早くも昨年高値上抜ける、ドル続伸期待強い(1/4夕)

4日の東京市場はドルが一段高。一時115.80円台まで値を上げ、年明けから2日間で早くも昨年高値115.52円を上抜けてきた。

早くも昨年高値上抜ける、ドル続伸期待強い(1/4夕)

早くも昨年高値上抜ける、ドル続伸期待強い

〇本日のドル円、年明けから2日間で早くも昨年高値115.52を上抜け、一時115.80台まで値を上げる
〇基本的にはドル買い・円売りの流れがいましばらく続く見込み
〇テクニカルには中期的なターゲットは118円台、強い抵抗はないが上値メドは115.90-95か
〇本日12月ISM製造業景況指数発表、冬休みから復帰する要人の動静に要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.20-116.10、本日東京高値115.80-85レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、115円前後が強いサポートか

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場はドルが一段高。一時115.80円台まで値を上げ、年明けから2日間で早くも昨年高値115.52円を上抜けてきた。

ドル/円は115.30-35円で寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。昨年高値が抵抗となり、115.30-50円といった狭いなかで一進一退をたどる。しかし、上抜けるとストップロスを巻き込み、そのまま115.80-85円まで一気に値を上げた。そののち再び上げ渋るもすでに底堅く、ドルは下がらず。115.70-80円といった強保ち合いをたどるなか、16時現在でもドルは日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えている。
そうしたなか、ランドが対円中心に買い戻しの動き。一時7.32円台まで上昇し、昨年末高値の7.4円前後が視界内に捉えられる局面も。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「米露英仏中の共同声明」について。
前者は、ロイターが「米議会で新型コロナ感染急増」と報じたうえ、別に「米国の一日当たり新規コロナ感染が100万人を超えた」との報道も。弱毒性との見方が有力ながら、感染の強さはやはり無視できないようだ。また、調査会社の発表で、コロナ禍の英国における小売店の客足回復が鈍いと伝えられており、たとえば「クリスマスの翌日であるボクシングデーの客足は、パンデミック前に比べて41%減少」と指摘されていた。新型コロナの感染拡大も問題だが、経済に与えるダメージについても引き続き注意したい。

対して後者は、核保有国である米国、ロシア、英国、フランス、中国の5ヵ国が「核兵器の一段の拡散と核戦争を回避する必要がある」とした共同声明を発表し話題に。ロシア外務省によると、今年8月に延期された「4日開幕予定だった核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせ、ロシアの主導で準備されたもの」だというが、いずれにしても米中などが歩調を合わせたことは大いに評価できそうだ。ちなみに、そののちグテレス国連総長などから「声明を歓迎する」とのコメントも聞かれている。 

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円は、ザックリ言って昨年12月以降緩やかな右肩上がり。112円半ばを起点に、足もとは115.80円台と1ヵ月ほどで3円強の上昇と、上げ足はきわめて緩慢だ。それからすると、確かにドルロングに傾斜していることは間違いないものの、それほど大きくロングが蓄積されているわけではないかもしれない。さらなる高値を目指し、ドルは続伸する可能性もある。
いわゆる各国金利差に着目した場合、日本円を基本的に買い進めにくい環境に変化はないなか、ここ最近はドル買いの動きも活発だ。新型コロナ・オミクロン株の感染拡大といった不安要因もあるが、今年最初のトレンドはドル買い・円売りとなっている。発表される米経済指標や金利、株価などの動きをにらみつつ、基本的には現在の流れがいましばらく続く見込みだ。ただ、その一方、本邦要人からの「口先介入」を警戒する声も高まりつつあることには注意したい。

テクニカルに見た場合、昨年のドル/円は大雑把に「年初安の年末高」だったが、年が変わってもその流れは継続されている。昨年高値115.52円を本日東京でしっかりと上抜けるなか、強い抵抗はしばらく存在しない。中期的なターゲットは118円台であり、さすがに一本調子ではないにせよ、ドル高傾向そのものはまだしばらく続くことになりそうだ。
なお、強い抵抗がないとはいえ、敢えてメドを指摘すれば昨日4本値を参考にしたピボットのLBOPにあたる115.90-95円か。超えれば再びドル買い加速も。

材料的に見た場合、中長期的には、本日東京時間午後に株取引が再開されたものの引き続き不安が募る不動産大手・恒大集団を中心とした「中国情勢」、欧州だけでなく米国でも強い感染拡大懸念が取り沙汰されている「新型コロナ・オミクロン株問題」、「原油供給問題」−−などに注目。
一方、本日は米経済指標として、12月のISM製造業景況指数などが発表されるほか、ようやく世界の要人が冬休みから復帰し始めており、その動静には要注意だろう。たとえば本日は、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が経済見通しに関する講演を行う予定となっている。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは115.20-116.10円。本日東京高値の115.80-85円レベルが最初の抵抗。超えれば116円台乗せもありそうだ。
対するドル安・円高方向は、時間足などやや短期のチャートを見てもかなり底堅そうで、115円前後はなかなかの強いサポートか。さらに短期で見た場合、その手前115.20-30円もサポートになりつつある。

早くも昨年高値上抜ける、ドル続伸期待強い

ドル円日足


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