米FOMCでの金利発表前日、基本はレンジ取引
〇ドル円、130円挟みの狭いレンジで一進一退
〇FOMC結果発表を明日に控え、手控えムード強く動意に乏しい
〇豪中銀が市場予想を上回る0.25%の利上げ実施、豪ドルの買い要因に
〇ドル円、時間調整の色彩濃いが、東京休場中の相場は荒れ易く油断は禁物
〇本日欧米時間のドル円予想レンジは129.60-130.70
<< アジア市場の動き >>
3日のアジア市場は一進一退。130円挟みの狭いレンジ取引で、全般的に積極的な売買は見送られている。
ドル/円は130.15円レベルで寄り付いたものの、上下ともに動きにくい。下値は129.85円レベル、上値は130.25円レベルでトータル40ポイントほどのレンジ取引。市場の関心はすでに明日NY時間の米FOMC結果発表へと移行するなか、手控えムードが強く動意は乏しかった。16時現在、ドル/円は130.10-15円で推移、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「豪州情勢」について。
前者は、ウクライナにおける戦闘で、東部ドンバス地域を訪問していたロシア軍制服組トップの「ゲラシモフ参謀総長が負傷した」と一部で報じられ物議を醸す。その一方、国連人権高等弁務官事務所は、ロシア侵攻以来、ウクライナで殺害された民間人の死者が3000人を超えたと発表している。そうしたなか、ロシアのラブロフ外相が、第2次大戦時にホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)を行った「ドイツのヒトラー総統はユダヤ系だった」と発言したことが非難の的に。たとえば、イスラエル外務省は「許しがたい」誤りだとして、同国に駐在するロシア大使を呼んで謝罪を要求したという。
対して後者は、本日アジア時間に豪中銀が利上げを発表したが、その上げ幅0.25%が市場予想0.15%を上回るもので、豪ドルの買い要因に。実際、豪ドルは堅調裡。対円では早朝を安値に1円を超える上昇をたどり、一時93円に迫る局面も観測されていた。また豪中銀からは別途、「物価上昇の目標達成にはさらなる利上げが必要」、「金融情勢の正常化を開始することが適切」−−などといったタカ派コメントも発表されている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先月28日の131.25円で目先の高値を付けた感がある反面、下値も129.32円で取り敢えずは底入れか。つまり、短期的には上下とも達成した感があり、その後の展開はというと130円を挟んだレンジ取引で、時間調整の色彩が濃くなっている。東京休場中の相場は荒れ易いことで知られており、油断は禁物だが、明日に予定されている米FOMCをにらみ短期的には130円挟みのレンジ取引が続く可能性も否定できない。
今週は週末の米雇用統計発表をはじめ材料が多いものの、もっとも注視されているものといえば前述した明日の米FOMC結果発表になる。具体的には、「0.5%の利上げ実施」はほぼ100%織り込まれており、予想通りならばほぼノーインパクトか。市場の関心は、むしろ6月そして7月についても0.5%の利上げを示唆する内容となるのかなど、先々どの程度強気の見通しを示すのかに移行している。いずれにしても、本日は明日の重要イベントをにらみつつ、思惑の交錯した値動きをたどりそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円の中期ドル高基調は継続していると予想する向きが大勢ながら、足もとは調整局面。一時的な出直しとなっている。ちなみに、足もとの調整とは価格ではなく時間が見込まれているものの、これまでのドル高進行を考えると予想以上の深押しにも一応注意しておきたい。たとえば、4月27日安値126.95円を起点とした短期上昇についてのフィボナッチでは半値押しが129.10円、61.8%押しは128.60円レベルなどとなる。
材料的に見た場合、中長期的には、エネルギー供給保障の強化を目的に来年3月31日まで石炭輸入暫定税率をゼロすると伝えられている「中国情勢」。香港が19日から「制限緩和の第2段階入りの方針」などと報じられた「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「北朝鮮情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月の製造業受注指数や同耐久財受注確報が発表される見込みのほか、明日までの予定で米FOMCが開催される予定だ。そのほか、昨日ドイツがロシア産原油禁輸の支持を表明するなか開催される、ユーロ圏財務相会合の行方などにも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは129.60-130.70円。ドル高・円安方向は、昨日のドル高値である130.47円が最初の抵抗。上抜けると131円を再び目指す展開も。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の129.80-85円の攻防にまず注目。ただ下回っても20-30ポイントごとにテクニカルポイントは位置しており底堅そう。目先128円台はなかなか遠いイメージか。(了)
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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