ウクライナが依然波乱要因、荒い値動きも(2/25夕)

25日の東京市場でドルは小安い。前日欧米時間に逆行高をたどったドルだったが続かず、調整売りに押されている。

ウクライナが依然波乱要因、荒い値動きも(2/25夕)

ウクライナが依然波乱要因、荒い値動きも

〇本日のドル円、115円半ばで寄り付きしばらく底堅いが、底割れすると115.15レベルへと値を崩す
○ロシアのウクライナ侵攻を受け、エネルギー価格の急騰懸念・穀物の供給不安が取り沙汰される
○昨日までは「リスク回避」の円買い優勢だったが、その後は「リスク回避」のドル志向の展開
〇最大の関心事であるウクライナ情勢、2/25に米大統領も参加しNATO緊急首脳会議開催の見込み
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.80、昨日高値115.69が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、東京安値115.15レベルや115円前後などが弱いサポート

<< 東京市場の動き >>

25日の東京市場でドルは小安い。前日欧米時間に逆行高をたどったドルだったが続かず、調整売りに押されている。

ドル/円は115円半ばで寄り付いたのち、しばらくは底堅い。115.40円前後で下げ渋るも、底割れするとそのまま日中安値の115.15円レベルへと値を崩す展開をたどっている。ただ、日経平均株価がクローズベースで500円を超える急反発となるなど、株価はしっかり。ウクライナに対するロシアの侵攻は依然続いているものの、為替市場への影響という意味で第一波は終了したのかもしれない。16時現在では115.20-25円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」について。
プーチン露大統領が実施した演説で、核兵器の使用を示唆するような発言をしたうえ、「ウクライナ侵攻以外の選択肢がなかった」などと行動を正当化するコメントを発し物議を醸す。そうしたなか、G7が「ロシアに対して厳格かつ協調した経済・金融制裁を実施する」と発表するなど、ロシアに対する制裁の動きを強めるなか、当のロシアは「チェルノブイリ原発を掌握」、「当初の目標であるウクライナ陸上の標的83ヵ所を破壊」−−と作戦を着実に遂行しているようだ。
それとは別に、ロシアのウクライナ侵攻を受け、原油を中心としたエネルギー価格の急騰懸念そして穀物の供給不安が急速に取り沙汰されはじめている。実際、時事通信では「商品の総合的な値動きを示す国際的指標CRB指数は23日終値で268.32。2014年11月以来、7年3ヵ月ぶりの高値」と報じていた。また輸入物価急騰などにより、各国中銀の金融政策に影響を及ぼしかねないとの見方もじわりと広がりつつある。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日東京時間までは「リスク回避」の円買いが優勢だったが、その後は同じ「リスク回避」であっても一転してドルが志向される展開をたどっていた。ドル/円は昨日東京夕方の114.42円を目先ボトムに一時1円以上の逆行高となり、本稿執筆時・東京夕方も115.20-30円での推移となっている。先行きを予想するのもなかなか難しいが、ドルは対ユーロ中心に再び買い進まれ、対円でも底堅く推移するといった見方も取り沙汰されていたようだ。
日米を中心とした金融政策に対する警戒感が根底にはあるものの、引き続き市場で最大の関心事はウクライナ情勢。一時期中断していた攻撃が現地未明から再開され、「首都キエフがミサイル攻撃を受けている」といった報道も観測されている。このあとも予断を許さない。なお、ウクライナ情勢について、NATOは緊急首脳会議を25日に開催する見込みで、その会合にバイデン米大統領もオンラインで参加する見通しだという。

テクニカルに見た場合、ドル/円は緩やかな上昇をたどる移動平均の21日線に絡む動き。ちなみに、本日は115.20円前後に位置している。ただ、今後も下値を少しずつ切り上げる展開が予想されるだけに、来週にかけてはしっかり下回ると、今度は抵抗になるといった見方も聞かれていた。逆に、サポートとなりドルの下値を支えるようだと、2度上げ止まった116.35円レベルをうかがう可能性も。

材料的に見た場合、中長期的には中露外相が電話会談を行い「ロシアの安全保障上の懸念」に理解を示したことが明らかになった「中国情勢」、日本では塩野義製薬が開発中の新型コロナ飲み薬の承認申請を行い一部で話題となっている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月のPCEデフレーターや同耐久財受注速報などが発表されるほか、材料的には欧州関係のものが多く注意を払いたい。ユーロ圏財務相会合やEU財務相理事会、前述したバイデン氏も参加するNATO緊急首脳会議にはとくに要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.70-115.80円。昨日高値115.69円が最初の抵抗。超えていけば、116円台回復が再び現実味を帯びてくる。時間を掛けつつ、3番天井トライもあるか。
対するドル安・円高方向は、東京安値115.15円レベルや115円前後などが弱いサポートか。強いものとなると昨日安値かつ、90日線も近くに位置している114.40円前後となりそうだ。

ウクライナが依然波乱要因、荒い値動きも

ドル円日足


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