ドル円、約6年10か月ぶり高値圏へ急上昇。心理的節目125円の大台突破
〇ドル円、米国時間にかけ約6年10カ月ぶり高値125.76まで急伸
〇日銀の緩和継続と円安容認姿勢、米長期金利上昇、125.11突破によるストップロス発生が背景
〇ユーロドル、週末の仏大統領選でのマクロン大統領首位維持に朝方高値1.0951まで上昇
〇その後は地政学リスク長期化懸念や、米長期金利上昇に、安値1.0873まで反落
〇ドル円、テクニカル的の地合い極めて強く、2015/6/5高値125.86が次のターゲット
〇本日21:30の米3月CPI、25:10のブレイナードFRB理事講演に要注目
〇本日の予想レンジ:124.75ー126.25
海外時間のレビュー
週明け11日(月)のドル円相場は大幅続伸。@米FRBによるタカ派傾斜観測(4/12に発表される米3月消費者物価指数を控えた警戒感)や、A日銀による金融緩和の継続方針(黒田日銀総裁による「必要なら躊躇なく追加緩和」との発言や、日銀大阪支店長および日銀名古屋支店長による「円安は全体的にプラス」との円安容認発言など)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(米金利上昇に伴うドル買い圧力。米10年債利回りは2019年1月以来となる2.78%へ急上昇)、C直近高値突破に伴うショート勢のストップBUY(3/28に記録した直近高値125.11を突破→逆張り勢のストップBUY)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、2015年6月5日以来、約6年10カ月ぶり高値となる125.76まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間4/12午前5時00分現在)では、125.44前後で推移しております。
週明け11日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。@4/10に実施されたフランス大統領選で現職のマクロン大統領が首位を維持したこと(マクロン氏とルペン氏が4/24の決選投票に進む見通し→政局不透明感後退)を好感し、アジア時間早朝にかけて、高値1.0951まで上昇しました(ギャップ・オープン)。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、Aロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスク(欧州経済の先行き不透明感)の長期化懸念や、B米FRBによるタカ派傾斜観測(米金利上昇に伴うドル高圧力)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.0873まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/12午前5時00分現在)では、1.0884前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は心理的節目125.00や3/28に記録した直近高値125.11を突破すると、2015年6月5日以来、約6年10か月ぶり高値となる125.76まで急伸しました。4時間足・日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナルを示唆する「三役好転」や「パーフェクトオーダー」が実現するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(ブレイナードFRB理事による先週のタカ派発言をきっかけに米長期金利が上昇開始。昨日は米10年債利回りが2019年1月以来となる2.78%へ急上昇)や、A日銀による金融緩和の長期化観測(黒田日銀総裁は金融緩和の継続方針を明確化)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差急拡大→ドル買い・円売り)、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(欧米とロシアの対立激化→市場心理悪化→有事のドル買い)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間21:30に予定されている米3月消費者物価指数と、日本時間1:10から始まるブレイナードFRB理事講演に注目が集まります。米3月消費者物価指数が市場予想の前年比+8.4%を超過する場合や、先週以降の「ドル買い相場」のきっかけを作ったブレイナードFRB理事によるタカ派的な発言が見られる場合などには、米長期金利急上昇→米ドル高の経路でドル円にはもう一段強い上昇圧力が加わるものと見られることから、本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに注意が必要でしょう(次のターゲットは2015年6月5日に記録した高値125.86。同水準の突破は心理的レジスタンスである黒田シーリングの崩壊を意味することから要注目)。
本日の予想レンジ:124.75ー126.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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