6年ぶりの120円台、さらなるドル続伸もあるか(3/22夕)

22日の東京市場はドルが一段高。2016年2月以来となる120円台を回復し、そのままドルは高値圏での推移となった。

6年ぶりの120円台、さらなるドル続伸もあるか(3/22夕)

6年ぶりの120円台、さらなるドル続伸もあるか

〇本日のドル円、ドルが一段高、2016年2月以来となる120円台を回復、そのまま高値圏で推移
〇為替市場において円全面安の動き、ドル/円は120円台を「しっかり」と回復
〇米利上げ思惑さらに強まる、日米の金融政策の違いが注目されドル高基調はまだしばらく続くか
〇強いテクニカルポイントは2016年1月高値121.70、現実的な上値メドとして捉えられる
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは119.90-120.90、本日東京高値120円半ばをめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は120円レベルがサポートになるのか注視される

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はドルが一段高。2016年2月以来となる120円台を回復し、そのままドルは高値圏での推移となった。

ドル/円は寄り付いた119円半ばを日中安値に買い先行。ただ、一時120円台を示現したのち、最初は上げ渋ると再び119円台へと振り落とされる局面も観測されていた。しかし、そののちドルは120円乗せに再チャレンジ。その際には、分厚いオファーを呑み込みつつ、ストップロスを巻き込み一気に120円半ば近くまで急伸。そのまま16時現在でも120.40-45円、ドルは高値圏で推移したまま、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、トータルでは5度目になるのか、ロシアとウクライナが1時間半にも及ぶ停戦協議を行うも「大きな進展はなし」。そうしたなか、ウクライナ国防相からは「ロシアを止めなければ今後他国も攻撃する」、ウクライナ大統領は「降伏要求に決して屈しない」との発言が聞かれるなど、ウクライナを取り巻く環境は停戦どころか、むしろ厳しさを増しつつあるようにも感じられる。なお、バイデン氏をはじめとする米英仏独伊の首脳が電話協議を行い、「ロシアの残忍な戦術に深刻な懸念」が示されていた。
対して後者は、先週の米FOMCで「年内に合計7回利上げ実施」の可能性が取り沙汰されるなか、昨日は米金融大手のゴールドマンサックスが「5月と6月、2ヵ月連続の0.5%利上げ」との見通しを発表し話題に。また、パウエルFRB議長も実施した講演で、「必要なら5月に0.5%利上げする用意がある」との考えを示し、物議を醸していたようだ。仮に、一回の会合で0.5%の利上げが実施された場合には、2000年以来のことになる。

<< 欧米市場の見通し >>

為替市場における円全面安の動きが止まらない。ドル/円は本日東京で最初に120円台を付けたのち小緩んで押し戻された際には、ようやく調整局面入りかと思ったのだが、舌の根も乾かぬうちに反転高をたどると、本稿執筆段階では120円台を「しっかり」と回復している。度々指摘しているように、ポジションの偏りは気掛かりではあるものの、リスクはドル高で間違いなく、続伸を期待する声も少なくない。強いテクニカルポイントとなると、121.70円となるだけに、ドルはそのレベルに向けてさらに上値を試す可能性もある。
日米の金融政策の違いが改めてクローズアップされている。日本は利上げなど夢のまた夢である反面、米国はインフレ懸念もあり、前述したように米利上げ思惑がさらに強まりつつあるのだろう。昨日NYダウが200ドル強下落するなど、米株がやや冴えないところは気掛かり。ただ今後ダメージが限られたものにとどまれば、ドル高基調そのものはまだしばらく続くことになりそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円の2016年2月以来の120円台乗せ。本日を含め、上方向のテクニカルポイントを次々に上抜け、2016年1月高値の121.70円も現実的な上値メドとして視界内に捉えられてきた。ポジションの偏りは各所で取り沙汰されるが、「もうはまだなり、まだはもうなり」。警戒する向きが多いうちは下がらず、忘れたころに本格調整を迎えることになる可能性もある。

材料的に見た場合、中長期的には今後「欧米諸国vs中露北」などという構図がさらに強まりそうな感もある「中国情勢」、昨日サウジが「石油施設の攻撃を受け生産能力に影響が及んでいる」と指摘したことにも注意したい「エネルギー・穀物相場への懸念」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月のリッチモンド連銀製造業指数が発表されるほか、引き続き米欧の中銀関係者などによる講演が相次ぎ予定されている。引き続き注意を払いたいところだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは119.90-120.90円。本日東京高値120円半ばをめぐる攻防にまずは注目。抜けると121円前後を目指すか。
対するドル安・円高方向は、これまで心理的な意味も含めて抵抗だった120円レベルが今度はサポートになるのかが注視されている。ただし、割り込んでもサポートは多く、取り敢えずは底堅そう。

6年ぶりの120円台、さらなるドル続伸もあるか

ドル円日足


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