ドル円、米長期金利上昇を横目に一時124円の大台回復。続伸リスクに要警戒
〇ドル円、株価軟調とFOMC議事要旨公開後のポジション調整で一時123.50まで下落
〇その後は議事要旨のタカ派的内容に123.77前後まで持ち直す
〇ユーロドル、ウクライナ情勢長期化懸念と米長期金利上昇に欧州時間に1.0875まで下落
〇ドル円テクニカルの地合い強く、3/28高値125.11が視野に
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違い等がドル円上昇を支援
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:123.25ー124.50
海外時間のレビュー
6日(水)のドル円相場は高値圏で一進一退。@ブレイナードFRB理事による前日のタカ派発言(ハト派の急先鋒と見られていた同氏が「バランスシート圧縮を5月に急ピッチで始める」「前回と比べてもかなり急速な圧縮を想定している」と発言)や、A上記@を背景とした日米金融政策格差(米10年債利回りは2019年3月以来となる2.65%へ急上昇)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値124.06まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、B株式市場の軟調推移や、C上記Bを背景としたリスク回避の円買い圧力、D米FOMC議事要旨発表後のポジション調整が重石となり、米国時間午後にかけて、安値123.50まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、E米FOMC議事要旨での「多くの参加者が年内1回以上の50bpの利上げが正当化される公算と指摘」「1カ月あたりの縮小上限は950億ドルが適切となる公算」との見解発表が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/7午前5時10分現在)では、123.77前後で推移しております。
6日(水)のユーロドル相場は軟調推移。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(ロシアがウクライナ占領地で市民を虐殺した疑いが浮上→欧米諸国による対ロ制裁強化の思惑)や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不透明感(EUによるロシア産石油の輸入禁止検討報道→ロシアと経済的な結びつきの強い欧州経済への下押し圧力)、B米金利急上昇に伴うドル高圧力(ブレイナードFRB理事による前日のタカ派発言→欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0875まで下落しました。売り一巡後に持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/7午前5時10分現在)では、1.0897前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時124.06まで急伸するなど、3/29以来、約1週間ぶり高値圏へと上伸しました。ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線や基準線など)を上抜けしていること、日足・週足・月足など全ての上位足で強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーが実現していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(3/28に記録した約6年7ヵ月ぶり高値125.11に向けて上昇するシナリオを想定)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(ハト派の急先鋒と見られていたブレイナードFRB理事がタカ派的なスタンスに転換したことや、米FOMC議事要旨で早期バランスシート圧縮開始と50bpの大幅利上げの方針が示されこと)や、A日銀による金融緩和の長期化観測(指値オペの実施や黒田総裁による円安容認発言)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に着目したドル買い・円売り)、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(対露制裁強化の思惑→市場心理悪化→VIX指数上昇→有事のドル買い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米新規失業保険申請件数に加えて、セントルイス連銀ブラード総裁発言や、シカゴ連銀エバンズ総裁発言、アトランタ連銀ボスティック総裁発言、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言などに注目が集まります。米新規失業保険申請件数が改善を示す場合や、米当局者よりタカ派的な発言が相次ぐ場合などには、米金利上昇→米ドル高の経路で、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに特に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:123.25ー124.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2022.04.07
ドル円見通し 124円到達後も123円台中盤で確り、再び125円台へ挑戦する位置取り(22/4/7)
ドル円は、7日未明に123.46円まで下げたものの買い拾われて123円台終盤へ戻す展開、再び124円台回復から125円へ挑戦しやすい位置にある。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2022.04.06
再びドル高にバイアス、続伸にも一応要注意(4/6夕)
6日の東京市場はドルが小じっかり。3月29日以来の124円台を一時回復する局面も観測されていた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。