市場の関心は米FOMCへ、ドル底堅そう(3/15夕)

15日の東京市場でドルはさらに続伸。値幅こそ狭かったが118円半ばに迫る展開で、ここ10日足らずのあいだのドル高進行は3円を超えている。

市場の関心は米FOMCへ、ドル底堅そう(3/15夕)

市場の関心は米FOMCへ、ドル底堅そう

〇本日のドル円、ドルがさらに続伸、一時118.10レベルへ値を崩すも前日高値を超える118.45前後へ上昇
〇調整らしい調整のないままドル続伸、2016年12月の118.66が現実的な抵抗として意識される
〇本日からはじまる米FOMCも注目、利上げ幅への見方は分かれるが利上げ実施そのものは織り込み済
〇本日、ロシア・ウクライナの4回目停戦交渉再開、進展期待強く改めて注視される
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは117.40-118.40、東京高値118.45レベルをめぐる攻防に注目
〇ドル安・円高方向は、心理サポートにもあたる118円が弱いサポート

<< 東京市場の動き >>

15日の東京市場でドルはさらに続伸。値幅こそ狭かったが118円半ばに迫る展開で、ここ10日足らずのあいだのドル高進行は3円を超えている。

ドル/円は118.20円前後を寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。一連の動きのなかで、118.10円レベルへとわずかに値を崩す局面も観測されていた。しかし、その後は逆にドルが小じっかり。ゴトー日仲値不足観測などもあり、前日高値を超える118.45円前後へと上昇。そのレベルではさすがに上げ渋るも下値はすでに堅く、16時現在では118.30-35円の高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、ロシアとウクライナのあいだで行われた4回目の停戦交渉は「一時休止」と発表され、期待していた市場筋は肩透かしに。ただ、15日に再会談が行われる模様で、こちらが改めて注視されている。なお、そうしたなか引き続きロシアのウクライナ侵攻は着々と進んでいるようで、「ウクライナ北部リウネ州のテレビ塔を空爆」、「南部ザポロジエ原発の敷地内でロシアが弾薬を爆発させている」といった発表や報道が観測されていた。
対して後者は、産経新聞が「政府、『まん延防止措置』を大阪のぞく17都道府県で解除へ」と報じるなど、対応の遅れが取り沙汰されていた日本もようやく平時への舵取りが取り沙汰されるなか、逆に一歩先行していたはずの欧州で再び感染者が拡大し問題視されているようだ。ブルームバーグでは「ドイツのコロナ感染が再び急増」と指摘したうえで、オランダやオーストリア、スイスなどでも感染率が再び上昇していると報じていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円はついに118円台乗せ。そして本日東京時間には、さらに続伸し118.45円レベルへと達してきた。調整らしい調整のないままの上昇だというところは気掛かりではあるものの、リスクはドル高方向。中期的なドルの上値メドとされた2016年12月に記録した118.66円が、すでに現実的な抵抗として意識されているようだ。なお、仮に118.66円を超えた場合のターゲットは119円半ば、そしていよいよ120円を目指す。
ロシア軍による原発への攻撃など、ウクライナ情勢は依然として予断を許さないものの、市場はやや楽観的な見方をする向きが多いようだ。本日実施される「4回目の停戦交渉」に対する進展期待も強い。また、それとは別に本日からはじまる米FOMCも注視されると、引き上げ幅こそ見方がわかれているが、利上げの実施そのものは市場にほぼ100%織り込まれている。調整程度しかドルを積極的に売り込む要因が見当たらず、本日も基本的にはドルが底堅く推移しそうだ。

テクニカルに見た場合、ドル/円は一連ドル高進行を受け、中期的なターゲットと目された118.66円が、すでに現実的に上値メドとなっている。ちなみに、仮に118.66円を超えた場合のターゲットは119円半ばか。これは、2015年高値125.86円を起点に、2016年安値99円まで下落したことに対する76.4%戻しにあたる。それも超えれば、いよいよ120円台乗せも。
ただ、ポジションもだいぶ偏り始めていることから調整の動き、サポートとみられる117.30円近くまでの押しを懸念する声も聞かれていた。

材料的に見た場合、中長期的にはロシアへの武器支援など、昨日の米中高官会談でも示された「中露連携への懸念」が改めてクローズアップされている「中国情勢」、WSJ紙が報じたように深センなどのロックダウン拡大が世界経済に与える影響が取り沙汰されている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「エネルギー・穀物相場への懸念」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、3月のNY連銀製造業景況指数や2月の生産者物価が発表されるほか、16日までの日程でFOMCも開催される見込みだ。さらに、一日延長された「4回目の停戦交渉」や、イラン外相のロシア訪問なども予定されている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは117.40-118.40円。東京高値の118.45円レベルをめぐる攻防に注目。抜けると118.66円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、心理サポートにもあたる118円が弱いサポートで、割り込めば117円半ば、そして117.30円を目指す展開か。

市場の関心は米FOMCへ、ドル底堅そう

ドル円日足



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