引き続きウクライナ情勢は予断許さない(2/16夕)

16日の東京市場は横這い推移。115円台半ばから後半の20ポイント弱のレンジ取引で、動意も乏しかった。

引き続きウクライナ情勢は予断許さない(2/16夕)

引き続きウクライナ情勢は予断許さない

〇本日のドル円は動意薄、20ポイント弱のレンジ取引で16時現在115.65前後で推移
〇ウクライナ情勢をにらんでの一喜一憂、ここ1週間は115.01-116.34というレンジ内での一進一退
〇本日は米1月小売売上高、同鉱工業生産、FOMC議事録公表予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.20-116.10、昨日高値115.88が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は115円レベルがかなり強いサポート

<< 東京市場の動き >>

16日の東京市場は横這い推移。115円台半ばから後半の20ポイント弱のレンジ取引で、動意も乏しかった。

ドル/円は115.55-60円で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。ここ最近弱含みが続いた日経平均株価が本日は反騰高。ザラ場ベースで一時600円を超える上昇をたどったものの、為替市場への影響は限られた。引き続きウクライナ情勢への警戒も強く、様子見ムードを保ったまま16時現在では115.65円前後で推移、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「新型コロナ」について。
前者は、昨日欧米時間に日本の岸田首相とウクライナ大統領との電話会談などが相次ぎ実施されるなか、突然「ロシア軍が一部撤収」と伝えられ、金融市場全般でも一時歓迎ムードが広がった。米株やドルが大きく買い進められている。しかし、そののちバイデン米大統領が「ロシア軍部隊の撤収はまだ確認していない」と発言したことで、雲行きが怪しくなると、好感したドルなどの買い戻しもストップ。ジョンソン英首相が、ウクライナ情勢をめぐり「情報当局からの最新の情報は心強い内容でない」という認識を示すなど、まだまだ先行きは予断を許さないのかもしれない。

対して後者は、米欧諸国を中心に「危機は過ぎた」といった見方が主流となり、行動制限措置などを解除あるいは撤廃する先も少なくないが、WHOは「オミクロン株による新たな感染の波が東欧に押し寄せている」としたうえで、「当局にワクチン接種などの対策を強化」するよう求めたことを明らかにした。またアジアでも、香港において「一日当たりの新規感染者は過去2週間で約20倍に増加」との報道も観測されており、決して危機が過ぎ去ったわけではなさそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

為替に限らず、金融市場全般がウクライナ情勢をにらんでの一喜一憂。とくに株式市場はボラティリティの高い状況でなかなか激しい動きだが、ドル/円は結果として115.01-116.34円というレンジ取引がすでに1週間を超えてきている。そのレンジ内での往来相場だ。油断は禁物ながら、このあとも基本的にはレンジ取引、前述した1.3円レンジにおける一進一退がいましばらく続くことになるかもしれない。
日米を中心とした金融政策および金利の動きに着目しつつも、短期的には依然として「ウクライナ情勢」が市場のリスク要因として警戒されている。昨日も報じた「16日が侵攻Xデー」と取り沙汰されるなか、前述したように「一部部隊が撤退」、「いや撤退は確認されていない」−−と情報が錯綜している状態でいまだ落ち着かない。引き続き、何があっても不思議はないように思われる。伝えられるウクライナ情勢についてのニュースに右往左往する展開が本日も基本的には続く見込みだ。

テクニカルに見た場合、足もとのドル/円はレンジ取引。ウクライナ情勢をめぐりレンジ下限に接近した動きから、今度は上限が再び意識されてはいるものの、飽くまでも1.3円というレンジ内での変動には変わりない。市場センチメントもどちらかに偏っている感はなく、基本的にはニュートラル。レンジ放れを期待しつつも、実際に放れていくにはいま少し時間が必要な気がしている。

材料的に見た場合、中長期的にはウクライナ情勢をめぐり、外務省が「米国によるロシアへの圧力」に反対の姿勢を再表明した「中国情勢」、まだまだ過去のものと考えるには早計過ぎる気もする「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月の小売売上高や同鉱工業生産が発表されるほか、1月25-26日分のFOMC議事録が公表される見込みだ。また、米財務省による20年債の入札、ミネアポリス連銀総裁による講演なども予定されており、それらも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.20-116.10円。昨日高値である115.88円が最初の抵抗。抜ければ116円台回復も。
対するドル安・円高方向は、直近だけで2度止まった115円レベルがかなり強いサポートに。そして、その手前昨日安値115.26円がまずはサポートとして意識される展開か。

引き続きウクライナ情勢は予断許さない

ドル円日足


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