下値トライは失敗か、レンジ取引続く公算も(4/27夕)

27日の東京市場はドルが小高い。大雑把に言えば「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルが強い。

下値トライは失敗か、レンジ取引続く公算も(4/27夕)

下値トライは失敗か、レンジ取引続く公算も

〇本日のドル円、日中安値126.95、夕方128円台一時回復、16時現在ドル高値圏で推移
〇取引レンジ下方向に拡大、127.00-129.40の新レンジでの一進一退続くか
〇欧米利上げ積極姿勢の一方、緩和姿勢継続の日本の異質さ際立つ、明日公表の日銀決定会合結果注視
〇本日は米3月中古住宅販売成約指数、米企業決算など発表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.00-128.30、128.10レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は126.95レベルの攻防にまず注目

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場はドルが小高い。大雑把に言えば「寄り付き安・大引け高」の様相で、見た目以上にドルが強い。

ドル/円は、127.20-25円で寄り付いたのち、127円割れの日中安値を示現。しかし、その後は緩やかな右肩上がりをたどると、日米株価や米金利などを意識しつつ、夕方には一時128円台を回復する局面も観測されている。16時現在でも、そのままドルの高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、本日東京はおおむね127円台で推移するなど値動きが少し落ち着いていたことも影響したのか、鈴木財務相など要人からの「円安けん制発言」は特段聞かれていない。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、国連事務総長がプーチン氏と会談が行い「民間人退避などを協議」するなか、欧米を中心に20ヵ国以上が参加したウクライナへの軍事支援を主題とする国際会議において、ドイツが方針転換し「ウクライナへの重兵器供与で合意した」と発表されている。ただ一方で、ロシアのラブロフ外相は再び「核戦争が起きるかなりのリスクがあり、過小評価すべきではない」との見方を示すなど、頑ななスタンスに変化はないようだ。
対して後者は、通信社情報などをみても、再び新型コロナに関する報道が目につくようになってきた。昨日欧米時間以降、幾つか例を挙げても「台湾、市中のコロナ感染者が連日最多を更新」、「ハリス米副大統領がコロナ検査で陽性反応」、ロイター「米CDC研究から、米国民58%が一度以上コロナに感染したことが判明」などとなる。WHO事務局長がコメントしたように、新型コロナ検査件数の激減で世界的な感染拡大状況が見えにくくなっているだけなのかもしれず、引き続き予断を許さない。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は本日東京時間に126円台をワンタッチ、それまでのレンジを一時下回るも、そののちレンジ内へと回帰してきた。前述したように、本日東京時間は128円台までプルバックする局面も観測されている。そのため、形成してきた127.46-129.41円というおよそ2円幅のレンジが、下方向にやや拡大しただけとの見方も少なくない。つまり、ザックリ言って127.00-129.40円などといった新レンジでの一進一退がいましばらく続く可能性もある。
来週3-4日に開催される米FOMCの「0.5%の利上げ」はほぼコンセンサス。また昨日、ECB理事会メンバーでもあるラトビア中銀総裁は、ECBの利上げについて「年内最大で3回の利上げ余地がある」と指摘していた。日本の異質さがさらに際立つ結果で、明日の東京昼ごろと目される「日銀決定会合の結果公表」にも要注意だ。本日は引き続き米株価や金利の動きをにらみつつ、月末特有需給要因などへの警戒感も取り沙汰されていた。

テクニカルに見た場合、ドル/円はこれまでの形成レンジを下回るも、大きく続落はせず。ドルの下値トライは失敗に終わった感を否めず、結果として、従来のレンジを下方向に幾分拡大させただけに過ぎないのかもしれない。ただ、短期のリスクとしては引き続きドル安・円高方向にバイアスがかかりそうで、本日東京安値126.95円レベルを下回ると、フィボナッチポイントの126.30円などを目指す展開も。

材料的に見た場合、中長期的には、海軍の測量艦が日本の領海内に侵入したことが明らかになった「中国情勢」。着々と核開発も進行中とされ警戒感も根強い「北朝鮮情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月の中古住宅販売成約指数などが発表される見込みで、そのほか米企業を中心とした決算発表も続く。決定事項という意味では少し材料が少なめだが、ウクライナ情勢などに関する突発的なニュースには一応要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは127.00-128.30円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である128.10円レベルが最初の抵抗。上抜けても128.20-30円が再び抵抗で、その上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、126.95円レベルの攻防にまず注目。割り込めばさらなる深押し126.30円レベルがターゲットに。

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ドル円日足


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