米雇用統計の内容注視、米金融政策はいかに(1/7夕)

7日の東京市場はレンジ取引。115円台後半の極めて狭いレンジ内での一進一退にとどまり、方向性は乏しい状態だった。

米雇用統計の内容注視、米金融政策はいかに(1/7夕)

米雇用統計の内容注視、米金融政策はいかに

〇本日のドル円、115.80-116.05のレンジ取引に終始、米雇用統計を控え積極的な動意に欠ける
〇1/4に高値116.35を記録して以降115.62-116.35レンジでの取引、ドル買いの流れは目先一服
〇強い数字が見込まれている本日発表の米雇用統計に注目、結果を受けた米金利や株価の動きに要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.40-116.70、引き続き1/4高値116.35が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は115.60-65が強いサポート、割り込んでも下値は堅いか

<< 東京市場の動き >>

7日の東京市場はレンジ取引。115円台後半の極めて狭いレンジ内での一進一退にとどまり、方向性は乏しい状態だった。

ドル/円は115.85円前後で寄り付いたものの、終日を通して積極的な動意に欠ける。NY時間に注目の米雇用統計発表を控えていることもあってか、115.80-116.05円といったレンジ取引に終始している。なお、取引中に鈴木財務相から「為替市場の動き、日本経済への影響を注視している」といった口先介入のようなコメントが伝えられたものの、影響そのものは軽微。16時現在では115.90-95円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米金融政策」について。
前者は、欧州を中心としたコロナの感染拡大が続くなか、ロイターも報じていたように「各国の対応に格差が出てきた」感を否めない。たとえば、ポルトガルは死者や入院者の増加には歯止めが掛かっているという見方から「規制緩和に踏み切る」としたほか、英首相も「コロナワクチン接種を義務化することはしない」と発言していた。つまり英国などは、コロナと共存する道を選んだことになるわけだが、その結末は如何に。ちなみに、WHO高官からは改めて「オミクロン株の重症化リスクは低いが『軽度』とはみなさない」とのコメントが聞かれていたようだ。

対して後者は、5日に発表されたADP雇用統計が予想を大きく上回る好数字となったことに対し、昨日明らかになった週間ベースの新規失業保険申請件数は予想に近い数字ながら、逆にわずかだが悪化した。本命ともいえる本日の米雇用統計が如何なる数値となるのか注目だ。そうしたなか、サンフランシスコ連銀総裁からは「労働市場はかなり強く、FRBは年内に利上げすべき」、セントルイス連銀総裁による「FRBは早ければ3月に利上げする可能性がある」との強気コメントも聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円におけるドル高基調そのものは継続しているなか、ドル買いの流れは目先一服。実際4日に高値116.35円を記録して以降、115.62-116.35円というレンジ取引だ。このあとも、そんな1円にも満たないレンジ取引が続く可能性も否定できないが、度々指摘しているように本日のNY時間には注目の米雇用統計発表が控えている。もちろん数字次第といった面はあるものの、指標発表を受けて相場が動意づく展開には注意を払いたい。
「ゼロ金利政策継続」の日本に対し、先でも取り上げたような米通貨当局者の発言などからすると、利上げムードが一段と強まっている感もある米国情勢。単純に金利差を考えた場合、日本円は基本的に買い進めにくいことは間違いない。そうしたなか、このあと注視されているのは米雇用統計であり、指標結果を受けた米金利や株価の動きにも要注意。ただ、わずかに気になるのは、ここ数ヵ月、かつてほど米雇用統計が市場で材料視されていないこと。今回ももしかしたら「大山鳴動して鼠一匹」という事態になる危険性もあるだろう。

テクニカルに見た場合、ドル/円の上値追いは4日の116.35円で一服した。足もとは116円挟みのレンジ取引となっているが、問題はその解釈。筆者は「基本的なリスクは引き続きドル高方向にバイアス」がかかっており、さらなるドル高進行へ向けた価格調整だと思っているのだが、果たしてそれは正解なのだろうか。なお、4日高値を抜けた場合には、強い抵抗がしばらく存在しないだけに、中期的なターゲットである118円台に向けたドル一段高も否定できない。

材料的に見た場合、中長期的には北朝鮮が支持を表明した反面、北京五輪への不参加を表明した「中国情勢」、ここ数日複数の専門家から楽観的な見方への引き締めコメントが観測されている「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月の雇用統計が発表される見込みで、うち市場の関心がもっとも高い非農業部門雇用者数はプラス44-45万人と予想されている。前月はプラス21万人で、およそ倍増するというかなり強い数字が見込まれているようだ。なお、一部市場筋からは「強い数字が出れば、年3回とされるFRBの利上げが4回に増えるとの思惑が高まる」−−といった声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.40-116.70円。引き続き4日高値116.35円が最初の抵抗。その上はしばらくテクニカルポイントが見当たらないが、昨日4本値を使ったピポットのLBOPにあたる116.70円レベルを一応指摘しておく。
対するドル安・円高方向は、2日連続でドルの下値をサポートした115.60-65円はなかなか強いサポート。また、割り込んでも下値は堅そうで、大崩れは予想しにくい。

米雇用統計の内容注視、米金融政策はいかに

ドル円日足


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