ドル円、下落後に持ち直す展開。ウクライナを巡る地政学的リスクが相場の焦点(2/15朝)

14日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。

ドル円、下落後に持ち直す展開。ウクライナを巡る地政学的リスクが相場の焦点(2/15朝)

ドル円、下落後に持ち直す展開。ウクライナを巡る地政学的リスクが相場の焦点

○ドル円、ロシアによるウクライナ侵攻懸念などが重石となり、安値115.01まで急落
○しかし、ロシア外相が西側との対話継続を提案したとの報道などを支援材料に高値115.75まで急伸
○ユーロドル、地政学的リスクの高まりで、高値1.1369まで上値を伸ばした後、安値1.1280まで急落
○ドル円、テクニカル的にも、三役好転が継続するなど強い地合いと判断
○ファンダメンタルズも、日米の金融政策格差など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃う
○ウクライナ情勢を巡る最新情報を睨みながらも、116円台回復に向けて持ち直す展開を想定
○本日の予想レンジ:115.00ー116.00

海外時間のレビュー

14日(月)のドル円相場は下落後に持ち直す展開。@ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まり(ロシアによるウクライナ侵攻懸念)や、A米金融政策のタカ派傾斜(米2年債と米10年債のスプレッドが2020年4月以来の水準へ急縮小)、B上記@Aを背景とした伝統的金融市場のリスクオフ再燃(株式市場急落→リスク回避の円買い圧力)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値115.01まで急落しました。しかし、心理的節目115.00をバックに下げ渋ると、Cロシアのラブロフ外相が西側との対話継続をプーチン大統領に提案したとの一部報道(プーチン大統領がこの提案を了承)や、D上記Cに伴う株式市場の持ち直し(ウクライナ懸念一服→市場心理改善→株式市場反発→リスク回避の円買い後退)、Eセントルイス連銀ブラード総裁によるタカ派的な発言(7月までに100bpの利上げを支持するとのスタンス堅持→先週末金曜日の火消しは見られず→米長期金利急上昇)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値115.75まで急伸しました。

もっとも、F一部メディアよりロシアが2/16にウクライナに侵攻すると報じられると、G米国がキエフのウクライナ大使館を一時閉鎖したとの報道も重石となり、本稿執筆時点(日本時間2/15午前5時30分現在)では、115.58前後で推移しております。尚、昨日は日本銀行が事前予告通りに「指し値オペ」を通じた上限金利の抑制を行いましたが、市場の反応は限定的となりました。

14日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.1369まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、@ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まりや、AラガルドECB総裁によるタカ派転換に慎重な姿勢(同氏は先週末金曜日に「政策金利を急いで引き上げても過去最高水準にあるインフレ率の抑制にはつながらず経済に打撃を与えるだけである」と発言)、B欧州株の全面安(リスク回避のドル買い圧力)、C天然ガス先物の急上昇(一時12%急騰→欧州経済の先行き不安)が重石となり、米国時間午後にかけて、安値1.1280(2/3以来の安値圏)まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間2/15午前5時30分現在)では、1.1300前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は2/10に記録した高値116.35をトップに反落に転じると、昨日は一時115.01まで下げ幅を広げましたが、一巡後は再び115円台半ばへ反発するなど、底堅い動きが続いております。ローソク足が全てのチャートポイントの上側に位置している点(ダウンサイドに複数のサポートポイントが存在)や、強い買いシグナルを示唆する三役好転も継続するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます(足元の下落は上昇トレンドの過程で見られる一時的な押し目と整理)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米FRBによるタカ派傾斜観測(セントルイス連銀ブラード総裁は先週末金曜日の火消しは行わず、7月までに100bpの利上げが必要とのスタンスを堅持)や、A日銀による金融緩和の長期化姿勢(日銀は「指し値オペ」を通じて上限金利の抑制を実施)、B上記@Aを背景とした日米金融政策格差(日米名目金利差拡大に伴うドル買い・円売り)など、ドル高・円安トレンドの継続を連想させる材料が揃っています。足元のようにウクライナ情勢緊迫化に端を発した世界的なリスクオフ到来局面では、リスク回避の「円買い」が反射神経的に先行する一方、時間差でリスク回避の「ドル買い」も並走するため、ドル円の続落余地は乏しいと判断できます(一方向のドル円下落は想定しづらい)。

この為、本日のドル円相場はウクライナ情勢を巡るヘッドラインやそれに伴う米債・米株市場の動きを睨みながらも、116円台回復に向けて持ち直す展開を想定いたします(尚、本日は日本時間22時30分に発表される米2月ニューヨーク連銀製造業景況指数や米1月生産者物価指数に注目。特に米1月生産者物価指数が市場予想の前年同月比+9.1%を上回る場合には、米インフレ懸念再燃→米長期金利上昇の経路でドル円に強い上昇圧力が加わる恐れがあるため要注意)。

本日の予想レンジ:115.00ー116.00

注:ポイント要約は編集部

ドル円、下落後に持ち直す展開。ウクライナを巡る地政学的リスクが相場の焦点

ドル円日足

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