ドル円121円台後半、高値更新後に反落
25日午前の東京市場でドル円は高値圏での横ばい後に値を下げる動き。朝方、122.35レベルの高値圏で取引の始まったドル円は、9時前に昨晩海外時間の高値をわずかに上回る122.44をつけて年初来高値を更新しましたが、直後に反落。実需とみられるドル売りも出て、一時121.72の安値をつけた後、東京時間正午現在は121.80レベルで取引されています。
日経平均株価は、昨晩海外市場で米株価が持ち直したことを受けて買い先行で始まりましたが、高値警戒感からの売りも出て、前日終値を挟んでの一進一退となりました。素材、エネルギー系が買われる反面通信系が売られ、48円安で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では発表された週間の米新規失業保険申請件数が1969年以来53年ぶりの低水準となったことなどが好感され、景気先行きへの不安感の後退から米株価が反発しています。ドル円も東京終盤の121円台半ばからじりじりと値を上げて、米国時間におよそ6年3か月ぶりの高値122.41まで上伸、そのまま高値圏の122.35で東京時間につなぎました。
テクニカルにはドル円は、既に14営業日下値を切り上げる非常に強いドル買い地合い。2015年6月の高値125.86までレジスタンスらしいレジスタンスも見当たらない状況です。一方でさすがに一方向でのドル買いが続いていることから高値警戒感からの調整の動きも出やすくなっており、また、コロナ禍で通常ほどではないにしろ、期末に向けての企業の資金還流のドル売り動きもこの水準では強まる可能性もあります。本日の反落でどのあたりまで下押すか注目されます。
尚、本日午前、日銀の黒田総裁は衆議院の財務金融委員会での質疑で最近の円安について、「ファンダメンタルズを反映して安定推移が望ましい」「為替動向を注視する」などと発言。これがドル円の反落を誘った形となった部分もありました。一方で、「円安で円に対する信認が失われたわけでは無い」、「最近の円安は輸入企業のドル買いや米金利上昇などが背景との説も」ともコメントもしており、さらにコストプッシュ型のインフレは物価2%の安定にはつながらないとして、強力な金融緩和を継続する方針を再度確認しています。また、同委員会では鈴木財務相も為替の変動は望ましくなく、緊張感をもって注視する旨発言しています。
ドル円日足
ドル円月足
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