ドル円約6年ぶりの120円乗せ、日米金利差拡大ペース加速観測に
22日午前の東京市場でドル円は急上昇。朝方、119.47レベルで取引の始まったドル円は、本邦祝日中に大きく上げた米長期金利が東京市場でさらに上昇したことを受けて急伸。3連休明けの東京勢の実需の買いも相まって10時前に120円台に到達、一時2016年2月以来約6年1か月ぶり高値となる120.07をつけました。しかし120円台の滞空時間は短く、その後は119.80台から90台の高値圏でもみ合い、東京時間正午現在は119.90レベルで取引されています。
連休明けの日経平均株価は円安進行を好感し、また、昨晩下げたものの本邦連休前比では米株が堅調を維持していることもあり、買いが先行しました。途中米金利上昇と米株先物の下落に一旦値を下げる場面もありましたが、持ち直し、415円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、パウエルFRB議長が全米企業エコノミスト協会の講演で、今後のFOMCにおいて1会合0.25%以上引き上げる可能性に言及。質疑応答で議長は5月のFOMC会合での0.5%の利上げの可能性も否定せず、前回FOMC後の記者会見時よりも、利上げの必要性に切迫感を感じさせる内容が市場のサプライズとなりました。
これを受けて、米主要株価指数は軟調に推移し、米長期金利は10年債利回りで2.31%台まで上昇。ドル円は米金利上昇を受けて東京時間の119.20中心の横ばいから119.50まで値を上げ、119.47レベルで東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、当面のレジスタンスと見ていた119.53(2015年6月高値125.86から2016年6月安値99.02までの下落の76.4%戻し)を上抜け、各種の中期上昇チャネルの上限も突破済み。ここから先は2015年6月高値125.86までレジスタンスらしいレジスタンスが見つからない、強いドル買い地合いです。
中長期でドル円の水準を決める最も重要な要素の一つである日米両国の金利差、あるいは将来の両国金利差への「期待」が今月大きく変化しています。日銀は今回の政策決定会合で予想以上に粘り強い金融緩和維持の方向性(と円安容認姿勢)を示し、米FRBは今回FOMCでの0.25%の利上げと年内7回利上げの予想に加え、それ以降もFRB関係者がタカ派発言を続ける等、両国の金利差に拡大方向のサプライズが続き、ドル買い円売りが加速しています。
120円到達の達成感、高値警戒感(含む当局の口先介入等)も考慮する必要があり、本日すぐに一段のドル円上昇が進むかは海外勢の出方次第といった感じです。ただ、金利の大きな地殻変動に対して、ドル円の数円程度の動きは誤差の範囲内。仮に市場が織り込みすぎたと考えても戻りは限定的と思われますが、ドル買い円売り方向に動きが加速した場合、値幅は想定しづらい状況です。本日午後以降は120円の攻防と、特にドル円上昇方向の動きに要注意です。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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