ドル/円は月間高値更新、続伸期待も大きい(3/9夕)

9日の東京市場は「行って来い」。一時月間のドル高値を更新、115.90円台へと値を上げるも続かなかった。

ドル/円は月間高値更新、続伸期待も大きい(3/9夕)

ドル/円は月間高値更新、続伸期待も大きい

〇本日のドル円、115.90-95まで一時値を上げる、月間高値示現後115.70レベルへ軟化
〇レンジ上限115.80上抜け、高値更新期待する声も
〇ウクライナ情勢、各国の経済的ダメージへ関心移行か、G7エネルギー相会合開催との報道あり
〇本日は1月雇用動態調査(JOLT)、米財務省10年債入札など予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.30-116.30、115.90-95が最初の抵抗

<< 東京市場の動き >>

9日の東京市場は「行って来い」。一時月間のドル高値を更新、115.90円台へと値を上げるも続かなかった。

ドル/円は、寄り付いた115.65-70円を日中安値にドル高推移。レンジ上限にあたる115.80円レベルを超えて115.90-95円まで一時値を上げている。しかし、日米株価の動きなどをにらみつつ一喜一憂の展開をたどると、ドル高基調も続かず。高値示現後はじりじりと値を崩すと115.70円レベルまで軟化し「行って来い」。16時現在では115.75円レベルで推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「資源や穀物高」について。
前者は、ロシアのウクライナ侵攻そのものは依然として続いているものの、状況的には停滞。そうしたなか、英紙タイムズがロシアの内部文書として「ウクライナ侵攻は完全な失敗」としたうえで、「ロシアは追い詰められている。勝利の選択肢はなく敗北のみだ」と報じ物議を醸していたようだ。なお、別途バイデン米大統領が「ロシア産原油とガス、エネルギーの輸入を禁止する」と発表したほか、英国からも同様の発表が聞かれていた。

対して後者は、前日にロシアのノワク副首相が、欧米がロシア産原油の輸入を禁止すれば「原油価格は1バレル=300ドルを超える水準に上昇する」などと発言したことが話題になったが、今度は中立的な立場であるエネルギー調査会社ライスタッド・エナジーが同様の条件下ならば「原油価格は1バレル=200ドルに上昇する」との見方を示していた。それもあり、日経新聞は「G7が10日にもエネルギー相会合を緊急開催する調整に入った」と指摘。また、G7議長国であるドイツは「11日にG7農相会合の開催」を表明、ウクライナ侵攻による世界の食料安保への影響や食品市況の安定化策を話し合うと発表している。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、昨日欧米時間にレンジ上限の115.80円をトライするも超えられず。ドルの上値トライは失敗に終わった感もうかがえるなか、本日東京時間の再トライで115.90-95円へと一時値を上げている。本稿執筆時は115.75-80円で、「しっかり抜けた」というには微妙なところだが、リスクがドル高方向に高いことは間違いなさそうだ。116円台を回復すれば、116.35円の年初来高値が視界内に。
市場参加者による、来週開催される米FOMCへの関心はかなり高い。利上げはほぼ確実ながら、問題は上げ幅で「0.25%」との見方と「0.5%」との見方で拮抗、来週の会合まで思惑の交錯した状況は続きそうだ。一方、ウクライナ情勢が引き続き市場の波乱要因であることは間違いないものの、「現地での戦闘云々」といった地政学リスクよりも、先でも取り上げたような侵攻や制裁措置発動によるエネルギー問題など、各国の経済的なダメージへと注目が移行しつつある感も否めない。そうした意味では開催されるとみられるG7エネルギー相会合にも一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル/円は過去3週間近く推移してきた114.40-115.80円のレンジ上限を一時上抜け。完全に抜けたと言えないものの、本日再び高値更新の動きを期待する向きも少なくない。本日東京高値を超えれば116円台回復が見込める半面、失敗に終わればなかなか大きな調整が入る可能性もある。4日安値114.65円を起点に時間足などはおおむね右肩上がりで、1円以上も上昇している。よって、本格調整なら115円前後までの押しは想定内か。

材料的に見た場合、中長期的には昨日実施された仏露首脳とのオンライン会談で習国家主席から「ロシア制裁への批判」も聞かれていた「中国情勢」、英オックスフォード大学の研究結果として「新型コロナが脳の萎縮や記憶障害の原因のひとつに」と伝えられ物議を醸す「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月の雇用動態調査(JOLT)が発表されるほか、米財務省による10年債の入札などが予定されている。そのほか、先でも指摘したG7エネルギー相会合や、ハリス米副大統領によるポーランドなど東欧訪問にも一応注意をしておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.30-116.30円。本日東京高値の115.90-95円が最初の抵抗。上抜けるといよいよ116円台回復、116.35円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、じりじり値を上げ足もとは115.30円前後に位置する移動平均の21日線が最初のサポートか。割り込むと115円割れ、4日安値の114.65円が再び意識されかねない。

ドル/円は月間高値更新、続伸期待も大きい

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る