円安基調継続するも、日本の当局には要注意(4/12夕)

12日の東京市場はドルが強保ち合い。前日に更新した年初来高値125.77円にはとどかなかったが、それでもドルは終日高値圏で推移。

円安基調継続するも、日本の当局には要注意(4/12夕)

円安基調継続するも、日本の当局には要注意

〇本日のドル円、一時125.10レベルへと値を崩すも終盤に掛けて反騰、16時現在125.65-70で推移
〇前日更新した年初来高値125.77にはとどかなかったが、一度も125円を割り込まない強保ち合い
〇要人による円安けん制発言相次ぐが効果は限定的、基本的円売りの流れは反転しにくいか
〇昨日高値125.77、そして2015年6月高値125.86トライ展開予想される、抜ければ126円台乗せトライも
〇本日、米国3月消費者物価指数発表、米財務省による10年債入札実施、米要人の発言機会も予定される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは124.90-126.20、125.77、そして125.86がターゲット
〇ドル安・円高方向は、本日東京安値125.10レベルが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

12日の東京市場はドルが強保ち合い。前日に更新した年初来高値125.77円にはとどかなかったが、それでもドルは終日高値圏で推移。

ドル/円は125.40円前後で寄り付いたのち、しばらくは底堅い値動き。しかし、鈴木財務相からの口先介入もあり値を崩すと、一時円買いが進展している。125円半ばから125.10円レベルと50ポイント近く値を崩すも125円を割り込むことはなくドルは底堅い。むしろ終盤に掛けては、下げ幅をすべて取り戻しての反騰高の動きに。16時現在では125.65-70円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制」について。
前者は、オーストリア首相がロシアのプーチン露大統領と会談。戦争終結を要請するも、「プーチン氏は戦争の論理に没入している。楽観的印象はない」とし、外交による事態の収拾は困難との認識を示していた。そうしたなか、「ロシア軍がウクライナ南東部のマリウポリで、何らかの有毒物質を使用した」とする新たな戦争犯罪を示すような報道や、ウクライナ国防省から「東部ドネツク、ルハンスク両地域でまもなく戦闘が始まる」との見通しが発表されるなど、ウクライナ現地の状況はいまだ予断を許さない。なお、それとは別にロイターが「国営鉄道会社のロシア鉄道が利払いできず初のデフォルト認定された」と報じ、物議を醸していたようだ。

対して後者は、前述したようにドル/円は本日東京時間に一度も125円を割り込まない強保ち合い。いわゆる「黒田ライン」を超えるレベルで推移していることもあり、幾つかの円安けん制発言が観測されている。たとえば、自民党の茂木幹事長は、レベルについてのコメントは控えるとしつつ「株価・為替市場の動きは注視する」と発言。また鈴木財務相は「為替動向を緊張感持って注視」、「米国などと緊密に連携しながら対応したい」、岸田首相も「為替の安定は重要、急速な変動は好ましくない」と発言していたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

依然としてクロスを含めた円全面安の流れは継続。ドル/円も125.77円まで一時値を上げ、その後も125円台での推移をたどっている。ポジション的にはロングが再び蓄積しつつあることは確かだが、リスクは引き続きドル高方向にバイアス。このあと欧米時間には昨日高値の125.77円、そして2015年6月高値の125.86円をトライする展開を予想する声が大勢だ。超えれば2002年5月以来、およそ20年ぶりの126円台も。
根本にあるのは日米などの金利差で、根強い円売り安心感が聞かれている感もある。先でも取り上げたように、本邦政府筋などから口先介入が相次いでいるものの、効果は限定的。むしろスタンスの弱さを突かれ、投機筋などの攻勢がさらに強まっているようにも見える。調整の動きなどにより一時的な円高進行までは否定できないが、日本が本気で対策に動くか、もしくは米国としっかりとした連携を取り付けることでもしない限り、円売りという基本的な流れが反転することは予想しにくい状況だ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日125.77円まで上昇。2015年6月高値125.86円も、現実的なメドとして意識されていることは間違いない。まずは同レベルの攻防に注目だが、抜ければ当然126円台乗せトライ、そして中期的には130円台回復も否定できなくなりそうだ。
それに対するドルのサポートは、これまで抵抗だった125.10円。本日東京でも下値は同レベルまでで、割り込んでも大崩れは現状予想しにくい。

材料的に見た場合、中長期的には米紙WSJが上海などのロックダウンによる経済へのダメージを強く懸念していた「中国情勢」。WHOが新たなオミクロン亜種2種について「感染力の強さと病原性を検証している」と発表、思惑を呼んでいた「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月の消費者物価指数が発表されるほか、米財務省による10年債の入札が実施される見通しだ。また、ブレイナードFRB理事やバーキン・リッチモンド連銀総裁の講演などにも要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは124.90-126.20円。昨日示現した125.77円、そして125.86円がターゲット。超えれば126円レベルを目指す展開に。
対するドル安・円高方向は、本日東京の安値でもある125.10円レベルが最初のサポートか。抜ければ124円台へと逆戻りだが、それでも底堅そう。

円安基調継続するも、日本の当局には要注意

ドル円日足


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