ヵ国がウクライナ向けの新たな安全保障支援策を発表したという。

対して後者は、中国外務省報道官が記者会見で、豪新首相に祝意を示すと同時に関係改善期待の「秋波」を送ったものの、豪首相からは「豪中関係は新政権となっても困難であることにはかわりない」、豪副首相も「豪州と中国の関係は引き続き困難なものになる」と述べたとされるなど関係改善は一足飛びにはいかないようだ。その一方、低迷する国内景気の喚起として、中国国営ラジオが「企業を対象とした1400億元あまりの追加減税措置を実施する」、中国証券報は「景気支援のため特別国債発行の可能性」と報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はここ数日、形成レンジを狭めており膠着の様相を強めている。実際先週19日の欧米時間以降は127.00-128.30円といった1.3円レンジ、期間をさらに狭めればレンジはもっと狭くなる。そのため、まずは足もとの1.3円レンジをめぐる攻防に注目で、果たして上下どちらに放れることになるのだろうか。敢えて指摘するなら下方向のリスクがやや高い気もするが、逆に上抜けすれば移動平均の21日線も位置する129円前半を目指す展開も。
日米を中心に日英や日欧などの金利差も今後拡大することが予想されるなか、引き続き不安定なNYダウなど米株の動きが懸念され、一段の円売りに歯止めがかかっているようだ。ちなみに、そんな米株のうちNYダウは昨日こそ600ドルを超える反発をたどったものの、継続性に警戒を抱く向きはまだ多く、事実本日東京の時間外取引ではマイナス圏で推移していた。一時的な下げ止まりからの反発ではなく、明確に底打ちの様相を示さない限り、円を売りにくい状況がまだしばらく続くと考えられる。

テクニカルに見た場合、ドル/円は再びレンジ相場の様相を呈しており、短期的な方向性は乏しい。ただ、米株安にともなうリスク回避の動きから円志向がさらに強まるとの見方もあり、リスクという意味ではドル安・円高方向への動きに注意が必要だろう。先週も近いレベルで下げ止まった4月27日安値126.95円をしっかり割り込むと、125円に向けたドル続落の可能性もある。

一方、本日は米経済指標として、5月の製造業PMI速報や同リッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、米財務省による2年債入札も実施される見通しだ。また、対面式のダボス会議が開催されており、出席者などによる発言にも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは126.80-127.90円。ドル高・円安方向は昨日高値の128.05円が最初の抵抗で、抜けても足もとのレンジ上限である128.30円レベルでは上げ渋りか。
対するドル安・円高方向は、同じく昨日安値127.15円の攻防にまずは注目。ただ、その下127円前後はかなり強いサポートと目され、割り込んでも大崩れは予想しにくい。

基本レンジだが、やや円高方向へのリスクも

ドル円日足


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