FOMCにらみつつ、ドルは強保ち合いか(5/2夕)

週明け2日の東京市場はドルが小じっかり。上値は限られたが、それでも先週末に割り込んできた130円台を回復している。

FOMCにらみつつ、ドルは強保ち合いか(5/2夕)

FOMCにらみつつ、ドルは強保ち合いか

〇本日のドル円、126円台底値に1円近い上昇、16時現在130.35-40で推移
〇先週高値131.25、2002年4月133.84が中期的ターゲットか
〇本日は米4月製造業PMI確報、同ISM製造業景況指数など発表予定
〇米FOMC「0.5%利上げ」はコンセンサス、強気の見通し示されるかに注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.00、130円半ばが最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

週明け2日の東京市場はドルが小じっかり。上値は限られたが、それでも先週末に割り込んできた130円台を回復している。

先週末は、ロシア財務省が「デフォルト回避」措置とみられる、自国通貨ルーブルで行うとしていたドル建て債の支払いをドルで行ったことが話題に。また、米大統領に近しいホワイトハウス広報部長のコロナ罹患が明らかになったが、バイデン氏は濃厚接触者に該当せず難を逃れたもようだ。
そうした状況下、ドル/円は129.80-85円レベルで寄り付いたのち、しばらくは冴えない。130円挟みでやや激しい乱高下をたどるも、129.60円台で目先底値を確認後は緩やかな右肩上がり。夕方には130円半ばまで1円近い上昇を記録している。16時現在、ドル/円は130.35-40円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「北朝鮮情勢」について。
前者は、戦闘に関してロシア国防省が「潜水艦発射型ミサイルを初使用」と発表。またIAEAによると、「ロシア製とみられるミサイル1発がウクライナ原発上空を通過」と表明し、懸念を示していた。そうしたなか、ウクライナ大統領からは「ロシアとの和平交渉が頓挫するリスクが高い」などとしてコメントが再び発せられている。また、それとは別に前述したロシア財務省によるデフォルト回避措置とみられる動きや、11月のG20首脳会議にプーチン氏が出席の意向を示したといった報道も観測されていた。
対して後者は、朝鮮中央通信が北朝鮮の金総書記の発言として、「核での威嚇には先制攻撃で制圧させる」と伝えるなか、英紙FTは米戦略国際問題研究所の報告を引用したうえで、「北朝鮮が2017年以来となる核実験の準備をしている」と報じていた。また、米国務省のポーター副報道官も記者会見で、北朝鮮の核実験再開を警戒するコメントを発しており、予断を許さない状況なのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

先月28日に131.25円の高値を示現したドル/円だが、その後はドルの強保ち合い。130円を挟んだレンジ取引で、再び価格ではなく時間調整の色彩を濃くしてきた。今週は週間を通して注目材料が多いため、長期化する公算は低いと思われるが、それでも目先的には129.00-131.00円といったようなレンジ取引をたどることも否定できない。
今週は週末の米雇用統計発表をはじめ材料が多いものの、もっとも注視されているものといえば3-4日に予定されている米FOMC。そこで「0.5%の利上げ実施」はマーケットのコンセンサスで、ほぼ100%織り込まれている。したがって、市場の関心は先々どの程度強気の見通しを示すのか、といったところに移行しているようだ。6月そして7月についても0.5%の利上げを示唆する内容となれば、為替市場はドル買いで反応する可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先週131.25円まで上昇。中期的なターゲットとして2002年4月1日に記録した133.84円が認識されている感がある。またドル高という基調そのものに変化はないものの、足もとは次なる動意に向けた調整局面か。
なお、基本は価格ではなく時間、129-130円台を中心とした動きが予想されるものの、これまでのドル高進行を考えると予想以上の深押しにも一応要注意。たとえば、4月27日安値126.95円を起点とした短期上昇についてのフィボナッチでは半値押しが129.10円、61.8%押しは128.60円レベルなどとなる。

材料的に見た場合、中長期的には、ゼロコロナ対策などが国内の経済活動に深刻な影響を及ぼしていることが明らかになった「中国情勢」。米紙WSJが「米国でオミクロン株の新亜種感染が拡大も、重症患者の急増は見られず影響は限定的」と報じている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」などに注目。
一方、本日は米経済指標として、4月の製造業PMI確報や同ISM製造業景況指数などが発表される見込みだ。なかなか重要な指標だが、このあと米FOMCが予定されていることを考えると、影響は限られたものにとどまる可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-131.00円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である130円半ばが最初の抵抗。上抜けると131円、そして高値131.25円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の129.60-65円の攻防にまず注目。下回ると129.32円、そしてフィボナッチポイントの129.10円などが意識されそうだ。

FOMCにらみつつ、ドルは強保ち合いか

ドル円日足

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