ドル円、安値圏から急反発。本日は日銀金融政策決定会合がメインイベント
〇ドル円、米国時間にかけて、高値128.59まで急伸
〇上海での感染者数の減少、株式市場の堅調、米金利上昇等がサポート
〇ユーロドル、地政学リスクの高まり、独指標不冴えに5年1ヵ月ぶり安値となる1.0515まで急落
〇ドル円、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」
〇ファンダメンタルズもドル買い円売り材料多く、ドル円相場の上昇を意識させる材料揃う
〇本日、日銀金融政策決定会合やその後の黒田総裁記者会見がメインイベント
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:127.00ー129.00
海外時間のレビュー
27日(水)のドル円相場は安値圏から急反発。@世界的なリスクオフ到来を背景に、アジア時間早朝にかけて、安値126.95(4/18以来)まで下げ幅を広げるも、売り一巡後に下げ渋ると、A中国上海市の新型コロナウイルス感染者数が直近3週間で最小となったことや、B上記Aを背景に当局がロックダウン措置の緩和を示唆したこと、C株式市場の持ち直し(中国経済を巡る過度な悲観論後退→市場心理改善→株高→リスク選好ムード)、D米金利上昇を背景としたドル高圧力、E本邦大型連休前のドル需要、F短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値128.59まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/28午前5時00分現在)では、128.35前後で推移しております。
27日(水)のユーロドル相場は大幅続落。アジア時間午後にかけて、高値1.0655まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの高まり(ロシア軍によるウクライナ南部の完全支配を企図したミサイル攻撃の活発化)や、Aドイツ5月消費者信頼感指数(結果▲26.5、予想▲16.0)の冴えない結果、B欧州経済の下振れ懸念(ロシアはルーブルで支払わない買い手へのガス供給を遮断する予定との一部報道)、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売りが重石となり、米国時間にかけて、2017年3月以来、約5年1ヵ月ぶり安値となる1.0515まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/28午前5時00分現在)では、1.0556前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円はアジア時間朝方にかけて一時126.95まで下げ幅を広げるも、同水準で下げ渋ると、米国勢参入後に128.59まで持ち直す荒々しい値動きとなりました。127円前後で下値の堅さを再確認できたことや、ダウンサイドに主要なテクニカルポイントが複数控えていること、日足・週足・月足の全てで強い買いシグナルが点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(来週の米FOMCでの50bp利上げやバランスシート圧縮開始観測)や、A日銀による金融緩和の長期化方針(指値オペ継続を通じた長期金利の抑制方針)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)、C貿易赤字拡大に伴う恒常的な円売り圧力など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
尚、本日は日銀金融政策決定会合やその後の黒田総裁記者会見がメインイベントとなります。金融緩和政策の継続が見込まれているものの、一部では足元のドル円急騰を受けて政策修正に踏み切るとの見方も出ているため(利下げに係る文言削除やイールド・カーブ・コントロールのバンド幅弾力化など)、同イベント後のドル円急落リスクには念のため注意が必要でしょう(メインシナリオは無風通過のドル円続伸、リスクシナリオは緩和修正サプライズのドル円急落)。
本日の予想レンジ:127.00ー129.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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