再びドル高にバイアス、続伸にも一応要注意(4/6夕)

6日の東京市場はドルが小じっかり。3月29日以来の124円台を一時回復する局面も観測されていた。

再びドル高にバイアス、続伸にも一応要注意(4/6夕)

再びドル高にバイアス、続伸にも一応要注意

〇本日のドル円、3/29以来124円台一時回復、16時現在123.90-95で推移
〇利上げ慎重派ブレイナードFRB理事も強気発言、ドル高・円安後押し要因に
〇年初来高値125.10視界内に、超えれば125.86がターゲット
〇本日は3月米FOMC議事要旨公表、NATO外相会議予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは123.40-124.60、124.05レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、123円半ばが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

6日の東京市場はドルが小じっかり。3月29日以来の124円台を一時回復する局面も観測されていた。

ドル/円は123.60-65円で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。123.55-70円といったレンジ取引をたどるなか、上放れするとそのまま124円台まで一気に値を上げている。しかし定着せずに、その後は123円後半でのドル強保ち合い。123.80-124.00円といったなかで一進一退となり、16時現在では123.90-95円で推移、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「米金融政策」について。
前者は、ウクライナのゼレンスキー大統領が、国連安全保障理事会でオンライン演説し、「ロシア軍はもっとも恐ろしい戦争犯罪を犯した」などと発言するなか、欧米各国からは「戦争犯罪」に対する厳しい声が相次いでいた。またロイターが、「米と同盟国が大規模な対ロシア追加制裁を6日に発表する」などと報じたうえ、NATO事務総長は、6-7日に開かれるNATO外相会議でウクライナへの追加的な兵器提供について討議することを明かすなどまだまだ波乱含みの様相だ。

対して後者は、以前から繰り返し指摘しているように、次回「5月のFOMCで0.5%の利上げを実施する」といった思惑が取り沙汰されるなか、昨日は米通貨当局者からの「強気コメント」が相次いだ。なかでも市場のサプライズとなったのは、利上げ慎重派と目されていたブレイナードFRB理事による「バランスシートを5月にも急速なペースで縮小」との発言になる。当局がさらに利上げに積極的なスタンスに傾斜している感を否めず、為替市場においてもドル高・円安の後押し要因に。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は調整局面。なかなか居心地の良い122円台を中心とした一進一退、価格ではなく時間調整が続くかと考えていたのだが、前述した「ブレイナード発言」もあり、再びドル高にバイアスのかかった動きとなっている。一足飛びで年初来高値125.10円に向かう動きとなるかは別にして、リスクは再びドル高方向にバイアスが掛かりそう。また、これまでのレンジを1円程度切り上げた123円台を中心としたレベルでの強保ち合いを予想する声も少なくない。
利上げに消極的な日本に対し、米国は利上げに積極的であることは様々な発言やデータからわかっていたことだが、ハト派として知られるブレイナードFRB理事まで利上げに積極的なコメントを出したことは衝撃だった。ますますドルを積極的に売り込む要因が乏しくなったと言える。急速な米利上げに対するマイナス面にも要注意だが、株価の動きなどをにらみつつもドルの底堅い値動きが続く可能性もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は3-4日ほど122円台を中心とした中段保ち合いをたどっていたが、昨日上放れると再び上方向にバイアスを掛けた値動きとなっている。年初来高値125.10円が再び視界内に捉えられてきた。口先介入への警戒感や、需給要因などもあり一朝一夕に到達するか否かは不明ながら、仮に超えていくとなると次のターゲットは125.86円となる。政府・日銀による生半可な対応では円安は止まらないかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には昨日米USTR代表が「中国との商業的関係を再調整しようとしている」と述べ一部で話題となった「中国情勢」。上海の感染者が1万7000件を超えるなどとどまることのない「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場」−−などに注目。

一方、本日はとくに目立った米経済指標の発表はないものの、3月15-16日に開催された米FOMCの議事要旨が公表される見込みだ。また、「米と同盟国が大規模な対ロシア追加制裁を発表する」見通しであるうえ、7日まで開かれるNATO外相会議などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは123.40-124.60円。本日東京高値124.05円レベルの攻防にまずは注目。抜ければ124.30円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値である123円半ばが最初のサポート。割り込むようだと123円を割り込む動きも否定できない。

再びドル高にバイアス、続伸にも一応要注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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