ドル円、黒田シーリングを突破し、約20年ぶり高値となる126円台へ急上昇(4/14朝)

13日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。

ドル円、黒田シーリングを突破し、約20年ぶり高値となる126円台へ急上昇(4/14朝)

ドル円、黒田シーリングを突破し、約20年ぶり高値となる126円台へ急上昇

〇ドル円、欧州時間朝方にかけて、2002年5月17日以来、約20年ぶり高値126.31まで急伸
〇黒田日銀総裁のハト派発言、「黒田シーリング」125.86突破に伴う仕掛け的な円売りが支援
〇買い一巡後は、鈴木財務相、松野官房長官による円安けん制もあって米国時間に125.36まで反落
〇引けにかけて持ち直し125円台後半で推移
〇ユーロドル、米国時間に1.0809まで下落するも直近安値1.0805を前に反発、1.08台後半で推移
〇ドル円、テクニカル的に見て、地合いの強さを決定づけるチャート形状
〇黒田シーリング突破で心理的なレジスタンス消え、ドル買い・円売りに拍車がかかる一因に
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:125.00ー126.50

海外時間のレビュー

13日(水)のドル円相場は急伸後に急反落。@米FRBによるタカ派傾斜観測(前日発表された米3月消費者物価指数が前年比+8.5%と1981年12月以来の高水準を記録)や、A上記@を背景とした米長期金利の急上昇、B黒田日銀総裁によるハト派発言(第97回信託大会にて金融緩和政策の継続姿勢を改めて強調)、C黒田シーリングとして意識されていた125.86を突破したことに伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、2002年5月17日以来、約20年ぶり高値となる126.31まで急伸しました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと、D短期間で急伸したことに伴う反動売りの発生や、E鈴木財務相による円安牽制発言(特に最近の円安の進行を含め、市場の動向や日本経済への影響を緊張感を持って注視したい)、F松野官房長官による円安牽制発言(円安進行を含め、為替市場の動向を注視。米国等の通貨当局と緊密に意思疎通を図り適切に対応)、G上記EFを背景とした短期筋のストップSELL、H米金利低下に伴うドル売り圧力が重石となり、米国時間にかけて、安値125.36まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間4/14午前5時00分現在)では、125.70前後で推移しております。尚、昨日発表された米3月生産者物価指数は前年比+11.2%と市場予想の前年比+10.6%を上回る結果となりましたが、市場の反応は限定的となりました。

13日(水)のユーロドル相場は下落後に急反発。@ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの長期化懸念や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不透明感(エネルギー価格上昇に伴う景気への下押し圧力)、B欧米金融政策の方向性の違い(タカ派色を強める米FRBと、利上げ開始に慎重なECBとの政策格差)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0809まで下落しました。しかし、3/7に記録した約1年9ヵ月ぶり安値1.0805をバックに下げ渋ると、C米金利低下に伴うドル売り圧力や、D短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0894まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/14午前5時00分現在)では、1.0885前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は黒田シーリングが位置する125.86を突破し、一時126.31まで急伸しました(2002年5月17日以来、約20年ぶり高値圏)。1/24に記録した年初来安値113.47を起点にわずか3ヵ月弱で約13円の急騰劇を繰り広げる結果となっております。ローソク足が主要テクニカルポイントを軒並み突破した他、日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナルが成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを決定づけるチャート形状となっております。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測や、A日銀による金融緩和の長期化観測、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(有事のドル買い)など、ドル円相場の上昇に繋がる材料が増えつつあります。また、黒田シーリングの突破を受けて、心理的なレジスタンスが無くなったことも、ドル買い・円売りに拍車がかかる一因になると考えられます(市場参加者にとっての上値目途が無くなったことで、130円台や135円台を予測する向きが増加)。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米4月ミシガン大学消費者信頼感指数やクリーブランド連銀メスター総裁講演に注目が集まります。米経済指標が市場予想を上回る場合や、米当局者よりタカ派的な発言が見られる場合などには、米長期金利の上昇を通じて、もう一段ドル円相場に上昇圧力が加わる展開が想定されるため、本日もドル円相場のアップサイドリスクに注意が必要な時間帯が続きそうです(ECB理事会やラガルド総裁記者会見で利上げに慎重なスタンスが示される場合も、対ユーロでのドル買いを通じてドル円を押し上げる可能性あり)。

本日の予想レンジ:125.00ー126.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、黒田シーリングを突破し、約20年ぶり高値となる126円台へ急上昇

ドル円日足

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