ドル円、約1週間ぶり安値圏へと大幅続落。値動きの荒い相場展開が継続中(3/31朝)

30日(水)のドル円相場は乱高下。

ドル円、約1週間ぶり安値圏へと大幅続落。値動きの荒い相場展開が継続中(3/31朝)

ドル円、約1週間ぶり安値圏へと大幅続落。値動きの荒い相場展開が継続中

〇ドル円、アジア時間に121.32まで急落後持ち直し、海外時間は121円台後半の取引
〇ユーロドル、米金利低下、ウクライナ情勢への楽観と欧州経済への悲観後退に1.11台を堅調推移
〇ドル円急落するも、テクニカルの地合い強く、下落余地は乏しいか
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違い、本邦貿易赤字拡大懸念等上昇材料多い
〇引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:121.00ー123.00

海外時間のレビュー

30日(水)のドル円相場は乱高下。@5・10日要因に伴うドル買い・円売り(本邦仲値に係るドル不足の思惑)や、A日銀による長期国債買入れに係るオファー日程の追加およびオファー金額の増額発表、B上記Aを背景とした日米金融政策の方向性の違いが支援材料となり、アジア時間朝方にかけて、高値123.19まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、C上値の重さを嫌気した短期筋の見切り売り(利食い売り)や、D政府・当局者による円安牽制の思惑、E日経平均株価の下げ幅拡大(リスク回避の円買い)、F対ユーロでのドル売り圧力が重石となり、日本時間正午にかけて、安値121.32まで急落しました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると(3/25安値121.18をバックにした押し目買いが支えとなると)、G円金利低下に伴う円売り圧力や、H原油価格反発に伴う本邦貿易赤字の拡大懸念、I米経済指標の底堅い結果(米3月ADP雇用統計など)が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間3/31午前5時00分現在)では、121.81前後で推移しております。

30日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。@米金利低下に伴うドル売り圧力や、Aロシア・ウクライナを巡る停戦期待(トルコで開催された停戦協議で一定の進展あり)、B欧州経済の過度な悲観論の後退(地政学的リスク後退→エネルギー価格の低下期待→スタグフレーション懸念後退)、C欧州当局者による相次ぐタカ派的な発言(エストニア中銀ミュラー総裁やスロバキア中銀カジミール総裁によるタカ派的な発言→年後半にかけての利上げ観測→欧州債利回り上昇→ユーロ買い)、DラガルドECB総裁による「ユーロ圏ではスタグフレーションの証拠は見受けられない」との楽観的な発言、

E欧州経済指標の良好な結果(ユーロ圏3月経済信頼感指数、同サービス業信頼感指数、同鉱工業信頼感指数など)が支援材料となり、米国時間にかけて、3/1以来、約1ヵ月ぶり高値となる1.1171まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/31午前5時00分現在)では、1.1153前後で推移しております。尚、ロシア大統領府は「ウクライナとの交渉に急展開はなく、多くの作業が残っている」との悲観的な言及を行いましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は週初(3/28)に記録した約6年7ヵ月ぶり高値(2015年8月12日以来)125.08をトップに反落に転じると、昨日は一時121.32まで急落しました(わずか2日間で▲3.76円の急落劇)。但し、日足・週足・月足の全てにおいて強い買いシグナルが継続していることなどを踏まえると、テクニカル的に見て、続落余地は乏しいと判断できます(この2日間の下落はあくまで急ピッチで進んだドル高・円安の反動の範囲内。上昇トレンドの過程で見られる一時的なポジション調整と整理できることから、一巡後は再び上昇に転じる可能性大)。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(5月FOMCでの大幅利上げ+早期バランスシート圧縮開始)や、A日銀による金融緩和の長期化観測(金融緩和継続+円安容認)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大に着目したドル高・円安)、

C本邦貿易赤字の拡大懸念(円売り圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米国時間に発表される米2月PCEデフレータや、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁発言に加えて、日米の月末フローに注目が集まります。米FRBが重視する米2月PCEデフレータが市場予想を上回る場合や、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁よりタカ派的な発言が見られる場合などには、米金利上昇→米ドル高の経路でドル円が再び反発に転じる可能性が警戒されるため、本日海外時間はドル円のアップサイドリスクに特に注意が必要でしょう。但し、月末・四半期末は日米共にトリッキーな動きをする傾向にあるため、日本時間9時55分に予定されている本邦期末公表相場や、日本時間24時00分に予定されている四半期末ロンドンフィキシングに絡む乱高下にも警戒が必要です(本日もボラティリティの高い相場展開を想定)。

本日の予想レンジ:121.00ー123.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、約1週間ぶり安値圏へと大幅続落。値動きの荒い相場展開が継続中

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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