レンジ継続か否か、米消費者物価にも要注意
〇本日のドル円、115円台前半20ポイント満たないレンジ取引、16時現在115.30-35で推移
〇1/4高値116.35示現後は調整色強い展開、ドル底堅く115円割り込んでも一時的か
〇本日は米12月消費者物価指数に要注目
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.90-115.80、115.68が目先の抵抗
〇ドル安・円高方向は115.04めぐる攻防に注目、年初来安値114.94更新すれば下げ加速か
<< 東京市場の動き >>
12日の東京市場はレンジ取引。目立った動意はうかがえず、実際に値幅も20ポイントに満たなかった。
ドル/円は115.25円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。日米株価などに注目しつつ、途中で黒田日銀総裁から「必要なら躊躇なく追加緩和を実施」とした発言も聞かれたが新味は乏しく、影響も限定的だった。115円台前半の20ポイントにも満たないレンジ取引に終始し、16時現在では115.30-35円で推移、欧米市場を迎えている。
なお、為替市場は全般的に動意が鈍いなか、カナダドルが対円やドルなどで小じっかり。対円では昨年11月4日以来となる一時92円台回復をうかがう局面も。
一方、材料的に注視されていたものは、「米金融政策」と「新型コロナ」について。
前者は、昨日11日に米上院銀行委員会でパウエルFRB議長の指名公聴会が行われた。しかし、その内容は「利上げのタイミングはまだ決めてない」、「利上げ回数はデータ次第」などといったようなもので、スパッと言い切るタイプの明言は少なめ。よって、市場筋のあいだからは、若干の「失望」を抱く声も聞かれていた。なお、昨日のパウエル氏に続き13日(←訂正 ×本日)はブレイナードFRB副議長の指名公聴会が行われる見込み。こちらについても、注視している向きは多いようだ。
対して後者は、共同通信が、WHOによる速報値をもとに「3日からの1週間に世界全体の感染者数が1498万人と、前週に続き過去最多を大幅に更新した」と報じたことに続き、「先週のコロナウイルスの新規感染は『オミクロン株』が98%を占める」と米当局が発表したことも話題に。たとえ弱毒性であっても、予想以上とも言える感染力の強さ・蔓延の速さが、引き続き金融市場において危機感を醸す結果となっていたことは間違いない。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は、上値も重いが下値も堅いということで、徐々にレンジ取引の色合いが濃くなりつつあるようだ。実際、過去1週間程度と考えても、115.04-116.35円という1.3円ほどの値動きにとどまっていることがみてとれる。まずは、前述したレンジを上下どちらに放れるのか、その方向性に注目だ。ちなみに、下放れた場合には移動平均の21日線が位置する114円台後半をターゲットにドルは続落も。
依然として日米を中心とした各国金融政策への関心が高いなか、13日の「ブレイナードFRB副議長の指名公聴会」にも要注意。一方、本日でいえば、発表される米経済指標、12月の消費者物価指数の内容が注視されている。金融市場は米利上げを織り込みすぎるぐらいの状況だけに、米指標は好数字よりも悪い数字に反応しやすいとの指摘も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、ドル/円は4日に高値116.35円を示現したものの、一段のドル高トライは失敗に終わると、以降は調整色の強い展開だ。ただ価格よりも時間調整の様相で、実際に過去1週間程度は115.04-116.35円のレンジ取引となっている。なお、敢えて指摘すればリスクは下向きといった声も聞かれるが、それでもドルは底堅く、仮に115円を割り込んでも一時的。結局、元のレンジに回帰するといった見方も少なくない。
材料的に見た場合、中長期的にはいよいよ北京オリンピックの開催懸念も本格的な俎上にのぼりはじめた「中国情勢」に引き続き注目。米露高官協議の翌日にロシア軍が国境付近で軍事演習を行ったことが明らかになった「ウクライナ情勢」、「新型コロナ・オミクロン株蔓延問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の消費者物価指数が発表されるほか、米地区連銀経済報告の公表も予定されている。そのほか、米財務省による10年債の入札やNATO会合など、材料は少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは114.90-115.80円。昨日高値115.68円が目先の抵抗。抜けると116円レベルが再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、直近安値の115.04円をめぐる攻防にまずは注目。底堅いイメージはあるものの、年初来安値114.94円を更新すれば、下げが加速する可能性もある。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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