ドル円、約5年2ヵ月ぶり高値圏へ続伸。本日は米FOMCがメインイベント
〇ドル円、FOMCのタカ派傾斜観測と米金利上昇、輸入実需にアジア時間に118.44まで上昇
〇その後、中国株、米株先物の大幅下落、米長期金利低下に117.71まで反落
〇売り一巡後米国時間に持ち直し、118.30近辺で推移
〇ユーロドル、欧州時間朝方にかけて、高値1.1020まで急伸するも伸び悩み1.0955前後で推移
〇ドル円、一時118.44を示現、約5年2ヵ月ぶり高値圏へと急伸、テクニカルの地合い「極めて強い」
〇本日、米FOMC要注視、タカ派色強まる場合には米長期金利上昇、米ドル高の展開か
〇本日の予想レンジ:117.50ー119.00
海外時間のレビュー
15日(火)のドル円相場は上昇後に反落。@米FOMCを控えた警戒感(予想以上にタカ派的になるとの思惑)や、A米長期金利上昇に伴うドル高圧力、Bロシア・ウクライナを巡る第4回停戦協議への期待感、C5・10日要因に伴うドル買い需要(本邦輸入企業による実需のドル買い)が支援材料となり、アジア時間にかけて、約5年2ヵ月ぶり高値となる118.44まで上昇しました。
しかし、2017年1月3日に記録した高値118.61や、2016年12月15日に記録した高値118.67をバックに伸び悩むと、D中国株や米株先物の大幅下落や、E上記Dを背景としたリスクオフ再燃(米債買い→米金利低下→米ドル売り)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値117.71まで反落する場面も見られました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、米国勢参入後に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間3/16午前5時00分現在)では118.30近辺で推移しております。尚、昨日発表された米2月生産者物価指数(結果0.8%、予想0.9%、※前月比)、米3月ニューヨーク連銀製造業景気指数(結果▲11.8、予想7.0)は共に市場予想を下回る結果となりましたが、ドル円相場への影響は限定的となりました。
15日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。@米金利上昇に伴うドル高圧力を背景に、アジア時間朝方にかけて、安値1.0931まで下げ幅を広げましたが、売り一巡後に下げ渋ると、Aロシア・ウクライナを巡る第4回停戦協議への期待感や、Bエネルギー価格下落に伴う欧州経済を巡る過度な悲観論の後退、C短期筋のショートカバーが支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1020まで急伸しました。もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、D欧州株の軟調推移や、Eドイツ3月ZEW景況感調査(結果▲39.3、予想10.0、前回54.3)の急低下(約2年ぶりとなるマイナス圏に落ち込む結果。調査開始以来最大の低下)、FドイツZEW研究所による「近い将来のスタグフレーションを予想」との見解発表、G米FOMCを控えた警戒感などが重石となり、本稿執筆時点(日本時間3/16午前5時00分現在)では、1.0955前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時118.44を示現するなど、約5年2ヵ月ぶり高値圏(2017年1月3日以来)へと急伸しました。主要テクニカルポイント(一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや短中長期移動平均線)を軒並み突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のパーフェクトオーダー、強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。こうした中、本日は今月のメインイベントでもある米FOMC(日本時間明朝午前3時00分発表)に注目が集まります(パウエルFRB議長記者会見は日本時間明朝午前3時30分開始予定)。
25bpの利上げ実施が市場コンセンサスとなっているものの、足元のエネルギー価格高騰を踏まえて、次回5月FOMCでの50bp利上げを示唆する場合や、ドットチャートでタカ派色が一段と強められる場合(利上げ見通しやインフレ見通しを大幅に引き上げる公算大)、バランスシート圧縮時期を明確化する場合などには、米長期金利上昇・米ドル高の流れに拍車がかかる展開が予想されます。状況次第では、2017年1月3日に記録した高値118.61や、2016年12月15日に記録した高値118.67を一気に上抜け、心理的節目120.00に向かって急伸するリスクもあり得ることから、本日海外時間はドル円のアップサイドリスク(パニック的なドル買いに波及する恐れ)に特に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:117.50ー119.00
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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