ドル円、レンジ相場が継続中。米FOMC議事要旨通過後も方向感を見出せず(2/17朝)

16日(水)のドル円相場は上値の重い展開。

ドル円、レンジ相場が継続中。米FOMC議事要旨通過後も方向感を見出せず(2/17朝)

ドル円、レンジ相場が継続中。米FOMC議事要旨通過後も方向感を見出せず

〇ドル円ロシア軍のウクライナ撤退報道と米長期金利上昇に欧州時間朝方にかけ115.79まで上昇
〇その後ロシア軍撤退の明確な証拠はないとの報道に米国時間午後にかけ115.36まで反落
〇ユーロドル欧州時間朝方にかけ、高値1.1395まで急伸後1.1353まで反落
〇ドル円方向感に欠ける動き続くも、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも、米FRBによるタカ派スタンスの明確化と日銀の緩和長期化がドル円をサポート
〇本日の予想レンジ:115.00ー116.00

海外時間のレビュー

16日(水)のドル円相場は上値の重い展開。@ウクライナ情勢を巡る過度な悲観論の後退(ロシア軍によるウクライナ撤収報道を受けて地政学的リスクが後退)や、A上記@を背景とした市場心理の急速な改善(リスク回避ムード後退→株式市場急反発→リスク選好のクロス円上昇→ドル円連れ高)、B米金利上昇に伴うドル高圧力(米10年債利回りは一時2.06%へ上昇)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて高値115.79まで上昇しました。

しかし、C欧州委員長やNATOより「ロシア軍撤退の明確な証拠はない」との見解が報じられると、D上記Cを背景としたリスク回避ムードの再燃(地政学的リスク再燃→株式市場下落→リスク回避の円買い)や、E米FOMC議事要旨通過後のドル売り圧力(米FOMC議事要旨が予想ほどタカ派的ではなかったことで米金利低下・ドル売りの流れが活発化)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値115.36まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/17午前5時15分現在)では、115.43前後で推移しております。尚、米1月小売売上高(結果3.8%、予想2.0%、※前月比)は力強い結果となりましたが、ドル円相場への影響は限定的となりました。

16日(水)のユーロドル相場は堅調な値動き。@ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの後退や、A上記@を背景とした市場心理の回復期待(欧州株急上昇)、Bユーロ圏12月鉱工業生産(結果+1.2%、予想+0.3%、※前月比)の力強い結果、C欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力(ECBによるタカ派転換観測→独10年債利回りは2018年12月以来の高水準)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.1395まで急伸しました。

しかし、D欧州委員長やNATOから「ロシア軍撤退の明確な証拠はない」との見解が報じられたことや、Eそれに伴うリスク回避ムード再燃、F米1月小売売上高の堅調な結果、G米金利上昇に伴うドル高圧力が重石となると、米国時間朝方にかけて、一時1.1353まで反落する場面も見られました。もっとも、H注目された米FOMC議事要旨が予想ほどタカ派的ではなかったことが判明すると、I米金利低下に伴うドル売り圧力や、Jそれに伴う米主要株価指数の下げ幅縮小が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間2/17午前5時15分現在)では、1.1387前後まで持ち直す動きとなっております。

本日の見通し

ドル円は115円台半ばで方向感に欠ける値動きが続いていますが、@ダウンサイドに複数のサポートポイントが控えていること、A強い買いシグナルを示唆する三役好転が継続していること、B強気のパーフェクトオーダーが成立していること、Cダウ理論の上昇トレンドが続いていること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強い(次の一手はレンジ上放れ)と判断できます。ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派スタンスの明確化(良好な米雇用統計+市場予想を大幅に上回る米CPI・米PPIを受けて3月50bpの大幅利上げ観測は払拭できず→市場による催促相場が続く見通し)や、A日銀による金融緩和の長期化姿勢(日銀は指し値オペを通じて上限金利の抑制に強めるなど、金融緩和姿勢の継続を強調)、B上記@Aを背景とした日米金融政策の明確な違い(日米名目金利差拡大→ドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を意識させる材料が揃っています。

Cウクライナを巡る地政学的リスクが円買い材料として残っていますが、地政学的リスクは「円買い」材料であると同時に、「ドル買い」材料でもあるため、ドル円相場への影響は軽微なものに留まると考えられます(上記Cの影響が緩和されるに伴って、市場の目は上記@ABに移ると見られ、結果としてドル円には上昇圧力が加わると想定)。尚、本日は米1月住宅着工件数や米1月建設許可件数、米2月フィラデルフィア連銀景況指数やセントルイス連銀ブラード総裁講演に注目が集まります。米経済指標が市場予想を上回る場合や、ブラード総裁よりタカ派的なコメントが再度発される場合などには、米長期金利上昇→米ドル高の経路と、米主要株価指数上昇→リスク選好の円売りの組み合わせで、ドル円が再び上昇に転じる恐れもあるため、本日海外時間はアップサイドリスクに注意を要する1日となりそうです。

本日の予想レンジ:115.00ー116.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、レンジ相場が継続中。米FOMC議事要旨通過後も方向感を見出せず

ドル円日足

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