日米金融政策の発表終了、結果ドルは底堅い
〇本日のドル円、142.60-65で寄りつき、一時141円台へ下げるも終盤は逆行高、元のレベルへ回帰
〇日銀は予想通り金利据え置きを決定、総裁会見での発言は予想ほど強気ではなかったとの見方
〇今週は週明けに140円を一時割り込んだが、以降141円以下で推移する時間帯は短く、ドルが底堅い
〇日米金融政策の発表を終え、来週は政治ファクターに要注意
〇ドル円予想レンジは142.70-143.90、ドル高・円安方向は21日線、ならびに144円をめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向、141.75レベルが強いサポート
<< 東京市場の動き >>
東京市場は本日も「行って来い」。日銀会合の結果などをにらみながら、ドルは一時下値を試すも終盤は逆行高で、元のレベルへと回帰。
ドル/円は142.60-65円で寄り付いたのち、当初はドル買いでスタート。143円台回復をうかがうもとどかず、軟落すると一転して下値を試す展開に。昼ごろに発表された日銀会合結果は「金利据え置き」で予想通りの結果。しかし、夕方に予定されている植田総裁の会見をにらみつつ、ドル売りに押されると1円以上下落した141円台も。ところが植田発言が予想ほど強気ではなかったことで流れは一転。16時現在では、再び142円台を回復しただけでなく、寄り付きを超える142.80-85円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀の金融政策」と「ロシア情勢」について。
前者は、これまでもレポートしてきたように、20日の日銀会合は「金利据え置き」かつサプライズも予想出来ない、などといった見方が大勢だったが、蓋を開けたらほぼそのままの結果。しかし、夕方に予定されている植田総裁の会見で強気コメントを期待する向きも多く、為替市場において一時は円買いが優勢だった。ドル/円は141円台も。ところが、具体的な発言として「金融資本市場は引き続き不安定な状況」、「物価上振れリスクは相応に減少」といった内容が伝えられると、予想ほど強気でなかったとの見方から、最終盤は再び円売りに傾斜し再び142円台、それも142円後半へ。
後者は、ロシア下院議長から「西側が提供兵器の使用をウクライナに許可すれば核戦争になる」などとした、いわゆる核恫喝発言が聞かれるも効果は限定的。同じような発言はすでに1年以上も前から聞かれるが、核使用に関してまったく進展がうかがえず「抜けずの宝刀」として、足もとを見られ始めているのかもしれない。そうしたなかロイターは、「ロシアの友好国インドの国営企業が生産した砲弾が欧州経由でウクライナに渡っている」と報道。さらに、「ロシアの抗議にもかかわらずインドは黙認している」と伝えていた。なお、そうしたなか来週26日にバイデン氏とハリス氏が揃ってゼレンスキー氏と会談する、と報じられ思惑を呼んでいたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
注目の日米金融政策の発表を終えるなか、ドル/円相場はドルが底堅い。今週は週明けに140円を一時割り込んだものの、以降とくに週末に掛けては141円以下で推移する時間帯も短かった。ポジションの偏りなどを勘案すると、いま少し戻っても不思議はないが果たしてどうか。先日は、現行143円半ばで推移する移動平均の21日線に上値を阻まれたが、一連の動きのなか、NYクローズでハッキリと超えれば来週にかけてさらなるドル高が期待できそうだ。
米FOMCに続き、本日日銀会合の結果が発表された。日米ともに予想外のこともあり、しばらくは余韻を引きずることもありそう。まだまだ荒っぽい変動には要注意だ。そうしたなか、次に市場が警戒を要しているのは様々な政治ファクター。たとえば、民主党の反対で否決された米つなぎ予算の採決はそのひとつだが、ロイターは合意について明るい兆しがあると伝えていた。また、岸田首相が21日から最後の訪米を行い、クワッド首脳会議や日米首脳会談なども実施される。来週は政治要因に右往左往する展開もあり得る。
テクニカルに見た場合、ドル/円は日米金融政策の発表をにらみつつ上下に振れる展開となったが、最終的にドルは小しっかり。大きな流れは依然としてドル安方向にバイアスがかかるものの、しばらくは底堅く推移しそうだ。
むしろ短期的には上方向のリスクに要注意かも知れず、現行143円半ばで推移する移動平均の21日線、そして144円レベルをしっかり超えると、さらなるドル高進行の可能性もある。
本日はとくに目立った米経済指標の発表はなし。注目されていた日米金融政策の発表も終えたことで、本日は新規材料難によりやや動きにくそうな雰囲気も。ただ、このあとしばらくは各国政治ファクターが波乱要因になりかねない、といった声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは142.70-143.90円。ドル高・円安方向は、先で何度も取り上げた移動平均の21日線、ならびに144円をめぐる攻防に注目。前者についてはザラ場の動きだけでなく、NYクローズで上回れるか否かも注視されている。
対するドル安・円高方向は、強いサポートといえば本日東京安値の141.75円レベルだが、少しずつその手前にもビッドが並び始めているようだ。弱いものの、最初のサポートは142円半ばか。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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