米3月消費者物価指数(CPI)の予想
本日(12日)、米国3月消費者物価指数(CPI)が公表されます。前回2月分は全て予想通りになりました。結果は前月・前年比共に全て上昇しており、今回3月予想も一段とインフレが進むことになっています。債券や為替等の各市場は予想より上か下でディールする可能性がありますが、年率ベースでは数値そのものが非常に高いので、FRBの各委員がインフレ対応で早急の利上げを実施したい意向を持つのも頷けます。
現状ではウクライナ戦争の行方が全く見通せず、直近では、スウェーデンやフィンランドのNATO加盟の可能性も出てきており、対ロシアとの新たな火種が生じています。世界的なインフレ下の景気減速も想定しなければならない状況に入りかけている可能性があります。
2022年4月12日9時現在予想
(1)米国消費者物価指数全体(CPI)前月比ベース推移
(青い矢印は今回の予想値、赤はゼロ、青は0.6%)
上記チャート(1)を見ると、オレンジ色の移動平均線は、過去の高値を結んだ青(0.6%)を一段と越えています。まだまだインフレ沈静化の兆しが見えていません。
一方で、下記チャート(2)では赤(2%)の横線がFRBインフレ目標値(=PCEコア)となっています。青が昨年12月に公表されたFRBの2022年末見通し2.7%、黒が今年3月公表済の2022年末PCEコアの数値4.1%です。2月PCEコアは5.4%になっており、黒を大きく越えています。CPIコアとPCEコアは同じ方向になりますので、3月CPIコアが予想通りなら、4月29日発表予定のPCEコアも一段と上昇する見込みになります。このチャートを見る限り、5月FOMC以降、どこかのタイミングで50ベーシス利上げも見込まれます。
(2)米・CPIコア(青)とPCEコア(オレンジ)の前年比ベースの推移
(赤はFRBのインフレ目標値2%、黒は2022年末PCEコア4.1%、青は2022年末FOMC予想値2.7%、緑の矢印は今回予想値)
(注:CPIは米労働省統計局が発表し、PCEは米商務省統計局が発表します。PCEには医療保険に関わる費用なども含まれているため、カバーされる範囲が広くFRBのインフレ指標に採用されています。)
下図はドル円の月足チャートです。2015年高値のダブルトップがA(=125円86銭)、それ以前の横抵抗線B(〇印)は@1997年5月の高値(=127円48銭)及び、A2001年4月の高値(=126円84銭)でトップを付け、今回のAを含めると126円絡みで4回目になります。Bの2回は高値を付けてから@が16円の円高、Aが11円の円高になっており、今回仮にここで高値を付けると、一度115円〜110円までの下押しの可能性があります。因みにCのサポートが115円30銭にあります。
このまま130円方向のドル高へ行くにしても、高値越えの確認をしてからの買い直しの方がリスクは少ないと思います。その意味で、予想を上回り、金利高・ドル買いになった時に高値水準を見極めたいと思います。
(4月12日12:45 1ドル=125円50銭)
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