ウクライナ情勢要注意、リスクは基本円高か(2/22夕)

22日の東京市場はドルが小安い。値動きそのものは決して大きくなかったが、一時114円半ばへと値を下げ、直近安値を更新していた。

ウクライナ情勢要注意、リスクは基本円高か(2/22夕)

ウクライナ情勢要注意、リスクは基本円高か

〇本日のドル円、一時114円半ばへ値を下げるも、徐々にドルが買い戻され結果「行って来い」の様相
〇ウクライナ情勢の緊張感高まる、日米欧各国の動きも活発に
〇ジリジリとドルは下値を切り下げる展開、下値を支えてきた114.40レベルをめぐる攻防に注目
〇基本的にはウクライナ関連のニュースに一喜一憂する展開か
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.10-115.10、115円前後が最初の強い抵抗
〇ドル安・円高方向は本日東京安値114円半ばの攻防に注目、割り込んでも底堅いか

<< 東京市場の動き >>

22日の東京市場はドルが小安い。値動きそのものは決して大きくなかったが、一時114円半ばへと値を下げ、直近安値を更新していた。

ドル/円は114.70-75円で寄り付いたのち、下値を試す展開に。「ロシアがウクライナ東部の親ロシア派が支配する地域の独立を承認した」、さらに「プーチン氏が『平和維持』目的での部隊派遣を認める」と伝えられると、リスク回避志向が強まり、一気に円買いムードが強まった。ドルは114円半ばまで下落。しかし、その後は徐々にドルが買い戻されると結果「行って来い」の様相に。16時現在では114.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、前述した「ロシアがウクライナ東部の親ロシア派地域の独立を承認」、「プーチン氏が『平和維持』目的での部隊派遣を認める」と伝えられるなか、日米欧各国の動きも活発。たとえば、米国は「分離派地域での新たな貿易を禁じる大統領令にバイデン氏が署名」したとされるほか、米国務長官から「親ロシア派の独立承認」を非難するコメントも発せられていた。また、米国を中心に2国間での首脳会議などが幾つか観測され、ウクライナ情勢が協議されるなか、CNNは24日に実施される見通しだった米露首脳会談が「行われない見通しになった」と報じていた。会談開催の前提とされていた「ロシアがウクライナにこれ以上侵攻しないこと」が、事実上順守されなかったことが理由だという。

対して後者は、以前から漏れ伝えられていたが、ジョンソン英首相が「コロナ規制を24日に全廃し、インフルエンザと同じ扱い」にする考えを正式に発表した。規制の全面的な解除は主要国でははじめてのこと。また、豪州もおよそ2年ぶりとなる「国境再開(コロナワクチン接種完了者を対象)」を実施しており、世界的には徐々に「普通の生活」へとシフトしつつあるようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

過熱感の乏しいまま、ジリジリとドルは下値を切り下げる展開となっている。前述したように本日東京時間、ドル/円は114円半ばまで一時値を下げてきた。チャート的には、昨年10月から約5ヵ月の長期にわたりドルの下値を支えてきた移動平均の90日線(114.40円レベル)が間近に迫っており、その攻防にまずは注目だ。しっかり下回ると114円割れ、113.47円がターゲットに。
市場では依然として日米を中心とした金融政策が意識されているものの、短期的には風雲急を告げるウクライナ情勢がそれを覆い隠している格好だ。本日も発表される米経済指標などに気を配りつつも、基本的にはウクライナ関連のニュースに一喜一憂する展開か。なお、金融市場では悲観的な見方が多いだけに、「前向きな対話実施でロシアが合意」などといった内容の方がインパクトは大きそう。ただ、それでもドルの上値は重そうといった見方もある。

テクニカルに見た場合、ドル/円は「しっかり」とは割り込めていなかった115円を下回り、一時114円半ばへ。移動平均では21日線を割り込み、90日線を視界内に捉えた動きとなっている。同水準には一目均衡表の「雲」の下限も位置しており、いずれにしても114.30-40円が次の下値メドで、下抜けると114円割れも否定できない。

材料的に見た場合、中長期的には「レーザー照射問題」で案の定「虚偽の情報をまき散らすな」と豪州に反論を行った「中国情勢」、先で取り上げた英国の対応がメルクマールとして関心を集めている「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、2月の総合PMI速報や同消費者信頼感指数などが発表されるほか、米財務省による2年債の入札などにも要注意。また、突発的に伝えられるウクライナ情勢などにも引き続き注意を要したい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.10-115.10円。これまでサポートとして寄与してきた移動平均の21日線が位置する115円前後が最初の強い抵抗。抜けると115.29円などを目指す。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の114円半ばの攻防にまずは注目。ただ、割り込んでもその下には90日線などが位置しており、底堅そうなイメージもあるが果たして如何に。

ウクライナ情勢要注意、リスクは基本円高か

ドル円日足


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