ドル円、米CPI発表後に急落。米金利低下を睨みながら昨年12/27以来の安値圏へ(1/13朝)

12日(水)のドル円相場は心理的節目115.00を割り込み急落。

ドル円、米CPI発表後に急落。米金利低下を睨みながら昨年12/27以来の安値圏へ(1/13朝)

ドル円、米CPI発表後に急落。米金利低下を睨みながら昨年12/27以来の安値圏へ

〇ドル円、米CPI発表後に材料出尽くし感から急落、一時114.39をつける
〇12月米CPIは前年比+7.0%、40年ぶり高水準を記録するも、市場予想の範囲内
〇ユーロドルCPI発表後の米長期金利急低下等で約2ヶ月ぶり高値1.1453まで急騰
〇ドル円、転換線、基準線、21日線等下抜けテクニカルの地合い悪化
〇一方で三役好転、強気のパーフェクトオーダーは維持、一目均衡表の「雲」も控え下値余地は乏しいか
〇ファンダメンタルズもFRBのタカ派スタンス変わらず、米中心のインフレ加速もあり、ドル買い材料
〇ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:114.00ー115.00

海外時間のレビュー

12日(水)のドル円相場は心理的節目115.00を割り込み急落。株式市場の堅調推移を背景に、米国時間朝方にかけて高値115.47まで上値を伸ばすも、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@注目された米12月消費者物価指数(結果7.0%、予想7.0%、前回6.8%、※前年同月比)が約40年ぶり高水準を記録しつつも市場予想の範囲内に収まったことや、A上記@を背景とした米利上げ観測の後退(市場では米12月消費者物価指数が市場予想を大幅に上回るとの警戒感が強かったことから、マーケットの反応は米CPI通過に伴う材料出尽くし感→想定の範囲内に留まったことへの安堵感→米長期金利低下→米ドル売りの波及経路で反応)、Bテクニカル的な地合いの悪化(ローソク足が心理的節目115.00や一目均衡表基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜ける展開→短期筋の大規模ロスカットを誘発)が重石となり、米国時間午後にかけて、昨年12/27以来となる安値114.39まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間1/13午前5時00分現在)では、114.44前後で推移しております。

12日(水)のユーロドル相場は急上昇。欧州時間朝方にかけて安値1.1355まで下げ幅を広げるも、一巡後に下げ渋ると、@米12月消費者物価指数が市場予想の範囲内に収まったことや、A上記@を背景とした米長期金利急低下→米ドル売りの波及経路(米10年債利回りは1/10に記録した1.80%から昨日は1.71%へ急低下)、B欧州株の堅調推移(リスク選好のドル売り圧力)、C心理的節目1.1400を突破したことに伴う短期筋のショートカバーが支援材料となり、米国時間午後にかけて、昨年11/15以来、約2ヵ月ぶり高値となる1.1453まで急騰しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間1/13午前5時00分現在)では、1.1448前後で推移しております。尚、昨日はドイツで新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多を更新しましたが、市場の反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は1/4に記録した約5年ぶり高値116.36をトップに反落に転じると、昨日は一時114.39まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドや21日移動平均線、心理的節目115.00を下抜けするなど、テクニカル的に見て、地合いの悪化が確認されます。但し、@強い買いシグナルを示唆する三役好転が継続していること、A移動平均線の強気のパーフェクトオーダーが継続していること、Bダウ理論の上昇トレンドが継続していること、C一目均衡表雲上下限がダウンサイドに控えていること等を踏まえると、ここからの更なる下落は容易では無いと考えられます(大規模ポジション調整一巡後の反発リスクに要警戒)。

ファンダメンタルズ的に見ても、@米当局者によるタカ派スタンスへの明確な転換(パウエルFRB議長は市場が過度に米早期利上げ開始を織り込まぬよう意図的にバランスを取った発言を行ったものの、バーキン米リッチモンド連銀総裁やクリーブランド連銀メスター総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁、カンザスシティ連銀ジョージ総裁など複数の米当局者は「3月利上げ開始はあり得る」とタカ派的な姿勢を崩さず)や、A日米金融政策の方向性の違い(日米名目金利差拡大観測→ドル円上昇の経路)、B世界的なインフレ加速(新興国から米国への資金流出圧力)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が残っています。

ドル円、米CPI発表後に急落。米金利低下を睨みながら昨年12/27以来の安値圏へ

以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル円相場の反発をメインシナリオとして予想いたします(※昨日は米CPI通過に伴う材料出尽くし感をトリガーにポジション調整が誘発されましたが、米CPIが7.0%台に到達した事実や、米CPIコアが市場予想を上回っている事実などを踏まえると、年4回の利上げと、早期バランスシート圧縮開始を織り込むのは時間の問題と整理→一巡後に再び米長期金利が上昇し、米ドル高の流れに回帰すると予想)。尚、今晩は米12月生産者物価指数に加えて、米当局者発言(最も注目されているのがブレイナードFRB理事証言。それ以外にもフィラデルフィア連銀ハーカー総裁や、リッチモンド連銀バーキン総裁、シカゴ連銀エバンス総裁などの発言予定あり)が複数予定されている為、本日も米長期金利を睨みながらの神経質な時間帯が続きそうです。

本日の予想レンジ:114.00ー115.00

注:ポイント要約は編集部

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