円安止まらず、ただ要人の「牽制」にも注意(3/23夕)

23日の東京市場でドルは続伸。前日にはワンタッチしたに過ぎなかった121円台へと「しっかり」乗せてきている。

円安止まらず、ただ要人の「牽制」にも注意(3/23夕)

円安止まらず、ただ要人の「牽制」にも注意

〇本日のドル円、121.40レベルまで上昇後反落、16時現在121.10-15で推移
〇円安急進、鈴木財務相「急激な為替変動望ましくない」、今後の要人発言注視
〇本日18時から日本国会にて、ウクライナ大統領によるオンライン演説
〇欧米時間のドル/円予想レンジは120.50-121.60、121.40レベルをめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は120.80レベルが最初のサポート

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場でドルは続伸。前日にはワンタッチしたに過ぎなかった121円台へと「しっかり」乗せてきている。

ドル/円は120.80円で寄り付いたのち、なかなか激しい値動き。クロスも含めた円全面安の流れのなか、前日高値121.03円を超え、121.40円レベルまで値を上げたものの、調整と思しき動きもありドルは突然の急反落となった。寄り付きレベルまでの「行って来い」をたどっている。しかし、大崩れはせずに120.80円台で切り返すと、その後は121円挟みの一進一退に。16時現在では121.10-15円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、ロシアとウクライナによる停戦協議が遅々として進まないなか、ロシア軍の侵攻は着々と行われている。そうしたなか、市場筋のあいだでも注視されていることのひとつが、ロシアによる核や化学・生物兵器の使用について。ちなみに、そのうち核兵器については、「ペスコフ報道官が自国の存在が脅かされた場合にのみ核兵器を使用すると述べた」(米CNN)という。なお、本日はこのあと18時から、日本の国会でウクライナ大統領による演説がオンライン形式で行われる。どういった発言をするのかに注目だ。

対して後者は、日本をはじめ多くの国が新型コロナとの共生共存へと切り替える政策を表明するなか、米国では再び感染者が増え始めているとして一部で懸念されているようだ。ブルームバーグは、米CDCのデータをもとに「オミクロン変異株の派生型、米国でも拡大傾向」などと報じていた。また米国では、政府要人であるホワイトハウスのサキ報道官や、ヒラリー・クリントン元国務長官のコロナ罹患も伝えられている。「終わった過去のもの」のように考えることはまだまだ早計であるのかもしれない。

<< 欧米市場の見通し >>

為替市場における円全面安の動きが止まらない。ドル/円は先週そして先々週と2週続けて1週間に2円を超えるドル高・円安が進展しているが、今週はここまでですでに2円を超える円安進行になる。120円を超えてから、さらに円安のスピードが上がっている感も否めないだろう。改めて指摘するまでもなく、ポジションの偏りは気掛かりではあるものの、さらなるドル高の進行を警戒する向きは少なくない。
5月の米FOMCで「0.5%の金利引き上げ」見通しも声高に指摘され始めると、日米の金融政策の違いが改めてクローズアップされ、ドル高・円安の支援要因となっている。そして、基調としてのドル高傾向はまだしばらく続く見込みだ。ただし、前述したようにここ最近、あまりにドル高・円安スピードが速いことで、日本の政府筋などから軽めの「口先介入」と思しき発言が聞かれはじめたことには一応要注意。たとえば、昨日は鈴木財務相から「為替の急激な変動は望ましくない」、「円相場の動向を注視」との発言が発せられていた。

テクニカルに見た場合、上方向のテクニカルポイントを次々に上抜けてきたドル/円は、本日東京時間に121.40円台へ。やや遠めのターゲットと目された2016年1月高値の121.70円が、すでに射程距離のなかに捉えられてきたことは間違いなさそう。ちなみに、121.70円を抜けると122-123円台などにそれほど大きな抵抗はないことで、再び軽い青天井となる危険性も。果たして、どの程度でドルは天井を付けるのか、まったく読めない状況だ。

材料的に見た場合、中長期的にはパキスタンと共闘しロシア擁護の動きも観測されている「中国情勢」、米国のグランホルム・エネルギー長官がIEA閣僚理を前に「エネルギー供給確保へ各国で協調」との考えを示していた「エネルギー・穀物相場への懸念」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。

一方、本日は米経済指標として、2月の新築住宅販売件数が発表されるほか、米財務省による20年債の入札が実施される見込みだ。さらに、サンフランシスコ連銀総裁によるイベント参加や、先で取り上げたウクライナ大統領による日本の国会でのオンライン演説などにも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは120.50-121.60円。本日東京高値121.40円レベルをめぐる攻防にまずは注目。抜けると121.70円、そして122円を目指す動きも。
対するドル安・円高方向は、東京で高値を付けた後につけた安値120.80円レベルが最初のサポートに。また120.40円レベルなども弱いサポートで、短期的に見た場合、119円台は幾分遠くなった印象。

円安止まらず、ただ要人の「牽制」にも注意

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る