時間ではなく価格調整か、ドル続落にも注意(5/13夕)

13日の東京市場は「行って来い」。一時ドル買いが進展し129円台を回復するも、続かなかった。

時間ではなく価格調整か、ドル続落にも注意(5/13夕)

時間ではなく価格調整か、ドル続落にも注意

〇本日のドル円、128.35レベルで寄り付き一時129.35レベルへ上昇するも、128.60レベルまで値を崩す
〇2週間近く推移していたレンジ下限128.62を下回り、時間調整から価格調整へと変化したか
〇ドルのさらなる下押しの可能性も、昨日安値127.52を下回れば4/27安値126.95がターゲット
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.00-129.40、本日東京高値の129.35レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、128.30レベルが弱いサポート、その攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場は「行って来い」。一時ドル買いが進展し129円台を回復するも、続かなかった。

ドル/円は128.35円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。狭いレンジで揉み合いをたどるなか、上放れするとそのまま129円台へ。一気に1円近く上昇し、日中高値129.35円レベルを示現している。しかし勢いは続かず、じりじりと値を崩すと129円割れ。夕方には128.60円レベルまで値を崩すなど「行って来い」の様相に。16時現在では128.75-80円で推移、欧米市場を迎えていた。
なお、そうしたなか鈴木財務相から「為替の動静を緊張感もって注視」、黒田日銀総裁から「過度な為替変動は先行きの不確実性高める」といった発言が聞かれている。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「ロシア情勢」について。
前者は、前日に突然「首都平壌でコロナ感染者を確認」と初めて発表し思惑を呼んだ北朝鮮だが、続報として「6人の死亡を確認、ひとりはステルスオミクロン株」などとも伝えられていた。ただWHOによると、北朝鮮から新型コロナ感染拡大に関する正式な報告はまだ受けていないとされ、詳細はわかっていないようだ。一方、それとは別に、米韓高官が電話会談を行い「北朝鮮のミサイル発射を非難」したほか、サキ米報道官からは改めて「バイデン大統領のアジア歴訪を控え、北朝鮮が核実験を準備している可能性がある」との指摘が聞かれていた。
対して後者は、フィンランドがNATO加盟を正式表明したことに、ロシアが猛反発。ペスコフ報道官は「間違いなくロシアへの脅威であり、NATO拡大は欧州と世界の安定につながらない」と強く非難している。また、タス通信が「ポーランド経由ドイツ行きの天然ガス輸送を停止」と伝えたほか、「ロシア軍は略奪した大量の小麦を密かに輸出」など、戦闘とは別の話題も幾つか取り沙汰され話題となっていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、過去2週間近く推移していたレンジ下限の128.62円を下回ってきた。一時は127円台も。131.25円と131.35円でダブルトップを達成したのち、時間調整と思しき動きを続けてきたが、昨日の底割れからすると時間ではなく価格調整へと色彩が変化したのかもしれない。つまり、ドルにはさらなる下押しが入る可能性もある。昨日安値127.52円を下回れば、4月27日安値の126.95円がターゲットに。
依然として単純な日米、あるいは日欧などの金利差を考えた場合、明らかに円売り優勢。と言うより、円を積極的に買い進める要因に欠けると言わざるを得ないが、性急な米利上げの負の部分に着目した動き、米景気の減速懸念などが徐々に高まりつつあるようだ。それもあり、米株ナスダックは昨日久しぶりの反発となったが、逆にNYダウは続落。100ドルを超える下げを記録していた。米金融政策とファンダメンタルズの動静をにらんだ展開が、いましばらく続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、先週までドル/円の週足は9週連続の陽線引けをたどってきたが、今週はさすがにその記録が途切れそうだ。本稿執筆時に推移している128円台半ばから2円近くドル高の130.40-45円で、今週は取引を開始しており、このあと同レベルまで値を戻していくのは困難だろう。いずれにしても、週足の連続陽線が途切れることが基調の転換の兆しかもしれず、来週以降のさらなるドル深押しにいまから注意しておきたい。

材料的に見た場合、中長期的には、国連人権理の戦争犯罪調査決議でロシアを擁護した「中国情勢」。ロイターの集計で米国のコロナ死者が「100万人を超えた」と伝えられ物議を醸す「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されるほか、米地区連銀総裁の講演なども予定されている。また、バイデン氏も出席するASEAN首脳会議が本日までの日程で開催されるうえ、ドイツでG7外相会議も実施される見通しだ。意外と注目材料は数多い。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは128.00-129.40円。ドル高・円安方向は本日東京高値に当たる129.35円レベルが最初の抵抗で、抜ければ再び130円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、128.30円レベルが弱いサポートで、まずはその攻防に注目。割り込むと昨日安値127.52円まで強いサポートは見当たらない。

時間ではなく価格調整か、ドル続落にも注意

ドル円日足


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