ドル円、一時116円手前まで続伸。本日は米CPIとECB理事会に注目(3/10朝)

9日(水)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、一時116円手前まで続伸。本日は米CPIとECB理事会に注目(3/10朝)

ドル円、一時116円手前まで続伸。本日は米CPIとECB理事会に注目

〇ドル円、ウクライナ情勢への過度な警戒感の後退に、米国時間にかけて高値115.96まで急伸
〇エネルギー価格高騰に伴う米FRBによるタカ派傾斜観測もドル円を支援
〇ユーロドル、米国時間に高値1.1095まで急伸
〇ECBが景気下支えを目的とした大規模パッケージを発表するのではないかとの期待感もサポート
〇ドル円、2/24以降のレジスタンス115.70ー80ゾーンの上抜けに成功、テクニカルの地合い強い
〇本日、米2月消費者物価指数、トルコを含むロシア・ウクライナの三者外相会談に注目
〇ECB理事会はタカ派色の封印、資産購入プログラム終了延期、大規模パッケージ発表等の可能性
〇本日の予想レンジ:115.40ー116.40

海外時間のレビュー

9日(水)のドル円相場は堅調な値動き。@ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)への加盟を主張しない意向とのヘッドラインや、Aトルコを含めたロシア・ウクライナの3者外相会談および第4回目の停戦協議開催への期待感、B上記@Aを背景とした過度な警戒感の後退(米主要株価指数上昇→リスク選好のクロス円上昇→ドル円連れ高)、Cエネルギー価格高騰に伴う米FRBによるタカ派傾斜観測(インフレリスクの更なる昂進→3/15ー16に予定されている米FOMCでの大幅利上げ観測→米長期金利急上昇→米ドル高。米10年債利回りは週初に記録した1.66%をボトムに昨日は1.92%まで急上昇)などが支援材料となり、米国時間にかけて、高値115.96まで急伸しました。引けにかけて反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/10午前4時50分現在)では、115.85前後で推移しております。

9日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。@欧州連合が大規模な共同債を発行し、エネルギー価格高騰や防衛費の対応にあてることを検討しているとの前日の報道や、Aウクライナは北大西洋条約機構(NATO)への加盟を主張しない意向とのヘッドライン、Bトルコを含めたロシア・ウクライナの3者外相会談および第4回目の停戦協議開催への期待感、CECB理事会を控えた警戒感(ECBが景気下支えを目的とした大規模パッケージを発表するのではないかとの期待感)、D欧州株の全面高、E短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間にかけて、高値1.1095まで急伸しました(アジア時間に記録した日通し安値から200ポイントの急上昇)。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3/10午前4時50分現在)では、1.1075前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円はロシアがウクライナに侵攻した2/24に記録した安値114.40をボトムに反発に転じると、昨日は一時115.96まで急伸しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する三役好転も再点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(2/24以降、レジスタンスとして機能してきた115.70ー80ゾーンの上抜けに成功)。こうした中、本日は日本時間22時30分に発表される米2月消費者物価指数に注目が集まります。

ロシアによるウクライナ侵攻前の数字であるため(足元のエネルギー価格高騰が含まれていないため)、データとしての鮮度は落ちるものの、市場予想を上回る結果となれば、素直にドル買い(インフレ加速→米FRBの大幅利上げ観測→米長期金利上昇→米ドル買い)で反応すると考えられます。また、本日はトルコを含むロシア・ウクライナの三者外相会談も予定されているため、停戦に向けて一歩前進する結果となる場合には、リスク選好の円売りを通じて、ドル円が1/4に記録した約5年ぶり高値116.36に向けて急伸する可能性も十分あるため、本日はドル円のアップサイドリスクに注意が必要でしょう。

尚、本日は上記の他に、日本時間21時45分に発表されるECB理事会や、同22時30分のラガルドECB総裁記者会見にも注目が集まります。前回2 /3に開催されたECB理事会ではインフレ昂進を背景に利上げ時期が近付きつつあるとのタカ派的な見方が示されましたが、その後のロシア・ウクライナ情勢の緊迫化と、それに伴うエネルギー価格の高騰を受けて、今会合ではタカ派色を封印し、再びハト派色に戻ることが予想されます。具体的には資産購入プログラム(APP)の前倒し終了の判断を先延ばしすることや、経済見通しにおいてスタグフレーション(インフレ見通しの上方修正+景気見通しの下方修正)への警戒感を滲ませること、景気下支えを目的にサプライズ的な大規模パッケージを発表することなどが予想されるため、本日はユーロドル相場のボラティリティ拡大にも警戒が必要でしょう。

本日の予想レンジ:115.40ー116.40

ドル円、一時116円手前まで続伸。本日は米CPIとECB理事会に注目

ドル円日足

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