ドル円、米長期金利上昇を横目に一時124円の大台回復。続伸リスクに要警戒(4/7朝)

6日(水)のドル円相場は高値圏で一進一退。

ドル円、米長期金利上昇を横目に一時124円の大台回復。続伸リスクに要警戒(4/7朝)

ドル円、米長期金利上昇を横目に一時124円の大台回復。続伸リスクに要警戒

〇ドル円、株価軟調とFOMC議事要旨公開後のポジション調整で一時123.50まで下落
〇その後は議事要旨のタカ派的内容に123.77前後まで持ち直す
〇ユーロドル、ウクライナ情勢長期化懸念と米長期金利上昇に欧州時間に1.0875まで下落
〇ドル円テクニカルの地合い強く、3/28高値125.11が視野に
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違い等がドル円上昇を支援
〇引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:123.25ー124.50

海外時間のレビュー

6日(水)のドル円相場は高値圏で一進一退。@ブレイナードFRB理事による前日のタカ派発言(ハト派の急先鋒と見られていた同氏が「バランスシート圧縮を5月に急ピッチで始める」「前回と比べてもかなり急速な圧縮を想定している」と発言)や、A上記@を背景とした日米金融政策格差(米10年債利回りは2019年3月以来となる2.65%へ急上昇)が支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値124.06まで急伸しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、B株式市場の軟調推移や、C上記Bを背景としたリスク回避の円買い圧力、D米FOMC議事要旨発表後のポジション調整が重石となり、米国時間午後にかけて、安値123.50まで反落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、E米FOMC議事要旨での「多くの参加者が年内1回以上の50bpの利上げが正当化される公算と指摘」「1カ月あたりの縮小上限は950億ドルが適切となる公算」との見解発表が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間4/7午前5時10分現在)では、123.77前後で推移しております。

6日(水)のユーロドル相場は軟調推移。@ロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(ロシアがウクライナ占領地で市民を虐殺した疑いが浮上→欧米諸国による対ロ制裁強化の思惑)や、A上記@を背景とした欧州経済の先行き不透明感(EUによるロシア産石油の輸入禁止検討報道→ロシアと経済的な結びつきの強い欧州経済への下押し圧力)、B米金利急上昇に伴うドル高圧力(ブレイナードFRB理事による前日のタカ派発言→欧米金融政策の方向性の違いに着目したユーロ売り・ドル買い)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0875まで下落しました。売り一巡後に持ち直すも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間4/7午前5時10分現在)では、1.0897前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時124.06まで急伸するなど、3/29以来、約1週間ぶり高値圏へと上伸しました。ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線や基準線など)を上抜けしていること、日足・週足・月足など全ての上位足で強い買いシグナルを示唆する三役好転やパーフェクトオーダーが実現していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(3/28に記録した約6年7ヵ月ぶり高値125.11に向けて上昇するシナリオを想定)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(ハト派の急先鋒と見られていたブレイナードFRB理事がタカ派的なスタンスに転換したことや、米FOMC議事要旨で早期バランスシート圧縮開始と50bpの大幅利上げの方針が示されこと)や、A日銀による金融緩和の長期化観測(指値オペの実施や黒田総裁による円安容認発言)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に着目したドル買い・円売り)、Cロシア・ウクライナを巡る地政学的リスクの長期化懸念(対露制裁強化の思惑→市場心理悪化→VIX指数上昇→有事のドル買い)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の続伸をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米新規失業保険申請件数に加えて、セントルイス連銀ブラード総裁発言や、シカゴ連銀エバンズ総裁発言、アトランタ連銀ボスティック総裁発言、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言などに注目が集まります。米新規失業保険申請件数が改善を示す場合や、米当局者よりタカ派的な発言が相次ぐ場合などには、米金利上昇→米ドル高の経路で、ドル円には強い上昇圧力が加わるものと推察されます。本日海外時間はドル円相場のアップサイドリスクに特に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:123.25ー124.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米長期金利上昇を横目に一時124円の大台回復。続伸リスクに要警戒

ドル円日足

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