米雇用統計に注目、ウクライナ情勢も要注意(3/4夕)

4日の東京市場は方向性が定まらない。ウクライナ情勢をめぐり右往左往するも、結局レンジ内にはとどまった。

米雇用統計に注目、ウクライナ情勢も要注意(3/4夕)

米雇用統計に注目、ウクライナ情勢も要注意

〇本日のドル円、115円半ばで寄り付き115.20台までドル安が進行するも、結局行って来いの展開
〇「ウクライナ原発攻撃」報道が金融市場に影響、株価急落するも続報で落ち着く、依然要注意
〇昨日欧米時間に115.81を示現するも東京時間は元のレンジへ、当面115円台を中心としたレンジ取引か
〇注目の米雇用統計、好数字が見込まれる、予想通りの結果なら大幅利上げ正当化の材料となるか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-116.10、昨日記録した115.81が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、移動平均の21日線(115.20-30)をめぐる攻防に注目

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は方向性が定まらない。ウクライナ情勢をめぐり右往左往するも、結局レンジ内にはとどまった。

ドル/円は115円半ばで寄り付いたのち、NY時間の米雇用統計発表待ちといった様相で売買手控えムード。しばらくはレンジ取引をたどるも、「ロシア軍がウクライナの原発を攻撃し火災発生」などと伝えられると、一気にリスク回避ムードが強まった。115.20円台までドル安・円高が進行している。しかし、そののち「原発攻撃による放射線量に変化はない」といった発表もあり安心感を醸すと、結局行って来いに。16時現在では寄り付きと同じ115円半ばで推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、ロシアとウクライナによる2回目の停戦協議が実施されたが、合意には至らず。ちなみに終了後、ウクライナ大統領から「停戦交渉に妥協できない点がある」との発言が聞かれ、協議の難航も示唆されていた。そうしたなか、前述した「ウクライナ原発攻撃」報道が伝えられると、金融市場はプチパニック。とくに株価への影響が甚大で、日米ともに急落するという展開をたどっていた。紆余曲折を経たのち、発生していた原発火災が鎮火したことで金融市場も落ち着きを取り戻すが依然として予断を許さない。このあと欧米時間についても関連情報などにはき要注意。
対して後者は、昨日発表された米経済指標は好悪まちまちながら、トータルすればやや失望をイメージさせる内容。ただ、引き続きパウエルFRB議長が議会証言で強いインフレ懸念を示したほか、クリーブランド連銀総裁からも「インフレに対抗することが非常に重要」との発言が取り沙汰されていた。およそ2週間後に米FOMCを控えるなか、このあとも発表される米雇用統計の内容には注意しておきたい。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は昨日欧米時間に115.81円を示現し、直近高値を数ポイント更新するも抜け切れず。そののち元のレンジである114.40-115.80円へとプルバックしている。本日東京も前記レンジ内での往来相場。このあと、米雇用統計の発表もあるうえ、ウクライナ情勢への警戒感も強く予断を許さないが、足もとの115円台を中心としたレンジ取引がいましばらく続く可能性を否定できないだろう。
依然としてウクライナ情勢が市場の波乱要因となっていることは間違いなく、本日の欧米市場も報じられる現地の状況などにまずは一喜一憂する展開か。加えて、日米を中心とした金融政策への関心も高いなか、本日は既に指摘しているように米雇用統計が発表される予定となっている。ちなみに、非農業部門雇用者数はプラス40万人超となかなかの好数字が見込まれているうえ、失業率も3.9%と改善するもようだ。予想通りの結果であれば、大幅利上げが「正当化」されても不思議はないが果たして実際の内容はどうなるか。

テクニカルに見た場合、ドル/円は依然としてレンジ内。方向性は乏しい状況に変化はいまだないようだ。ただ、そんなドル/円、セオリーからすると昨日上抜けが失敗に終わったことで、下方向のリスクが強まっても不思議はないが果たして。115.20-30円に位置する移動平均の21日線を再びしっかりと下回れば114円台突入、下値リスクが再燃しても不思議はない。

材料的に見た場合、中長期的には本日からパラリンピックが開幕、明日から国会に当たる全人代が開催される「中国情勢」、米CDCが「人口の9割超がマスク着用不要」と発表するなどようやく終息も見えてきた感のある「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月の雇用統計が発表されるほか、ウクライナ情勢をメインとしたG7外相会談が開催される見込みだ。また、本来政治とは切り離されたものだが、北京オリンピック開会式は幾つかの意味で物議を醸すものだっただけに、パラリンピックの開会式を「政治要因」から注視しているとの声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-116.10円。昨日記録した115.81円が最初の抵抗。上抜けると2月11日以来の116円台回復も。
対するドル安・円高方向は、引き続き移動平均の21日線(115.20-30円)をめぐる攻防にまずは注目。割り込むと115円割れ、1日安値の114.70円が意識されそうだ。

米雇用統計に注目、ウクライナ情勢も要注意

ドル円日足


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