20年ぶりの126円台、円安基調は継続か (4/13夕)

13日の東京市場はドル一段高。終盤に掛けて上値を伸ばし、2002年5月以来およそ20年ぶりの126円台を示現している。

20年ぶりの126円台、円安基調は継続か (4/13夕)

20年ぶりの126円台、円安基調は継続か

〇本日のドル円、日中高値126.20-25、2002年5月以来20年ぶり126円台示現
〇黒田総裁「強力な金融緩和継続」発言でドル急騰か、本邦要人発言には反応限定的
〇本日は米3月生産者物価指数発表、米財務省30年債入札予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは125.50-126.80、上抜ければ126.85がターゲット
〇ドル安・円高方向は、これまでの年初来高値125.77が最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場はドル一段高。終盤に掛けて上値を伸ばし、2002年5月以来およそ20年ぶりの126円台を示現している。

ドル/円は、寄り付いた125.35-40円を日中安値に緩やかな右肩上がり。ただ、年初来高値である125.77円が重くのしかかっており、当初は125円後半で上げ渋りの感も。しかし、「黒田発言」を材料に上抜けるとストップロスを巻き込み、一気に126円台へ。日中高値の126.20-25円まで値を上げ、16時現在でもそのままドルは高値圏で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「本邦要人発言」について。
前者は、ロシアのプーチン大統領による「ブチャの残虐行為はフェイクニュース」、「ウクライナとの交渉は行き詰まっている」、「ロシアを孤立させようとする米欧の試みは失敗に終わる」といった発言が伝えられ、ウクライナにおける戦闘や停戦に関する憶測などが取り沙汰されるなか、欧米諸国による制裁を受けたロシア経済などへの大打撃が話題に。そのひとつは、ロイターが報じた「ロシアの産油量、日量1000万バレルを下回り、2020年7月以来の低水準」になったことで、また国際スワップデリバティブ協会(ISDA)のクレジットデリバティブ決定委員会が「ロシアのドル建て国債ルーブル払い、デフォルト該当か13日に会合開き判断へ」とも伝えられていた。続報にも要注意。

対して後者は、本日も鈴木財務相から「為替の安定は重要、急速な変動は望ましくない」との口先介入は聞かれたが、とくに代わり映えのしない内容で、マーケットの反応も極めて限定的。実際、昨日までは発言を受け、40-50ポイント程度と小幅ながら、それでも調整的な円高に振れることが少なくなかったが、本日はそんな押しすらもとくには観測されなかった。むしろ、終盤126円台へのドル急騰を招いたのは、黒田日銀総裁から発せられた「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」とのコメントだったとの見方が有力だ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は2015年6月高値の125.86円を本日東京時間についに上抜け。2002年5月以来、およそ20年ぶりの126円台を示現している。以前にもレポートしたように、125.86円から上には目立ったテクニカルポイントが見当たらず、現状はすでに軽い青天井状態。一気に「130円台到達」といったことはないにせよ、思いのほか早いスピードでさらなる上値を試す可能性も否定できない。
足もとを含む「ドル高・円安」基調の根本にあるのは日米の金利差。そうしたなか、前述したように本日東京時間も黒田総裁による「低金利継続」を示唆する発言が、さらなる円売りのトリガーを引いた感を否めない。いずれにしても、日本が本気で対策に動くか、もしくは米国としっかりとした連携を取り付けることでもしない限り、円売りという基本的な流れが反転することは予想しにくい状況だ。本邦要人などの「口先介入」だけで、ドル高・円安基調に変化が生じるとは到底思えない。

テクニカルに見た場合、上方向のポイントを次々にブレークしてきたドル/円は、本日ついに2015年6月高値125.86円も上抜けてきた。再三再四指摘したように、これは2002年5月以来、およそ20年ぶりの高値であるだけでなく、ここから先にしばらく目立ったテクニカルポイントはうかがえない。ただ、それでも敢えて指摘するなら、昨日の4本値を使用したピポットの「S2」にあたる126.30円レベル、そして「LBOP」の126.85円などが一応の上値メドとなる。

材料的に見た場合、中長期的には昨日尖閣諸島沖で領海侵入をするなど、日本への強い圧力もうかがえる「中国情勢」、米ジョンズ・ホプキンス大学の推計でこれまでの世界の総感染者が5億人を超えたとされる「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場」などに注目。

一方、本日は米経済指標として、3月の生産者物価指数が発表されるほか、米財務省による30年債の入札が実施される見通しだ。また、JPモルガン・チェースなどによる決算発表も予定されており、こちらも場合によっては相場の波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは125.50-126.80円。本日東京高値の126.20-25円で、これは前述したピボットの「S2」に近い。上抜ければ「LBOP」にあたる126.85円がターゲットか。
対するドル安・円高方向は、これまでの年初来高値である125.77円が今度は最初のサポートとして意識されそうだ。割り込めば、少し遠いが昨日安値124.76円を目指す。

20年ぶりの126円台、円安基調は継続か

ドル円日足


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