米12月失業率関連指標の予想
本日は注目の米雇用統計関連数値が発表されます。前回11月は下表の@失業率が大幅改善、ANFPは予想外の低さ、B時給はやや予想を下回りました。Aは雇用条件が大きく改善しているので、好条件の求人待ちとの見方があり、また求人数が多いので失業率@が改善したとの見方です。また平均時給は非常に高いので、消費改善の1要因になっています。
さて、今回12月は@が改善継続、A、Bも前月比改善になっています。@は12月FOMCで2021年末4.3%予想ですので、それよりも良くなっていますが、2022年末は3.5%まで改善する見通しですので、その一貫であれば今回は仮に予想レンジ下限以下の改善になり、瞬間的にドル買い材料となっても大きなサプライズとはならないと思います。AはADP社民間雇用者数が予想の倍となる80.7万人が出ましたが、NFPは割と穏やかな予想になっています。11月も悪かったことを勘案すれば、予想レンジ上限がでるか、あるいは10月・11月の上方修正の可能性が高まります。もし予想を上回る数値が出た場合に、10年債金利に与える影響をウォッチし、その後は株価動向になりそうです。FOMC議事録の影響もあり、日米景況感格差や金利差拡大だけでドル買い一辺倒となる相場になるかを見たいと思います。
今回予想
(1月7日9時現在)
さて、下表はコロナ発生後のNFPとADPの雇用推移です。この表から見ると改善度合いはNFP>ADPで公務員を含んだNFPが多いのは妥当と言えます。
また、下図はコロナ発生以降の期間で、発表された当月から1年遡っての年間数値の比較です。例えば今回12月では2021年1月〜12月、11月分は2020年12月〜2021年11月のそれぞれ1年間の集計です。これを見ても概ねNFP>ADPで、今回12月数値が予想通りでも余り違和感はありません。
しかしながら、直近3ヶ月の移動平均線を見ると、ADP>NFPとなり、しかも両者は拡大傾向になっています。
(1)今回の12月NFP予想値44.7万人の場合
(2)は予想レンジ上限を入れた場合です。これでもまだADP>NFPですが、両者は大分近づき同じ傾向を辿っていることが解ります。
(2)今回の12月NFP予想値レンジ上限(85万人)
相場は12月数値と10月・11月の改定値を合算し、予想より上か下でみる可能性が高いので、12月は例えばNFPが30万人未満など、予想以下の数値になればサプライズになる可能性があります。その他、失業率・平均時給も合わせての材料になりますが、仮に大きく下振れた結果になっても雇用改善を示す数値であれば、時間経過で相場の振幅は調整されると思います。
下図はドル円の日足チャートです。昨年9月22日を底値にしてドル高サポートラインA(=114円05銭)があります。一方で高値を結んだB(=116円70銭)に抵抗線があり、ドル上昇ウェッジを形成しています。このレンジ間、12月17日を底値にしたC(=114円45銭)と前回高値のD(=115円52銭)にA・B間のサポートがあります。日足でCを切って終わると、Aまでの下押しになります。一方、直近高値の116円35銭を越えるとウェッジのB、そしてここもクリアすれば、目安として、Aから平行に上げたE(=117円50銭)が視界に入ってきます。
今日の雇用統計で好数値となった場合、FOMC議事録後の金利高⇒株安のパターンが今日も続くのかを見たいと思います。
(2022年1月7日13:15、1ドル=115円88銭)
オーダー/ポジション状況
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