ドル円、月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りで一時115円を割り込む展開
〇ドル円、米長期金利上昇一服と月末ドル売りフローに米国時間にかけ一時114.93まで下落
〇ユーロドル、上記に加え独1月CPIの上昇とECBタカ派傾斜警戒感に1.1248まで急反発
〇ドル円、ダウンサイドには主要なサポートライン控えテクニカルな下落余地は乏しい
〇米国の早期大幅利上げへの警戒感強まりファンダメンタルズもドル高円安材料増加
〇ドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:114.70ー115.70
海外時間のレビュー
週明け31日(月)のドル円相場は下落。@日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)や、A時間外の米長期金利上昇に伴うドル高圧力、B月末公表相場のドル買い需要が支援材料となり、アジア時間にかけて、高値115.60まで上昇しました。しかし、先週末金曜日に記録した直近高値115.69をバックに伸び悩むと、C米長期金利の上昇が一服したこと(ドル高圧力の後退)や、D月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りフローが重石となり、米国時間にかけて、安値114.93まで反落しました。もっとも、115円を下回る水準では押し目買い意欲も根強く、下げ渋ると、引けにかけて持ち直す展開に。本稿執筆時点(日本時間2/1午前5時25分現在)では、115.05前後で推移しております。
週明け31日(月)のユーロドル相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.1138まで下げ幅を広げるも、前週末金曜日に記録した約1年8ヵ月ぶり安値1.1121(2020年6月以来)をバックに下げ渋ると、@短期間で下落した反動(自律反発→ショートカバー誘発)や、A米金利上昇一服に伴うドル売り圧力、Bドイツ1月消費者物価指数速報値(結果+4.9%、予想 +4.4%、※前年比)の市場予想を上回る結果、C上記Bに伴うECBのタカ派傾斜観測(今週2/3に予定されているECB理事会に向けたポジション調整)、D月末ロンドンフィキシングに絡むドル売りフローが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.1248まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/1午前5時25分現在)では、1.1240前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は先週末金曜日に記録した高値115.69をトップに反落に転じると、昨日は一時114.93まで下落しました。しかし、ダウンサイドには主要なサポートライン(一目均衡表基準線や転換線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線、1/4に記録した約5年ぶり高値116.36と1/24安値113.47を結んだフィボナッチ50%戻し114.92など)を複数控えているため、テクニカル的に見て、下値余地は乏しいと判断できます(昨日の下落はあくまでロンドンフィキシングに絡むドル売りフローが主因と整理)。ファンダメンタルズ的に見ても、米FRBによる明確なタカ派傾斜や、それに伴う日米金融政策の更なる格差拡大観測(金融緩和の長期化方針が示された日本と、早期利上げ開始・早期QT開始が警戒される米国との金融政策格差)など、ドル高・円安を連想させる材料が増えつつあります。事実、アトランタ連銀ボスティック総裁は3月50bp利上げの可能性について言及(FRBメンバーが50bpの利上げについて言及したのは初めて)した他、サンフランシスコ連銀デイリー総裁も「早ければ3月にも利上げに踏み切ると予想」と発言。
また、カンザスティ連銀ジョージ総裁は「より早期のバランスシート縮小が適切となる可能性がある」と言及しました。更に先週発表された米国のインフレ指標は軒並み高い伸びを記録しており(米12月PCEデフレータ、同コア指数、米12月消費者物価指数は全て約40年ぶり高水準を記録)、米FRBによるタカ派傾斜は今後一段と強まる公算が大きいと考えられます。以上を踏まえ、当方ではドル高・円安基調の継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、昨日より中国は春節(旧正月)で休場となっており、本日からは香港市場も休場となるため、アジア時間帯は市場参加者減少で静かな取引が予想されます。但し、海外時間は注目度の高い米1月ISM製造業景況指数が発表されるため、ボラティリティの上昇に警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:114.70ー115.70
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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