ドル高基調継続、ただ本日に限ればレンジか
〇本日のドル円、一時115.60レベルまで上昇、先週末高値115.68にはとどかず
〇今週は米雇用統計など重要な米経済指標発表相次ぐ、利上げ後押しする内容となるか注視
〇本日は1月シカゴ購買部協会景気指数、サンフランシスコ連銀総裁ら講演を予定
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-115.90、115.68の攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向は115.10-15が目先サポート
<< 東京市場の動き >>
週明け31日の東京市場はドルが小高い。一時115.60円レベルまで上昇し、先週末の戻り高値に接近する局面も観測されていた。
先週末は、8回目の投票でようやくイタリアの大統領を選出。現職のマッタレッラ大統領の再選が決定されたほか、30日早朝に北朝鮮が今年7回目となる「飛翔体」を発射したことで、週明けの市場でも一部で話題となっていた。
そうした状況下、ドル/円は115.20-25円で寄り付いたのち、ドルはじり高推移。「春節(旧正月)」で中国市場が休みとなるなか、日中高値である115.60円レベルへと一時値を上げている。ただ、先週末高値115.68円が意識されるもとどかずに、そののちは小反落。16時現在では115.40-45円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「ウクライナ情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ウクライナ情勢をめぐる米露のバチバチとしたやりとりが観測されている。たとえば米国は、米国防長官が「ロシアはウクライナ侵攻能力をすでに整えた」と最大限の警戒を発するなか、プーチン大統領の側近であるパトルシェフ安全保障会議書記は、米国の主張について「完全なフィクション」と批判していたようだ。なお、そうしたなか仏露首脳が電話会談を行い、「ウクライナ情勢を協議」するも目立った進展はなし。また独仏外相が2月7日と8日にウクライナ訪問し、ロシアへの対応を協議すると発表されたがこちらは成果を挙げられるのだろうか。
対して後者は、今週末から五輪が始まる北京で新型コロナの感染が広がっているようだ。ブルームバーグでは、外部の接触を遮断する「バブル方式」が採用されているものの、その「バブル内」で感染が拡大していると指摘していた。一方、それとは別に台湾情勢をめぐり米国との鍔迫り合いも幾つか観測されており、一例を挙げると中国の秦駐米大使は米ラジオのインタビューで、「米国が台湾の独立を奨励すれば、米中の軍事衝突が発生する恐れがあると警告した」と報じられている。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円は先週末に戻り高値の115.68円を示現。ちなみに、このレベルは以前から報じている116.35円を起点とした下げ幅の76.4%戻しにほぼ合致する。つまりフィボナッチポイント、テクニカルな上値メドに相当するレベルで目先は上げ渋る可能性も否定できないが、リスクそのものは上向きか。しっかり超えれば116円台回復、100%戻しの年初来高値116.35円がターゲットに。
「利上げに積極的な米国」と「消極的な日本」という構図をたどるなか、今週は週末の米雇用統計をはじめ重要な米経済指標の発表が相次ぐ。少なくとも「年3回の米利上げ」はコンセンサスで、4回目の利上げについても織り込まれつつあるなか、発表される米経済指標がそれを後押しするような内容となるのか否かにまずは注目だ。また、本日は名実ともに1月最終営業日にあたることから駆け込み的な需給要因、ロンドンフィキシングなどを警戒する声も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円は過去2週間ほど推移していたレンジを上放れ。フィボナッチポイントでもある先週高値115.68円を超えればドルは続伸し、年初来高値116.35円が意識されそうだ。
ただし、ザックリ言って移動平均の21日線も近い115円レベルを再び割り込んでしまうと、「上値トライはダマシ」となる危険性もある。月替わりとともに、ハシゴを外すような動きにも一応注意しておきたい。
材料的に見た場合、中長期的には、新型コロナの感染拡大をはじめとするゴタゴタが依然として相次ぐ北京五輪開催をはじめとする「中国情勢」、岸田首相が「東京都への緊急事態宣言は現時点で検討していない」と言明した「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」、「ウクライナ情勢」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、1月のシカゴ購買部協会景気指数や同ダラス連銀製造業活動指数が発表されるほか、サンフランシスコ連銀総裁らによるオンライン講演も幾つか予定されている。ただ、米企業の決算発表はそれほど目立ったものがないようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.00-115.90円。先週高値115.68円の攻防にまずは注目。超えれば116円台乗せも。
対するドル安・円高方向は、115.10-15円が目先サポートとして意識されており、割り込んでも115円前後はなかなか強いサポートか。ワンタッチ程度ということでは115円割れも否定できないが、ドルが大崩れする展開は見込みにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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