トルコリラ円見通し 円安進行で8.20円台回復、3月10日からの持ち直し続く(22/3/25)

ドル円の急伸が続いていることでトルコリラ円も終値ベースでは4連騰となった。

トルコリラ円見通し 円安進行で8.20円台回復、3月10日からの持ち直し続く(22/3/25)

トルコリラ円見通し 円安進行で8.20円台回復、3月10日からの持ち直し続く

〇トルコリラ円、3/25早朝の終値8.24、ドル円の急伸続きトルコリラ円も終値ベースで4連騰
〇対ドル、3/24は14.87から14.69の取引レンジ、安値を徐々に切り下げつつ持ち合いの推移
〇トルコリラ円は概ね3〜4か月周期の底打ちサイクル、3/11安値で底を付けた可能性
〇8.20以上での推移中は上昇余地ありとし、8.26超えからは8.30を目指す可能性があるとみる
〇8.20割れからは下向きとして、8.15前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の3月24日は8.25円から8.14円の取引レンジ、25日早朝の終値は8.24円で前日終値の8.16円からは0.08円の円安リラ高だった。
対ドルでは安値を若干切り下げつつ持ち合いの推移だが、ドル円の急伸が続いていることでトルコリラ円も終値ベースでは4連騰となった。
ウクライナ情勢を意識して2月24日の一時的な急落で7.77円へ下落し、いったん戻したところから3月10日安値7.76円へ下落したが、ウクライナ情勢の混迷は続いているもののドル円の急伸をはじめクロス円全般の上昇にトルコリラ円も押し上げられている。
3月24日の20時半に発表された外貨準備高(3/18時点)はグロスで665.0億ドルとなり前週の653.4億ドルから増加、ネットでは172.0億ドルとなり前週の158.6億ドルから増加したが、市場の反応は限定的だった。

【ドル/トルコリラ動向 安値を切り下げつつ持ち合いを継続】

ドル/トルコリラの3月24日は14.87リラから14.69リラの取引レンジ、25日早朝の終値は14.81リラで前日終値の14.83リラからは0.02円のドル安リラ高だった。
ウクライナ情勢を背景に3月11日に14.99リラ(ベンダーによっては15.04リラ)へ下落した後は14.70リラ台では戻り売りにつかまり14.80ドル台中盤では買い戻される持ち合いが続いており、24日は終値ベースでは若干のドル安リラ高だったものの、18日以降は21日、22日、24日と安値が徐々に切り下がっている。

米連銀高官による金融引き締め姿勢の強化が目立つ中で米長期債利回りが上昇、主要国の長期債利回りも上昇しているが、ECBや日銀が引き締め姿勢への転換に手間取っているものの英、カナダ、NZ等の利上げが先行し、新興国の利上げも相次いでいる。
3月24日はメキシコ中銀が政策金利を0.50%引き上げて6.50%としたが、利上げは7会合連続。南ア中銀も政策金利を0.25%引き上げて4.25%としたが利上げは3会合連続。ノルウェー中銀も政策金利を0.25%引き上げて0.75%としたが昨年9月から3度目の利上げとなっている。
こうした中でトルコ中銀は9月から12月までの4会合連続での利下げの後は1-3月期を様子見として現状維持を続けているものの、エルドアン大統領を筆頭に利下げをしたい姿勢に変わりはないため、トルコ10年債利回り等の高水準による下支えはあるものの中銀スタンスのズレが意識される状況にあり、下げ渋り型の持ち合いをいつまで継続できるのか試されるところだ。

【3〜4か月周期での底打ちで戻りを試す】

円安が一段と加速していることでトルコリラ円は上昇している。
トルコリラ円の日足チャートでは概ね3か月から4か月周期の底打ちサイクルが見られる。2020年11月6日底以降では、4か月目の2021年3月6日、3か月目の同年6月2日、3か月半の同年9月27日、同年12月20日の史上最安値6.17円と底打ちしており、12月20日安値から3か月目となる3月11日安値でこの周期の底を付けた可能性がある。
このサイクルは2セットで推移することが多いため、あくまでも3月11日安値からはリバウンドに入るところという意味合いであり、現状より積極的なリラ買い材料が出てこない限りはいずれ戻り売りにつかまりやすい反発の範囲と考え、3月11日安値を割り込む場合は次の底打ち期となる6月中旬から8月前半にかけての間へ安値試しが続いて史上最安値を試す可能性が高まるのではないかとも考えられる。

4会合連続の利下げにより一層インフレが深刻化した状況の中で1-3月期は利下げを見送ってきたが、様子見期間を終了した状況でエルドアン政権及び中銀がどのような姿勢を示すのか、また外部要因としては地政学的に近いウクライナ情勢がどうなるのかにより、3月11日からのリバウンドの継続性が試されるのだろうと考える。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、3月17日朝高値から4日目となる23日午前高値で直近のサイクルトップを付けて下落したものの23日夜安値から持ち直したために24日午前時点では23日午前高値を上抜き返す場合は新たな強気サイクル入りとした。
25日早朝へ一段高しているので、23日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして28日午前から30日午前にかけての間への上昇を想定する。8.20円割れからは弱気転換注意として8.10円台前半への下落へ向かう可能性があると注意する。

60分足の一目均衡表では、3月24日の上昇で遅行スパンが再び好転、先行スパンを上回った状況を維持しているため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、次に遅行スパンが悪化するところからは下げに入るとみて安値試し優先とし、その際は先行スパンの上下限を試すとみる。

60分足の相対力指数は3月24日夜に70ポイント台へ到達してから60ポイントまで失速している。50ポイント以上での推移中は70ポイント超えから上昇再開とするが、50ポイント割れからは下落期入りとみて40ポイント割れを目指すとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、8.20円を下値支持線、8.26円を上値抵抗線とする。
(2)8.20円以上での推移中は上昇余地ありとし、8.26円超えからは8.30円を目指す可能性があるとみる。8.27円以上は反落警戒圏とするが、8.20円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)8.20円割れからは下向きとして8.15円前後への下落を想定する。8.15円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、8.20円以下での推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

3月25日
 16:00 3月 製造業景況感 (2月 109.8)
 16:00 3月 設備稼働率 (2月 76.6%)
3月31日
 16:00 2月 貿易収支 (1月 -102.6億ドル)
 16:00 3月 経済信頼感指数 (2月 98.2)
 20:30 週次 外貨準備高
4月01日
 16:00 3月 イスタンブール製造業PMI (2月 50.4)
4月04日
 16:00 3月 消費者物価指数 前月比 (2月 4.81%)
 16:00 3月 消費者物価指数 前年同月比 (2月 54.44%)
 16:00 3月 消費者物価コア指数 前月比 (2月 3.8%)
 16:00 3月 消費者物価コア指数 前年同月比 (2月 44.%)
 16:00 3月 生産者物価指数 前月比 (2月 7.22%)
 16:00 3月 生産者物価指数 前年同月比 (2月 105.01%)



注:ポイント要約は編集部

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