ウクライナ情勢に注目、ドル再下落にも注意
〇本日のドル円、115.30-60といったレンジ取引、株価下落の影響は限定的
〇先週116.34までドル高進行するが、ウクライナリスクで急反落
〇1月米消費者物価指数好調、ドル底堅い推移も情勢緊迫化で帳消しか
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.80-115.70、115.60レベルの攻防に注目
〇ドル安・円高方向は先週末安値115.02が目先のサポート
<< 東京市場の動き >>
週明け14日の東京市場はレンジ取引。日経平均株価がクローズベースで600円強の下落をたどったものの、為替市場への影響は限定的だった。
先週末は、米国のサリバン大統領補佐官が、ウクライナに滞在する米国人に48時間以内に退避するよう促したうえ、「ロシアによる大規模な軍事行動がいまにも始まる可能性がある」と述べたことが話題に。その後も関連発言報道などが相次いでいた。
そうした状況下、ドル/円は115.30円前後で寄り付いたものの、基本的には115円半ば挟みの往来相場。前述したように、日経平均など株価が大きく下落したが為替への影響は限られ、ドル/円は115.30-60円といった30ポイントにややとどかない動きだった。16時現在では115.30-35円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」について。
先で取り上げた「サリバン発言」を受け、週末も関連情報などが飛び交う。当事者であるウクライナからはゼレンスキー大統領が、サリバン発言を否定するとともに「危機は差し迫っていない」との認識を示したものの、あまり信用されず。むしろ、米国のブリンケン国務長官からは「ウクライナへの軍事行動のリスクは米大使館職員の退避を正当化するほど高く、切迫している」との発言が聞かれていた。
また、それとは別に局面打開に向け、「仏露首脳」や「米露外相」、「米露首脳」、「英露国防相」などが相次ぎ会談を行うも、いずれも大きな進展はなし。少なくとも「ウクライナリスク」が後退した感はなく、平和の祭典であるオリンピック期間中にも、ロシアによるウクライナ侵攻の可能性は否定できない。このあとも予断を許さない状況が続きそうだ。関連ニュースなどには要注意。
<< 欧米市場の見通し >>
先週116.34円までドル高が進行したドル/円だったが、そののち急台頭した「ウクライナリスク」が流れを断ち切る結果となった。1円を超える急反落をたどっている。ドル高基調が転換したか否かはまだ不明ながら、上値トライが仕切り直しとなったことは間違いないだろう。ひょっとすると、しばらくはウクライナ情勢をにらみつつ、先週末に掛け記録したドル安値115.02円と同高値116.34円にはさまれたレンジ内での一進一退が続く可能性もある。
1月の米雇用統計に続き、先週発表された1月の米消費者物価指数も強い内容で、米利上げ期待がさらに後押しされた格好だ。いわゆる日米金利差だけに着目すればドルは底堅く推移しそうだが、足もとは前述した「ウクライナリスク」がそれを帳消しにし、むしろリスク回避の動きを増長させている感を否めない。よって、「情勢が落ち着けば再びドル高に向かう」といった見方が少なくないものの、果たしてその「落ち着く情勢」は一体いつ訪れるのだろうか。いずれにしても、まだしばらくはウクライナ情勢に一喜一憂する展開が続きそうだ。
テクニカルに見た場合、ドル/円は依然としてドル高方向へのリスクを残しているものの、チャートの形状が奇麗なダブルトップの様相を呈していることが気に掛かる。目先のサポートとして意識されている移動平均の21日線(114.80円レベル)に加え、114.30円台に位置する同90日線をしっかり下回ると基調転換を本格的に考える必要があるかもしれない。ドル安方向であれば先週末安値の115.02円、そして21日線の攻防にまずは要注目。
材料的に見た場合、中長期的にはウクライナリスクが高まるなか発言を含め、どういった対応にでるのか注目されている「中国情勢」、中国が米ファイザーのコロナ経口薬をはじめて承認した「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日はこれといった米経済指標の発表がないうえ、米地区連銀総裁らによる発言機会もとくになし。ただ、ラガルドECB総裁の欧州議会への出席に加え、注目を集めるウクライナ関連については、「ショルツ独首相がウクライナ訪問し首脳会談を開催」する予定だ。一応注意しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.80-115.70円。本日東京高値である115.60円レベルの攻防にまずは注目。ただ、上抜けても頭は重そうで116円台乗せは困難か。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の115.02円が目先のサポートに。割り込めば当然114円台入りだが、移動平均の21日線などが下値を支え、大崩れも難しそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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