円安基調続くも、ドル/円は基本強保ち合い(3/29夕)

29日の東京市場は乱高下。ドル/円は124円を挟む1円強とやや広めのレンジで、かなり激しい上下動をたどっている。

円安基調続くも、ドル/円は基本強保ち合い(3/29夕)

円安基調続くも、ドル/円は基本強保ち合い

〇本日のドル円、123.90前後で寄り付き、124円を挟む1円強のレンジで激しく上下に振れる展開
〇昨日2015年8月以来の125円台を示現、日本の政府要人や官僚から「円安けん制発言」相次ぐ
〇引き続きドル高・円安基調だが、目先は123-124円台といった広いレンジで一進一退の可能性
〇仮に昨日高値125.10を超えるなら、2015年6月の125.86が現実的なターゲット
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ123.10-124.50、本日東京高値124.30レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、123.10台の攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

29日の東京市場は乱高下。ドル/円は124円を挟む1円強とやや広めのレンジで、かなり激しい上下動をたどっている。

ドル/円は123.90円前後で寄り付いたものの、値動きは落ち着かない。日本の政府要人や官僚から複数の「口先介入」も聞かれるなか、「124.20円→123.30円→124.30円→123.15円」などと、上下に振れる激しいジェットコースター相場となった。大引けに向けた16時現在では123.40円前後で推移し、欧米市場を迎えている。
なお、こうした乱高下はドル/円以外、円絡みのクロスでもおおむね同様。ユーロ/円やポンド/円も東京だけで1円を超える上下動をたどるなか、円がやや小高い。

一方、材料的に注視されていたものは、「ロシア情勢」と「円安けん制発言」について。
前者は、ロイターが「28日開始」と報じていた停戦交渉は29日開始となり、昨日は始まらず。そうしたなか、ウクライナ大統領から停戦交渉へ、「NATO加盟断念」など一部条件付きの譲歩コメントが聞かれていた。本日の交渉で果たして目に見える大きな進展となるのか否か、まずは注目だ。ただロシア大統領府のペスコフ報道官は、米公共放送PBSのインタビューに応じ、「ロシアが核兵器を使用するのは国家の存在が脅かされる場合のみ」などと、再び核使用の可能性をチラつかせるなど、依然として油断は禁物だろう。

対して後者は、これまであまり取り沙汰されてこなかったが、昨日一時的とはいえ3円を超えるドル高・円安が進行したこともあり、さすがに本日は要人の「口先介入」が相次いでいた。たとえば松野官房長官は「為替の急速な変動は望ましくない」、鈴木財務相「悪い円安にならないようしっかり注視」、神田財務官「為替問題は日米で緊密に連携」などのほか、桜田経済同友会代表幹事は「現在の円安水準が適切だとはとても思えない」と不快感を滲ませたコメントを発していたという。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は年初来2ヵ月でわずか2.88円しか動かなかったものが、昨日は一日で実に3.1円の変動。一時2015年8月以来の125円台も示現している。リスクという意味では引き続きドル高・円安方向にバイアスがかかるものの、昨日から本日東京の動意を見ると、短期的な天井をつけたといった見方も取り沙汰されていた。ドルは底堅いものの、上値も重く上げ渋る展開をたどる可能性もある。
金利差が市場変動要因のすべてではないとはいえ、「利上げに消極的な日本」と「積極的な米国」という両国の金融政策の違いを背景にしたドル高・円安基調は変わらず。ただ、円安進行スピードの速さもあり、前述したように本日東京では政府要人などから「円安けん制発言」が相次ぐ格好となっている。多少なりとも当局者らの「顔を立てる」意味もあり、本日中のドル高値更新は見送られる気もしないではない。ただ、仮にそうだとしても飽くまで一時的な休息に過ぎず、次なる動意や月末特有の水面下における攻防などには要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は昨日欧米時間に125円台を付けるも、そののち2円近い振り落としが観測されたほか、先でも指摘したように本日東京もかなり荒っぽい値動きだ。ひょっとすると、価格では時間的な調整、つまり、目先は123-124円台のややワイドなレンジのなかでの一進一退をたどる可能性もある。
しかしながら、昨日高値125.10円を仮に超えるようだと、2015年6月の125.86円が現実的なターゲットとして意識されそうだ。

材料的に見た場合、中長期的には日経新聞が「間隙を突く格好で、東シナ海と南シナ海で攻勢を強める」と報じ一部で物議を醸した「中国情勢」、昨日観測された停戦合意期待を背景とした調整の動きが続くか否か注目される「エネルギー・穀物相場」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月のS&Pケースシラー住宅価格指数や3月の消費者信頼感指数などが発表されるほか、米財務省による7年債の入札等も実施される見込みだ。またトルコで行われるウクライナ停戦交渉の行方などにも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは123.10-124.50円。本日東京高値にあたる124.30円レベルが最初の抵抗。ただ超えても、昨日高値125.10円までは続伸は果たしてどうか。
対するドル安・円高方向は、昨日NYに続き本日東京でも下げ止まった123.10円台の攻防にまずは注目。割り込めば当然122円台突入が予想されるものの、大崩れまでは至らないかもしれない。

円安基調続くも、ドル/円は基本強保ち合い

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る