ドル円、コアCPIの予想比低下で急反落。黒田シーリングの突破に失敗(4/13朝)

12日(火)のドル円相場は高値圏から急反落。

ドル円、コアCPIの予想比低下で急反落。黒田シーリングの突破に失敗(4/13朝)

ドル円、コアCPIの予想比低下で急反落。黒田シーリングの突破に失敗

〇ドル円、欧州時間朝方に125.75に達するも米国時間朝方に124.79まで急落
〇15年6月高値125.86を控えた警戒感、米CPIコアの予想比低下と米長期金利急低下が背景
〇売り一巡後は持ち直し、125円台前半を回復
〇ユーロドル欧州圏ZEW指数の冴えない結果、欧州株の軟調推移に1.0823まで急落
〇ドル円、引き続き日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナル点灯、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズもドル円相場の上昇に繋がる材料揃う
〇ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想、本日米PPIに注目
〇本日の予想レンジ:124.75ー126.25

海外時間のレビュー

12日(火)のドル円相場は高値圏から急反落。@米FRBによるタカ派傾斜観測(米3月消費者物価指数やブレイナードFRB理事講演を控えた警戒感)や、A日銀による金融緩和の長期化観測、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差を材料に、欧州時間朝方にかけて、高値125.75まで上昇しました。しかし、前日記録した約6年10ヵ月ぶり高値125.76をバックに伸び悩むと、C黒田シーリング(黒田日銀総裁が「円安牽制」に踏み切った2015年6月5日高値125.86が位置する水準)を控えた警戒感や、D米消費者物価コア指数の予想比低下(米3月消費者物価指数は前年比+8.5%と市場予想の+8.4%を上回ると共に、1981年12月以来の高水準を記録しましたが、コア指数は前年比+6.5%と市場予想の前年比+6.6%を下回る結果)、

E上記Dを背景とした米長期金利の急低下(米10年債利回りは2.83%から2.68%へ急低下)、F短期筋のロスカット(黒田シーリングの突破を見越してロングポジションで構えていた向きによるストップSELL)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値124.79まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間4/13午前5時00分現在)では、125.30前後で推移しております。尚、ブレイナードFRB理事は昨日、「6月にバランスシート縮小に着手する可能性がある」と発言しましたが、市場の反応は限定的となりました。

12日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。@ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの長期化懸念(プーチン露大統領による「ウクライナとの交渉は行き詰まっている」との発言)や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き懸念とそれに伴うECBによる利上げ観測後退、B米FRBによるタカ派傾斜観測、C上記ABを背景とした欧米金融政策の方向性の違い、Cユーロ圏ZEW景況指数の冴えない結果(4月分は▲43.0となり3月分の▲39.3から一段と悪化)、D欧州株の軟調推移が重石となり、米国時間午後にかけて、3/7以来、約1ヵ月ぶり安値となる1.0823まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/13午前5時00分現在)では、1.0833前後で推移しております(3/7に記録した約1年9ヵ月ぶり安値1.0805が射程圏内)。

本日の見通し

ドル円は黒田シーリングが位置する125.86を意識した神経質な値動きが続いております(4/11高値125.76、4/12高値125.75)。昨日はポジション調整主導で一時124.79まで急落するなど、黒田シーリング突破を見据えた短期ロング勢を豪快に振るい落とす動きが見られましたが、日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナルが点灯していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(昨日の下落はあくまで急ピッチで進んだドル高・円安の一時的な押し目。一巡後に再び上昇トレンドに戻ると予想。事実124.79まで下落した後、すぐに125円台前半へ急回復)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測や、A日銀による金融緩和の長期化観測(政府・当局による円安牽制効果は限定的)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(ロシア・ウクライナ情勢が一段と悪化。プーチン露大統領からも悲観的な発言が相次ぐ展開→有事のドル買い)など、ドル円相場の上昇に繋がる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間21:30に予定されている米3月生産者物価指数に注目が集まります。市場予想を上回る結果となれば、米インフレ懸念再燃→米FRBによる利上げ観測再燃→米長期金利上昇→米ドル高の経路でドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。テクニカル的な強さ、ファンダメンタルズ的な強さを踏まえ、黒田シーリングの早期突破を予想いたします(ユーロドルが年初来安値1.0805を下抜けるタイミングでドル円が黒田シーリングの125.86を上抜ける展開を想定)。

本日の予想レンジ:124.75ー126.25

注:ポイント要約は編集部

ドル円、コアCPIの予想比低下で急反落。黒田シーリングの突破に失敗

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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