ボラ高く、荒っぽい変動続く可能性も(3/30夕)

30日の東京市場はドルが弱含み。一時121.30円台と、東京だけで2円近くにも及ぶかなり大きな下げを記録した局面も観測されている。

ボラ高く、荒っぽい変動続く可能性も(3/30夕)

ボラ高く、荒っぽい変動続く可能性も

〇本日のドル円、日中安値121.30円台へ一時値を下げる、16時現在121.95-00で推移
〇1か月強で10円のドル高進行、中期的には15年6月125.86目指す展開
〇円安進行への警戒感台頭、露ウクライナ停戦交渉進展が調整の動き後押し
〇本日は米3月ADP雇用統計、10-12月期GDP統計確報、欧米中銀関係者ら講演予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは120.70-122.50、122.00-20レベルが弱い抵抗
〇ドル安・円高方向は本日東京安値121.30-35の攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

30日の東京市場はドルが弱含み。一時121.30円台と、東京だけで2円近くにも及ぶかなり大きな下げを記録した局面も観測されている。

ドル/円は122.90円前後で寄り付いたのち、しばらくはドルが底堅い。むしろ、一連の過程のなかで123.20円レベルへと小幅に値を上げてきた。しかし、その後は一転してドル売り・円買いが優勢になると、123円そして122円も割り込み一気に日中安値の121.30円台へ。そうしたなか「岸田首相と黒田日銀総裁が会談実施」などと伝えられたことで、警戒感も台頭し思惑が交錯。16時現在では安値から若干戻した121.95-00円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制」について。
前者は、実施されたウクライナ停戦交渉で予想以上ともいえる大きな動きがあった。実際にウクライナ交渉担当者からは「ロシアとウクライナの大統領会談開催への十分な進展があった」との発言も聞かれたほか、「ロシアがキエフ近郊の軍を大幅縮小へ」などとも伝えられている。しかし、バイデン米大統領は「ロシアがどういう行動を取るか見る必要がある」と慎重を期するコメント、また米国防総省報道官からは「ロシア軍の部隊移動は戦争からの撤退ではなく再配置」との発表も聞かれるなど、依然として油断は禁物かもしれない。

対して後者は、「黒田ライン」と言われる124円後半を一時上抜けた動きも一服しているが、円安の流れそのものは依然継続。そして当局は円安再燃の動きを警戒しているとの見方も少なくない。そのため、市場参加者も日本の政治家や当局筋の対応を注視しており、先で指摘した「岸田首相と黒田日銀総裁が会談実施」といったニュースに反応しやすくなっている感を否めない。ちなみに会談終了後、黒田氏から「為替はファンダメンタル反映し安定的推移が重要」などといった発言は聞かれているが、「円安は好ましくない」といったような口先介入は聞かれなかった。

<< 欧米市場の見通し >>

為替市場は連日大相場。昨日もドル/円やポンド/円は一日で2円を超える変動となったほか、円の絡まないユーロ/ドルやポンド/ドルなども100ポイント超の値幅を記録している。また本日の東京時間もその流れを継ぎ、ドル/円はすでに1.90円ほどとかなり大きな乱高下だ。1ヵ月強で10円ものドル高・円安が一時進行しただけに、足もとはその調整の動きが続くのか否か、このあとも荒っぽい価格変動が続く可能性もある。
「利上げに消極的な日本」と「積極的な米国」という日米両国の金融政策の違いを背景にしたドル高・円安基調に変化なし。しかしながら、急スピードでの円安進行への警戒感が台頭しているうえ、先でも取り上げた「ウクライナ停戦交渉での進展」などが調整の動きを後押ししている感を否めない。また、本日そして明日に掛けては月末や本邦期末にともなう駆け込み的な需給要因などにも要注意だ。実際、本日の東京仲値は珍しく「ドル余剰だった」と言われており、ドル/円が下落した一因とも。

テクニカルに見た場合、ドル/円の中期的なドル高の流れ、2015年6月の125.86円を目指す展開に変更はなさそうだ。しかし、短期的にはドルの上値トライも仕切り直し。むしろドル安方向への動きが要注意かもしれない。
ちなみに、一連のドル高の起点を2月24日安値114.41円としたフィボナッチで考えると、23.6%押しは122.55-60円で昨日割り込んでおり、次のターゲットは38.2%押しの121円レベル。若干遠い気もするが、最近市場ボラティリティが高いだけに意外に早く到達する可能性も。

材料的に見た場合、中長期的にはロシアのラブロフ外相がただいま訪中しており、今後の動きならびに中国側の対応も気になる「中国情勢」、昨日米CDCが「国内コロナ感染の過半数以上がBA.2などのオミクロン亜種」と発表し物議を醸す「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場」−−などに注目。

一方、本日は米経済指標として、3月のADP雇用統計や10-12月期のGDP統計確報が発表されるほか、欧米の中銀総裁や関係者らによる講演等の発言機会も少なくない。なお、トルコで行われ当初は30日までとされていた「ウクライナ停戦交渉」は、昨29日だけで終わりになったもようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは120.70-122.50円。122.00-20円レベルが弱い抵抗で、抜ければ本日東京高値123.20円レベルまでの戻りがあっても不思議はなさそうだ。
対するドル安・円高方向は、まず本日東京安値121.30-35円の攻防に注目。割り込めばフィボナッチポイントでもある121円前後がターゲットに。

ボラ高く、荒っぽい変動続く可能性も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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