ドル円、米株安と米金利低下の組み合わせで約1ヵ月ぶり安値圏へ急落
〇ドル円、米指標の不冴え、米長期金利の低下等で米国時間にかけて一時126.36まで急落
〇ユーロドルECB関係者のタカ派発言、米指標不冴えに米国時間にかけて1.0749まで急伸
〇ドル円、高値から5円の下落、主要テクニカルポイント下抜け三役好転消失、地合い悪化
〇ただし、上位足での買いシグナルは点灯中、ポジション調整局面か
〇本日5月分の米FOMC議事要旨に注目、方向感は出にくいか
〇本日の予想レンジ:126.25ー127.75
海外時間のレビュー
24日(火)のドル円相場は大幅下落。アジア時間朝方にかけて、高値128.07まで上値を伸ばすも、前日高値(5/23高値128.07)と同水準で伸び悩むと、@株式市場の軟調推移(日経平均株価や欧米株の冴えない動き)や、A上記@を背景としたリスク回避の円買い圧力、B米経済指標の冴えない結果(米5月総合PMI速報値、米5月サービス業PMI速報値、米4月新築住宅販売件数、米5月リッチモンド連銀製造業景気指数など)、C米金利低下に伴うドル売り圧力(米リセッション懸念再燃→米10年債利回りは2.85%から2.72%へ急低下)、D対ユーロでのドル売り圧力が重石となり、米国時間にかけて、4/18以来、約1ヵ月ぶり安値となる126.36まで急落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/25午前4時00分現在)では、126.80前後で推移しております。
24日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間午後にかけて、安値1.0662まで下げ幅を広げるも、一目均衡表基準線をバックに下げ渋ると、@オーストリア中銀ホルツマン総裁による「7月会合で50bpの利上げが適切かもしれない」とのタカ派的な発言や、Aラトビア中銀カザークス総裁による「ECBは50bpの利上げを排除すべきではない」とのタカ派的な発言、B上記@Aを背景としたECBによる早期大幅利上げ期待、C米経済指標の冴えない動き(米リセッション懸念)、D金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、4/25以来、約1ヵ月ぶり高値となる1.0749まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/25午前4時00分現在)では、1.0725前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は先週5/9に記録した約20年ぶり高値131.36をトップに反落に転じると、昨日は約1ヵ月ぶり安値となる126.36(4/18以来、約1ヵ月ぶり安値圏)まで急落しました(ちょうど▲5円の下落幅)。この間、主要サポートポイント(一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線)を下抜けした他、これまで買いシグナルを形成してきた一目均衡表三役好転が消失するなど、足元で地合いの悪化が確認されます。但し、週足などの上位足で見れば、引き続き買いシグナルが点灯しているため、足元の下落は中長期上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整局面と整理することも出来るでしょう(1/24に記録した年初来安値113.47と5/9に記録した年初来高値131.36のフィボナッチ38.2%押しが124.52近辺に位置するため、あと2円程度の下落余地は残されているものの、このままずるずると値を崩す展開は想定しにくく、そろそろ底固めのフェーズに入ってくると予想)。こうした中、本日は米国時間に予定されている米FOMC議事要旨(5/3ー5/4開催分)に注目が集まります。
FOMCメンバーが今後の利上げペースをどのように考えているのか(6月・7月の連続利上げに対するスタンスや、中立金利を超える利上げに対するスタンスなど)を見極める動きとなりそうです。積極的なスタンスが見られる場合には、米金利上昇→米ドル高の経路が意識されるものの、FRBによるタカ派姿勢を嫌気する形で米株が下落すればリスク回避の円買いも想起されるため、ドル円は振れを伴いながらも方向感を見出すには至らないと予想されます(反対にハト派的なスタンスが示される場合には、米金利低下→米ドル安の流れが意識される一方、米FRBによるハト派化→米リセッション懸念後退→米株上昇→リスク選好の円売りの流れも意識されるため、やはりドル円は上下共に動きづくなると予想されます)。本日も米主要株価指数や米長期金利を睨みながらの神経質な展開が続きそうです(市場のテーマが日米金融政策格差から一時的に米リセッション懸念に移っていますが、本日の米FOMC議事要旨、今週金曜日の米4月PCEデフレータ通過後は再び日米金融政策格差に市場のテーマが戻ってくると予想)。
本日の予想レンジ:126.25ー127.75
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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