ドル円、振れを伴いながらも方向感に欠ける展開。米10年債利回りは3%に到達
〇ドル円、米長期金利上昇と実需のドル買いに、欧州時間に130.49まで上昇
〇その後発表されたISM製造業指数の不冴え等で130.15まで値を崩す
〇ユーロドル、英国休場の中1.0491-1.0567レンジで方向感に欠ける動き
〇ドル円、全てのチャートポイント上回り、強い買いシグナルも点灯、テクニカルの地合い極めて強い
〇ファンダメンタルズも5/3-4のFOMCでタカ派スタンスが一段と強まるとの思惑等がドル円をサポート
〇ドル高・円安継続をメインシナリオとして予想するも、本邦連休中のフラッシュクラッシュには要注意
〇本日の予想レンジ:129.50ー131.00
海外時間のレビュー
週明け2日(月)のドル円相場は振れを伴いながらも方向感に欠ける展開。アジア時間朝方にかけて、安値129.62まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、@米FOMC(連邦公開市場委員会)を控えた警戒感(米FRBがインフレ抑制方針を明確化させるなど一段とタカ派に傾斜するとの思惑)や、A上記@を背景とした米長期金利の急上昇、B大型連休を控えた実需のドル買いが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値130.49まで上昇しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、C米4月ISM製造業景況指数(結果55.4、予想57.6)の冴えない結果や、D株式市場の軟調推移(米ダウ平均株価が一時500ドル超の下落→リスク回避の円買い圧力。※但し引けにかけて値を戻し、米ダウ平均株価は結局プラス圏での引け)、本稿執筆時点(日本時間5/3午前6時00分現在)では、130.15前後で推移しております。
週明け2日(月)のユーロドル相場はアーリーメイバンクホリデーで英国市場が休場となる中、方向感に欠ける展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0567まで上値を伸ばすも、買い一巡後に伸び悩むと、@米FOMCを控えた警戒感や、A上記@を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは2018年12月以来、約3年5ヵ月ぶり高水準となる3.00%へ急上昇)、Bロシア・ウクライナを巡る地政学的リスク、Cユーロ圏経済指標(ユーロ圏4月経済信頼感指数や、ユーロ圏4月消費者信頼感指数など)の冴えない結果が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0491まで下落しました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/3午前6時00分現在)では、1.0507前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は心理的節目130.00を挟んで方向感に欠ける値動きが続きました。但し、ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側に位置していることや、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナル(一目均衡表三役好転やパーフェクトオーダーなど)が点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(今週5/3ー5/4の米FOMCでタカ派スタンスが一段と強まるとの思惑)や、A日銀によるハト派傾斜観測(日銀は先週の金融政策決定会合で指値オペ常設化を通じた円金利の抑制方針を明確化した他、黒田総裁も円安が全体としてプラスとの評価を強調)、
B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り圧力。日本の10年債利回りが0.23%水準で取引されているのに対し、米国の10年債利回りは約3年5ヵ月ぶり高水準となる3.00%を記録)、C本邦貿易赤字拡大に伴う恒常的な円売り圧力(原油先物価格など資源・エネルギー価格の上昇が背景)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。但し、本日より本邦大型連休に突入するため、アジア時間帯は流動性の欠如の隙をついたボラティリティの急拡大(特に過去最高水準に積みあがった円ショートのアンワインドを巻き込みながらダウンサイドに走る一時的なフラッシュクラッシュなど)に念のため注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:129.50ー131.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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